2018年1月30日火曜日

【174冊目】Frances H. Burnett, The Secret Garden (Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算174冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の12冊目として、

イギリス生まれの小説家
フランシス・ホジソン・バーネット
(Frances Hodgson Burnett, 1849年11月-1924年10月)の
小説『秘密の花園 The Secret Gardenを読みました。

著者61歳の時(1911年8月)に出版された作品です
(アメリカ版。イギリス版は同年10月)


Frances Hodgson Burnett
The Secret Garden

Retold by Ron Davidson

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
20,910語

やさしい英語では、

2012年7月に
ペンギン・アクティブ・リーディングの
レベル2(600語レベル/9,944語)、

2014年11月に
オックスフォード・ブックワームの
ステージ3(1,000語レベル/10,715語)

の2回読んでいるので、
今回が3回目の挑戦になりました。

これまでの2倍の分量で、
それなりに読みでがありましたが、

既によく知っている作品なので、
滞りなく読み進めることができました。

傷つき荒れ果て、固く閉ざされた人の心が、

植物を中心とした
命あるものとの関わりのなかで徐々に癒され、
再生されていく様を描いた見事な作品で、
感銘を受けました。

個人的に、
大好きな作品であることを再確認できました。
これはぜひ、原著のままで自由に読みこなせるようになりたいです。


  ***

バーネットの『秘密の花園』は、
『小公子』や『小公女』と違って、
書名すら知る機会がなかったのですが、

今から十年程前に、光文社古典新訳文庫の
土屋京子(つちやきょうこ)訳を読んで、
感銘を受けたのが初めてでした。


土屋京子(つちやきょうこ)訳
『秘密の花園』
(光文社古典新訳文庫、2007年5月◇507頁)

土屋訳で十分満足して、
他の訳をあまり見ていなかったので、
今回いくつか手に入れてみました。


龍口直太郎(たつのくちなおたろう)訳
『秘密の花園』
(新潮文庫、1954年1月。36刷改版、1993年6月◇427頁)


中山知子(なかやまともこ)訳
『秘密の花園(上・下)』
(春陽堂少年少女文庫
 〔世界の名作・日本の名作55・56〕1978年3月◇263・310頁)

 ⇒徳田秀雄(とくだひでお)絵
  『秘密の花園(上・下)』
  (講談社青い鳥文庫、1991年6・7月◇251・243頁)


猪熊葉子(いのくまようこ)訳
堀内誠一(ほりうちせいいち)絵
『秘密の花園』
(福音館書店〔福音館古典童話シリーズ〕1979年10月◇456頁)

 ⇒『秘密の花園』
  (福音館文庫、2003年6月◇456頁)


山内玲子(やまのうちれいこ)訳
シャーリー・ヒューズ(Shirley Hughes)絵
『秘密の花園(上・下)』
(岩波少年文庫124・125、2005年3月◇頁)


栗原ちひろ(くりはら)訳
椎名優(しいなゆう)絵
『秘密の花園』
(角川つばさ文庫、2012年10月◇241頁)


谷口由美子(たにぐちゆみこ)訳
藤田香(ふじたかおり)絵
『秘密の花園1 ふきげんな女の子』
『秘密の花園2 魔法の力』
『秘密の花園3 動物と話せる少年』
(講談社青い鳥文庫、2013年2・3・6月◇179・271・187頁)


畔柳和代(くろやなぎかずよ)訳
『秘密の花園』
(新潮文庫、2016年6月◇439頁)

この中では、
最初に読んだ贔屓目があるかもしれませんが、

現代のふつうの日本語として、
違和感のない、わかりやすい訳文に仕上がっていて、
土屋訳が一歩秀でているように感じました。

ただし子供向けに、
やさしく噛み砕いた文体で訳されているわけではないので、
小学生向きではないと思います。

子供向けに噛み砕いた文体で、
しかし原文にそって丁寧に訳されていたのは、
講談社青い鳥文庫の谷口訳です。

土屋訳とはだいぶ趣きが異なり、
絵柄もあまり好きなタイプではないのですが、
別の魅力が引き出されているとも言えるので、
次に読むときは、谷口訳もありかなと思っています。


※第174冊目。総計1,739,313語。


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2018年1月16日火曜日

【173冊目】Mark Twain, Huckleberry Finn (Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算173冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の11冊目として、

アメリカの小説家
マーク・トウェイン(1835.11-1910.4)の
小説『ハックルベリー・フィンの冒険』を読みました。

著者49歳の時(1884.12)に出版された作品です
(イギリス版。アメリカ版は1885年2月)


Mark Twain
Huckleberry Finn

Retold by Diane Gruenstein

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
17,020語

調べてみると、

2011年9月に
マクミラン・リーダーズの
レベル3(600語レベル/8,621語)、

2014年11月に
オックスフォード・ブックワームの
ステージ2(700語レベル/6,180語)、

2016年10月に
ペンギン・アクティブ・リーディングの
レベル3(1200語レベル/13,826語)

の3回読んでいるので、
やさしい英語では実に4回目の
『ハックルベリー・フィンの冒険』になりました。


  ***

全訳も読了しているので、
それほど立ち止まることもなく、
最後まで読み進めることができました。

ただトウェインの文章を反映しているのか、
簡単そうに見えて、意外に読みにくい印象が残りました。

前作『トム・ソーヤーの冒険』よりも
文学史上の評価が高い作品ですが、

実際手に取ってみると、
まとまりに欠くところもあって、
それほど読みやすいわけではないので、

まだ自分にとって、
いろいろ謎の残る作品でもあります。

それでも少し時間がたつと、
また読み返したくなる不思議な魅力がある作品なので、
またいずれ機会をみて再読したいと思います。


  ***

翻訳は、読みやすさを重視するなら、
斉藤健一(さいとうけんいち)氏の講談社青い鳥文庫が最適です。


斉藤健一(さいとうけんいち)訳
『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』
(講談社青い鳥文庫、1996年9月◇333・329頁)

斉藤訳に出会って初めて「ハックルベリー」の方も、
ふつうに読んで面白い作品であることを実感できました。

今回改めて調べてみると、最近、
柴田元幸(しばたもとゆき)訳と
千葉茂樹(ちばしげき)訳が刊行されていることを知りました。


柴田元幸(しばたもとゆき)訳
『ハックルベリー・フィンの冒けん』
(研究社、2017年12月◇558頁)


千葉茂樹(ちばしげき)訳
『ハックルベリー・フィンの冒険(上・下)』
(岩波少年文庫、2018年1月◇352・352頁)

柴田訳は新潮文庫の
『トム・ソーヤー』が良かったので期待大なのですが、
凝りすぎな読みにくい訳文になっていないか、
少し心配しています。

千葉訳は岩波少年文庫からの刊行なので、
近々手に取ってみようと思っています。


※第173冊目。総計1,718,403語。


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2018年1月10日水曜日

ローラ・インガルス・ワイルダー著〔恩地三保子訳〕『大きな森の小さな家』(1972年翻訳刊行)

アメリカの作家
ローラ・インガルス・ワイルダー
(Laura Ingalls Wilder, 1867年2月~1957年2月)の
小説『大きな森の小さな家
    Little House in the Big Woodsを読みました。

著者35歳の時(1932)に出版された作品です

計10冊からなる
「インガルス一家の物語」の第1冊目です。


ローラ・インガルス・ワイルダー著
ガース・ウィリアムズ絵
恩地三保子(おんちみおこ)訳
『大きな森の小さな家』
(福音館書店、1972年7月◇254頁)


 ⇒福音館文庫(2002年6月◇256頁)にて再刊。

この作品は、
幼い頃にテレビで見かけた記憶があったので、
この機会に調べてみました。

もとはアメリカのテレビ局NBCで制作された番組で、
Little house on the Prairieという題で、
1974年から1982年まで全9シーズンにわたって放映されました。

日本でもほぼ同時期(1975~82年)に、
NHK総合テレビジョンで
「大草原の小さな家」という題で放映されているので、
それを時折、家のテレビで眺めていたのだと思います。

 ※Wikipediaの「大草原の小さな家」の項目を参照。

自分がちょうど3歳から10歳の時
(1975-82年)に放映されているので、
映像のみ何となく頭に残っているのもうなずけます。


  ***

とはいっても、
どんなお話だったのかは全く記憶になく、

40代になったころに面白そうだと興味がわいて、
翻訳をいくつか購入してみたのですが、

実際に読んでみると、
それほど起伏に富んだお話ではなく、
途中で退屈して止めてしまうこと数回。

はじめは翻訳のせいかとも思い、
いくつか手に取った上で、最終的に
恩地三保子(おんちみおこ)訳に落ちついたものの、

こちらも時折、
立ち止まりながら少しずつ読み進めたので、
1冊読み終わるまでずいぶん時間がかかりました。

手に汗握る冒険の物語が展開されている訳ではないのですが、

あくまで女性の目から見た
古き良きアメリカの素朴な生活誌なのだとわかれば、
合点がいくように思われました。

一人の女の子の目からみた一家の歴史なので、
男の視点とは違っていて当然であり、

1冊読み進めるうちに、
その違いを楽しむことができたらいいな
と思えるようになって来ました。

だんだん魅力がわかるようになってきたので、
第2冊『大草原の小さな家』に進みたいと思います。


  ***

なお『大きな森の小さな家』の英文は、
ぱっと見かなりわかりやすいので、
原文のままで読む英書の、
最初の1冊にしようかなと思案中です。

多読が200万語をこえたあたりで、
児童書のなかから自分に読めそうなものを選んで、
1冊ずつ読み進める計画を立てています。

日本語の小説を読むように、
英語で読み進められたら素敵だなと。





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