やさしい英語の本、通算179冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の17冊目として、
アイルランド生まれの小説家
ジョナサン・スウィフト
(Jonathan Swift, 1667年11月-1745年10月)の
小説『ガリヴァー旅行記』を読みました。
著者58歳の時(1726年10月)に出版された作品です。
Jonathan Swift
Gulliver's Travels
ガリバー旅行記[新版]
〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2014年4月
15,350語 ※編訳者の記載なし。
[新版]とあるので調べてみると、
旧版は2006年12月に同シリーズのレベル4[23,500語]として刊行されていました。
旧版(レベル4)には
第1部 リリパット(小人国)への航海
第2部 ブロブディンナグ(大人国)への航海
第3部 ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、
グラブダブドリッブ、および日本への航海
第4部 フウイヌム(馬の国)への航海
のうち第1・2部が収録されているのに対して、
新版(レベル3)には第1部のみが収録されていました。
やさしい英語では、
2013年9月に
ペンギン・リーダーズの
レベル2(600語レベル/9,681語)
で読んで以来なので、2回目の挑戦となりました。
***
さて、
あらすじだけをたどれば、
突拍子もないアイデアの
独創性にあふれた物語なのですが、
実際に読んでみると、
筆者の作為がみえみえなのと、
叙述が平坦で退屈に感じられて、
それほど面白いとは思えませんでした。
また、
290年前の英文を反映しているからか、
やさしい英語に直されているとはいっても、
難しい言い回しがやや多かったように感じました。
今回読んでみて、
やはりそれほど面白いとは思えなかったのですが、
アイデアが独創的であることは間違いないので、
今後時間を置いてから、また機会があれば挑戦してみようと思います。
***
翻訳は、
いくつか手に取ってみた上で、
読みやすさ重視で選ぶなら、
坂井晴彦(さかいはるひこ)訳が良いように感じています。
坂井晴彦(さかいはるひこ)訳
C・E・ブロック(絵)
『ガリヴァー旅行記(上・下)』
(福音館文庫 C-20・21、2006年1月◇288・325頁)
※初出は箱入りの1冊本で、福音館書店
(福音館古典童話シリーズ26、1988年1月◇586頁)刊行。
このほか、
岩波文庫の平井正穂訳『ガリヴァー旅行記』
新潮文庫の中野好夫訳『ガリヴァ旅行記』
の2編を購入しましたが、
どちらも活字が小さいうえにすり減っていて、
読むのがつらかったです。
ただし平井訳は、
活字の大きな版も出ているので、
そちらを手に入れてみたところ、
洗練された読みやすい平易な訳文であることに、
改めて気がつきました。
『ガリヴァー旅行記』
(岩波書店〔岩波クラシックス5〕1982年6月◇461頁)
大人向けには平井訳も捨てがたいように思われます。
中野訳は活字が大きくても、
言い回しが多少古く、読みにくさは変わらないのですが、
子供向けに表現を噛み砕いた版もあって、
そちらはかなり読みやすくなっていますが、
坂井訳には及ばないように感じます。
中野好夫(なかのよしお)訳
『ガリバー旅行記1・2』
(岩波少年文庫、1951年4・5月。
改版、1968年4・5月◇276・241頁)
※巻1のみ岩波少年文庫、新版、2001年3月◇266頁。
つい最近(と思っていたもう7年程前)、
角川文庫から山田蘭(やまだらん)訳が出ました。
山田蘭(やまだらん)訳
『ガリバー旅行記』
(角川文庫、2011年3月◇461頁)
新潮文庫の中野訳よりは読みやすいのですが、
平井訳や坂井訳と比べると、
そこまでの読みやすさは感じませんでした。
ただし角川文庫は、
新刊でも活字が小さめなので、
その分損をしているのかもしれません。
※第179冊目。総計1,803,203語。
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