ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の20冊目として、
インド出身のイギリスの小説家
ウィリアム・メイクピース・サッカレー
(William Makepeace Thackeray, 1811年7月-1863年12月)の
小説『虚栄の市 Vanity Fair 』を読みました。
サッカレー35歳から37歳の時、
1847年1月から翌年7月にかけて毎月分冊にて発表された小説です。
William Makepeace Thackeray
Vanity Fair
Retold by Pauline Francis
〔Penguin Readers Level 3〕
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
23,566語
サッカレーの名のみどこかで聞いたことがありましたが、
作品を読んだことは一度もありませんでした。
ディケンズと同時代の作家による代表作ということで、
取り寄せて読んでみました。
『虚栄の市』という古めかしいタイトルに、
堅めの真面目なお話かと思っていたら、
全体的に軽めの筆致で、
したたかに貪欲に生きていく女性の姿を描いていて、
かの『風と共に去りぬ』を多少俗っぽくしたような印象が残る、
読み応えのある小説でした。
やさしい英語で読むと、
長い原作をかなり圧縮しているからか、
初めて読むには、却ってわかりにくいところがありました。
それでも手短にあらすじを知ることができるので、
作品の魅力に触れるのに役立つ1冊だと思いました。
***
翻訳は次の3点が見つかりました。
平田禿木(ひらたとくぼく)訳
『虚栄の市 (上・下)』
(国民文庫刊行会〔泰西名著文庫〕1914年6月・15年4月◇792・738頁)
※下巻の本文738頁に「とりあつめて」(20頁)「サッカレ書史」(11頁)が続く。
三宅幾三郎(みやけいくさぶろう)訳
『虚栄の市(一~六)』
(岩波文庫〔1-3〕1939年2・4・7月◇275・285・210頁。
〔4-6〕1940年1・4・7月◇204・190・181頁)
※『虚栄の市(上・下)』
(河出書房〔世界文学全集[第1期]第39・40〕1951年◇354・353頁)
※『虚栄の市』
(河出書房新社〔世界文学全集[第3期]第7〕1957年◇486頁)
中島賢二(なかじまけんじ)訳
『虚栄の市(一~四)』
(岩波文庫〔1-2〕2003年9・11月◇434・447頁、
〔3-4〕2004年1・3月◇446・381頁)
最近のものとしては中島訳があるのみですが、
購入してざっと目を通した限りでは、
十分読める訳文に仕上がっているように感じました。
それでも文庫4冊は多いので、
今後時間が取れそうな時に読んでみようと思います。
1998年にイギリスで製作されたBBCドラマが
DVDで手に入るようなので、
まずはこちらを観るのが一番かもしれません。
監督:マルク・マルデン(Marc Munden)
脚本:アンドリュー・デイビス(Andrew Davies)
主演:ナターシャ・リトル(Natasha Little)、
フランシス・グレー(Frances Grey)
フィリップ・グレニスター(Philip Glenister)
322分の大作なので、
こちらもまた時間のある時に。
※第156冊目。総計1,469,388語。
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