2012年5月23日水曜日

【読了】森繁和 『参謀―落合監督を支えた右腕の「見守る力」』


森繁和 著
『参謀 ― 落合監督を支えた右腕の「見守る力」』
(講談社、平成24年4月)


昨年11月に発売された
落合博満氏(ドラゴンズ戦監督)の『采配』に続き、

森繁和氏(ドラゴンズ前ヘッドコーチ)の
『参謀』が4月に発売されました。


常勝軍団の参謀役にいた人物が、
実際に何を考えて、監督にどう仕え、
選手に対してどのようにふるまっていたのか、

ご本人から話をうかがう機会はまずないことなので、
ゴールデンウィーク中に、興味深く読了させていただきました。


プロ野球の球団のような大きな組織では、
監督一人でがんばろうとしても限界があるので、

よい参謀役になる方を
自分のそばに置けるかどうかが、
決定的に重要なんだなあ、と実感することができました。


本書を読んで、森繁和氏は、

一般社会で生きていく上での「常識」の引き出しが、
人並外れて豊富な方だと思いました。

一つ一つは常識的なことでも、
選手一人ひとりへの繊細な「目配り、気配り」が
驚くほどに行き届いていて、

自分にはとても真似できないレベルだと思いました。


こうした素質は、
落合前監督にはないものなので、

かなり前から、
自分がもし監督をするときには、と
森氏の実力に目を留めていた落合氏の眼力にも感心しました。


自分のことを理解してくれて、
しかも自分にない性質をよく補ってくれる人物との出会いは、

確かに一生に一度あるかないかのことだと思うので、
人との出会いは大切にしなければならない、

しかしまずは自分を磨いて、
自らがそれなりの人物になる努力を重ねなければならない、
と思いました。

大変勉強になる一冊でした。

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