2025年8月17日日曜日

【読了】清少納言 著/佐々木和歌子 訳『枕草子』(光文社古典新訳文庫、2024年3月)

  清少納言(966頃~1025頃)の随筆『枕草子』を、2024年3月に光文社古典新訳文庫から刊行された佐々木和歌子(ささきわかこ。1972- )氏による瑞々しい現代語訳で読みました(Kindle Unlimited)。いくつか手にした中で、こなれた現代の言葉で訳されており、いちばん読みやすく感じました。

 書籍版も昨年春には購入していましたが、一年は「積ん読」状態。最近 kindle Unlimited でも読めることに気がついて、5月ごろから少しずつ読み進めていました。



清少納言 著
佐々木和歌子 訳
『枕草子』
(光文社古典新訳文庫、2024年3月。◇575頁)

 はじまりの流れの良さに惹き込まれ、そのまま全文読み切れたのが一番の成果です。

 ただ、あくまで文章のリズムを最優先されたようで、当時の有職故実にかかわるさまざまな用語についての説明がかなり少なく、深く読み込もうとしたらわからないことが多々残される、という問題がありました。とはいえ、わかりにくい言葉にすべて注を施そうとしたなら、とても一冊では収まらなかったはず。私のように、勢いに任せてとりあえず全文読み切りたい向きには最適な一冊でした。

 ざっと読んだだけですが、随筆として清少納言の感性に共鳴するところが思っていたより少なく、1000年以上前に宮廷内のさまざまな事象を書き残してくれたことへの感謝の気持ちが多く残りました。少し時間をおいてから、再読してみようと思います。島内裕子(しまうちゆうこ。1953- )氏の校訂/訳による『枕草子』が気になっています。



清少納言 著
島内裕子 校訂・訳
『枕草子 上・下』
(ちくま学芸文庫、2017年4月◇464・528頁)



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