アイルランド王国ダブリン生まれの小説家
ブラム・ストーカー(Bram Stoker 1847.11-1912.4)の
小説『吸血鬼ドラキュラ Dracula 』を読みました。
著者49歳の時(1897.5)に出版された作品です。
ブラム・ストーカー著
田内志文(たうちしもん)訳
『吸血鬼ドラキュラ』
(角川文庫、平成26年5月)
ホラー物にはあまり興味がないのですが、
一番有名なものくらいはと思って、
昨年(2014)8月に、
やさしい英語で『ドラキュラ』を読み終えました。
同時に翻訳のほうもと思いましたが、
定評ある平井呈一(ひらいていいち)氏の翻訳は、
半世紀以上をへてさすがに古めかしく感じたので、
春先に出た田内志文(たうちしもん)氏による新訳を読み進めていました。
平井呈一訳
『吸血鬼ドラキュラ』
(創元推理文庫、完訳初版、昭和46年4月)※初出は『魔人ドラキュラ』(創元社 世界大ロマン全集3、昭和31年10月)。完訳ではない。こちらの版も創元社文庫、昭和38年、12月に収録。
田内氏の訳文はとてもわかりやすく、
現代の日本語の小説を読むのと同じ感覚で
読み進めることができました。
それでも650頁をこえていたので、
なかなか先に進みませんでしたが、
正月に集中して読み進め、
このたび読了となりました。
予想よりもずっとよく練り込まれた
本格的な娯楽小説で、
ただ恐いだけでなく、
歴史あり、冒険あり、恋愛ありの
先へ先へと読ませる力の強い小説でした。
数人の主人公が、
手紙や日記を書く連ねていくかたちで
物語が展開していくのですが、
冗長な感じがなく巧みに構成されていて、
吸血鬼への興味はあまりない、
私が読んでも十分に楽しむことができました。
調べてみると、
13年程前にもより詳細な完訳版が出ていることがわかりました。
ブラム・ストーカー著
新妻昭彦・多治愛 訳
『ドラキュラ』
(水声社、平成12年4月)
田内訳で何も不満はありませんが、
完訳詳注版とのこと、
近々手に入れてみたいと思います。
※Wikipediaの「ブラム・ストーカー」「ドラキュラ」を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿