やさしい英語の本、通算172冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の10冊目として、
イギリス生まれの小説家
フランシス・ホジソン・バーネット
(Frances Hodgson Burnett, 1849年11月-1924年10月)の
小説『小公女 A Little Princess 』を読みました。
この小説は初め、
「Sara Crewe; or, What happened at Miss Minchin's 」
という題名で、
アメリカの児童雑誌『セント・ニコラス』の
1887年12月号・88年1月号・同年2月号に連載されたのち、
(『ST. NICHOLAS Volume XV. Part I』97・168・252頁を参照)
1888年中に単行本として刊行されました。
(New York, Charles Scribner's Sons 1888◇83頁)
その後1902年に
「A Little Un-fairy Princess 」
という題名で舞台化されるとともに大幅加筆され、
1905年9月に最終稿として、
『A Little Princess: Being the Whole Story of Sara Crewe Now Being Told for the First Time 』
の題名で単行本が刊行されました。
(New York, Charles Scribner's Sons 1905年9月◇266頁)
つまりこの作品は、バーネットが
38歳の時(1887年12月)に初稿が発表されたのち、
15年以上をへた55歳の時(1905年9月)に、
改訂増補された最終稿が完成していたことになります。
Frances Hodgson Burnett
A Little Princess
Retold by Diane Gruenstein
〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
13,780語
クリスマスの雰囲気に合った作品をもう一つと、
バーネットの『小公女』を読みました。
やさしい英語では、
2012年4月に、
オックスフォード・ブックワームズの
ステージ1(400語レベル/5,840語)
で読んで以来2回目の挑戦になりました。
***
こちらはどちらかといえば女子向けの作品なので、
若いころはまったく興味がわかなかったのですが、
30代後半に『秘密の花園』を読んで、
バーネットの魅力に気がついてから、
『小公女』と『小公子』も読んで、
バーネット作品のファンになりました。
今回読んでみても、
前向きに生きることの意味を考えさせられる
夢のある楽しいお話で、ますます良く出来た作品であることを再確認しました。
この作品はぜひ、原書のまま楽しんで読み進められるようになりたいと思っています。
翻訳は今回、
岩波少年文庫の脇明子(わきあきこ)訳を
手元に置いて読み進めました。
脇明子(わきあきこ)訳
小西英子(こにしえいこ)絵
『小公女』
(岩波少年文庫、2012年11月◇430頁)
落ちついた印象のわかりやすい訳文で、
安心してお薦めできる一冊に仕上がっていました。
ただその後改めて、最初に読んだ
鈴木美朋(すずきみほ)訳を取り出してみると、
現代の小説のようにすっと心に入り込んでくる
リズムの良い、瑞々しい訳文で、
やっぱり鈴木訳もいいな、と思い直しました。
鈴木美朋(すずきみほ)訳
『小公女』
(ヴィレッジブックス、2012年3月◇349頁)
ルビも挿絵もないので、
子供向けではないかもしれませんが、
ほかの訳者にしっくり来ない場合は、
一度読んでみることをお薦めします。
個人的に一番お気に入りの翻訳です。
※第172冊目。総計1,701,383語。
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