やさしい英語の本、通算144冊目は、
ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル3(1200語レベル)の2冊目として、
英語学習者向けに
やさしい英語の本を書き下ろされている
ポール・シプトン氏による
イギリスの小説家
チャールズ・ディケンズ(1812.2-1870.6)の評伝を読みました。
Paul Shipton
Charles Dickens
〔Penguin Active Reading Level 3〕
This edition first published by Pearson Education Ltd 2007
13,439語
四十を過ぎるまで、
『クリスマス・キャロル』すらまともに読んだことがなかったので、
著者ディケンズについても何も知らぬまま生きて来ました。
やさしい英語の本を読むようになって、
『クリスマス・キャロル』や『デイヴィッド・コパフィールド』や『二都物語』で、
その深い魅力に気がつくようになると、
ディケンズ本人についてより詳しく知りたくなりました。
しかし日本語で、
ディケンズの手ごろな入門書がないか探してみると、
研究者向けの高価で大部なものが多く、
高校生くらいから読めそうなわかりやすいものは出ていませんでした。
今回のやさしい英語によるディケンズの評伝、
一見難しそうでしたが、
実際に読んでみると初心者の私にもわかりやすく、
ディケンズの生涯を大まかにたどりながら、
主要な著作の内容も手短に紹介してあって、
読書案内としてもとてもよく出来ていました。
どれも原文はかなり難渋なようなので、まずは翻訳で、
『オリバー・ツイスト』あたりから1作ずつ読み進めていこうと思います。
紹介されていた著作を以下にまとめておきます。
Sketches by Boz
◇『ボズのスケッチ集』『ボズのスケッチ』 『ボズの素描集』
⇒1933年から36年にかけて〔21-24歳〕、
新聞・雑誌等に発表されたスケッチ集。
第1集2巻(1936年2月)、第2集1巻(同年8月)刊行。
再編した1巻本を1939年に刊行。
Pickwick Papers
◇『ピクウィック・ペイパーズ』『ピクウィック・ペーパーズ』
『ピクウィック・クラブ』『ピクウィック倶楽部』
⇒1836年4月から37年11月まで月刊分冊〔24-25歳〕。
Oliver Twist
◇『オリヴァー・トゥイスト』『オリヴァ・トウィスト』
『オリバー・ツイスト』『オリヴァー・ツウィスト』
『オリバーの冒険』など
⇒1837年2月から39年3月まで月刊分冊〔25-27歳〕。
Nicholas Nickleby
◇『ニコラス・ニクルビー』
⇒1838年4月から39年10月まで月刊分冊〔26-27歳〕。
The Old Curiosity Shop
◇『骨董屋』
⇒1840年4月から1841年2月まで月刊分冊〔28-29歳〕。
Barnaby Rudge
◇『バーナビー・ラッジ』『バーナビ・ラッジ』
⇒1841年2月から同年11月まで月刊分冊〔29歳〕 。
American Notes
◇『アメリカ紀行』『アメリカ見聞記』
⇒1842年10月刊行〔30歳〕 。
Martin Chuzzlewit
◇『マーティン・チャズルウィット』
⇒1843年1月から44年7月まで月刊分冊〔31-32歳〕 。
A Chiristmas Carol
◇『クリスマス・キャロル』
⇒1843年12月刊行〔31歳〕 。
Pictures from Italy
◇『イタリアのおもかげ』
⇒1846年5月刊行〔34歳〕 。
Dombey and Son
◇『ドンビー父子』
⇒1846年10月から48年4月まで月刊分冊〔34-36歳〕 。
David Copperfield
◇『デイヴィッド・コパフィールド』
⇒1849年4月から50年10月まで月刊分冊〔37-38歳〕 。
Bleak House
◇『荒涼館』
⇒1852年3月から53年9月まで月刊分冊〔40-41歳〕 。
Hard Times
◇『ハード・タイムズ』
⇒1854年4月から同年8月まで週刊分冊〔42歳〕 。
Little Dorrit
◇『リトル・ドリット』
⇒1855年12月から57年6月まで月刊分冊〔43-45歳〕 。
A Tale of Two Cities
◇『二都物語』
⇒1859年4月から同年11月まで週刊分冊〔47歳〕 。
Great Expectations
◇『大いなる遺産』
⇒1960年12月から61年8月まで週刊分冊〔48-49歳〕 。
Our Mutual Friend
◇『我らが共通の友』『互いの友』
⇒1864年5月から65年11月まで月刊分冊〔52-53歳〕 。
The Mystery of Edwin Drood
◇『エドウィン・ドゥルードの謎』『エドウィン・ドルードの謎』
⇒1870年4月から月刊分冊〔未完58歳没〕。
※書誌の詳しい情報は、主に松村昌家編『ディケンズ小事典』(研究社出版、1994年1月)によりました。初心者向けとしては、一番手ごろな1冊です。日本語で書かれた伝記は、偶然手に入れた三ツ星堅三著『チャールズ・ディケンズ ―生涯と作品』(創元社、1995年10月)が優れていました。専門書ですが、研究者らしからぬ読ませる文章で感心しました。上記の著作については邦訳も一通り調べましたが、かなり大部になったので別のブログでアップする予定です。
※第144冊目。総計1,273,609語。
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