塩野七生著
『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち[一]』
(新潮文庫、平成17年9月)
※初出の単行本は第Ⅶ巻、新潮社、平成10年9月。
5月に、
初代皇帝アウグストゥス(BC63-AD14 在位BC27-AD14)
の評伝を読み終えてから、
少し間を置きましたが、
ひき続き『ローマ人の物語』を読み進めて参ります。
単行本第Ⅶ冊は、
文庫本で4分冊してありますが、
アウグストゥス後、数代の皇帝が登場するようです。
このあたりの歴史には全然詳しくないので、
楽しく勉強しながら読み進めていきます。
文庫本第17巻には、
第2代皇帝ティベリウス(BC42-AD37 在位AD14-37)
の治世の大部分、
ロードス島隠遁に至る前までが描かれています。
カエサル、アウグストゥスのどちらとも違って、
皇帝に直接つながる血脈の正当性を欠き、
大衆受けするカリスマ性をも欠きながら、
自らの政治的に与えられた立場を
一つ一つ着実に冷静にこなしていくさまは、
個人的に共感を持てました。
ローマ史について何も知らないのが
かえって良かったのかもしれませんが、
塩野七生さんの叙述も初心者にわかりやすく、
今回も楽しませていただきました。
こんな感じの読みやすい、
大人向けの日本史ってないように思います。
日本史となると各時代の専門家が黙っていないでしょうから、
実現は難しいのでしょうが、
左右の極端な史観にそまらない、
事実の記述を旨とした、
文庫本で40冊程度にまとめられる
国民の歴史、
どなたか執筆されないでしょうか。
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