2025年8月31日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第17・18・19帖「絵合」「松風」「薄雲」

  与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。8月は、

  第17帖「絵合(えあわせ)」〈https://amzn.to/3V3rBlT
  第18帖「松風(まつかぜ)」〈https://amzn.to/41CCvD0
  第19帖「薄雲(うすぐも)」〈https://amzn.to/3JItD8L

の3帖を読みました。第19帖で藤壺が亡くなったことは、物語の前半の区切りともいえそう。ふつうに読めますが、多少物語の力が弱まっているようにも感じます。しかし人生の後半を、誰にも興味深く書いてみせるのは相当難しいことのはず。私には、まだまだ面白い。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 上巻』(角川文庫、1971年8月、改版初版発行)の第56版(1994年12月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしたものです。

 校正には第71版(2002年4月発行)が使用され、
  第17帖「絵合」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。
  第18帖「松風」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年6月に青空文庫ファイルを作成。
  第19帖「薄雲」は、
   kompass氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。

2025年8月24日日曜日

【読了】池田理代子著『皇帝ナポレオン』第1・2巻(フェアベルコミック)

  池田理代子(いけだりよこ。1947~)『皇帝ナポレオン』の第1・2巻を読みました。全12巻のうち第1~6巻まで Kindle Unlimited で読めることを知り、試しに読んでみることにしました。有名な『ベルサイユのばら』の続編とされる作品で、だいぶ前に中公文庫版を数冊購入してみたものの、活字が小さすぎて挫折していました。今回面白かったら7巻以降も購入して読んでみようと思います。

 本作品の初出は、『婦人公論』誌上で1986年5月から1995年1月まで『エロイカ』と題して連載されたのち、『エロイカ』全14巻(中公コミックス・スーリ、1987年1月~1995年2月)として単行本が刊行されました。そののち『栄光のナポレオン ―エロイカ―』全12巻(中公文庫コミック版、1997年5~10月)と改題して再刊。さらに10年をへて『皇帝ナポレオン』全9巻(フェアベルコミックス、2007年11月~2008年7月)と改題して再刊されました。

 フェアベルコミックスには巻次を明記しておらず、正確な巻数がわかりにくいので、便宜的に丸数字で巻数を示し、巻頭にみえる副題を添えて整理しておきます。

 ① ナポレオン・ボナパルト将軍編(2007年11月)
 ② 栄光へ 27歳の天才司令官編(2007年12月)
 ③ ナポレオン イタリア征服す編(2008年1月)
 ④ ナポレオンの危機 エジプト編(2008年2月)
 ⑤ ナポレオンの逆襲 フランス大改革編(2008年3月)
 ⑥ フランス皇帝ナポレオン(2008年4月)
 ⑦ ヨーロッパ大陸の支配者編(2008年5月)
 ⑧ 二人の皇帝編(2008年6月)
 ⑨ 英雄ナポレオンの最期編(2008年7月) 

このフェアベルコミックスの電子版が全12巻に再編され、Kindle ストアで 2014年1月 に刊行されています。今回とりあえず第6巻までは、この Kindle 版で読んでいきます。電子版は ほかにも色々な媒体のものが出ており、刊行年次にも違いがあるのですが、まだ全体がつかめていないので、ある程度整理できたらこのブログにアップします。


 電子版の第1巻は、単行本『エロイカ』第1巻(第1~6章 1986年12月)と第2巻(第7章 1987年4月)に対応しています。(初出はそれぞれ『昭和公論』1986年5~11月号に掲載。)
 電子版では、章数の表示はカットされています。


 電子版の第2巻は、単行本『エロイカ』第2巻(第8~12章 1987年4月)と第3巻(第Ⅱ部第1・2章 1987年11月)に対応しています。(初出はそれぞれ『昭和公論』1986年12月~87年6月号に掲載。)
 電子版では、第何部第何章といった章数の表示はカットされています。

 内容は『ベルサイユのばら』より一層詳しく調べたうえで描かれたナポレオン・ボナパルトの評伝。ナポレオンについてざっと知りたい向きに最適な入門書といえそうです。

2025年8月17日日曜日

【読了】清少納言 著/佐々木和歌子 訳『枕草子』(光文社古典新訳文庫、2024年3月)

  清少納言(966頃~1025頃)の随筆『枕草子』を、2024年3月に光文社古典新訳文庫から刊行された佐々木和歌子(ささきわかこ。1972- )氏による瑞々しい現代語訳で読みました(Kindle Unlimited)。いくつか手にした中で、こなれた現代の言葉で訳されており、いちばん読みやすく感じました。

 書籍版も昨年春には購入していましたが、一年は「積ん読」状態。最近 kindle Unlimited でも読めることに気がついて、5月ごろから少しずつ読み進めていました。



清少納言 著
佐々木和歌子 訳
『枕草子』
(光文社古典新訳文庫、2024年3月。◇575頁)

 はじまりの流れの良さに惹き込まれ、そのまま全文読み切れたのが一番の成果です。

 ただ、あくまで文章のリズムを最優先されたようで、当時の有職故実にかかわるさまざまな用語についての説明がかなり少なく、深く読み込もうとしたらわからないことが多々残される、という問題がありました。とはいえ、わかりにくい言葉にすべて注を施そうとしたなら、とても一冊では収まらなかったはず。私のように、勢いに任せてとりあえず全文読み切りたい向きには最適な一冊でした。

 ざっと読んだだけですが、随筆として清少納言の感性に共鳴するところが思っていたより少なく、1000年以上前に宮廷内のさまざまな事象を書き残してくれたことへの感謝の気持ちが多く残りました。少し時間をおいてから、再読してみようと思います。島内裕子(しまうちゆうこ。1953- )氏の校訂/訳による『枕草子』が気になっています。



清少納言 著
島内裕子 校訂・訳
『枕草子 上・下』
(ちくま学芸文庫、2017年4月◇464・528頁)



2025年8月10日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 7 西ヨーロッパとカール大帝 』(1995年7月)

  kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1992年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 7 西ヨーロッパの成立とカール大帝』(学習研究社、1995年7月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 7 西ヨーロッパとカール大帝』
(学習研究社、1995年7月)

 1 ゲルマン民族の大移動
 2 フランク王国
 3 カール大帝
 4 ヴァイキングの活躍
 5 教皇の時代

の5章仕立て。近代ヨーロッパが成立する以前の物語をここまで詳しく、またわかりやすく描いていることに驚き。まずまずの情報量なので、入門としてはかなり優れた出来だと思いました。1回だけではもったいないので、このシリーズは日本史と合わせていずれ再読したいと思っています。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年5月 version1.0発行)と、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。書籍版のほうも数年前に購入済みです。

2025年8月3日日曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史 7 南北朝の争い 室町時代』(1982年11月)

   Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、堀江卓(まんが)『学研まんが 日本の歴史7 南北朝の争い 室町時代』(学習研究社、1982年11月)を読みました。


樋口清之(監修)
堀江卓(まんが)
『学研まんが 日本の歴史7 南北朝の争い 室町時代』
(学習研究社、1982年11月)

 1 鎌倉幕府ほろぶ
 2 建武の新政
 3 南北朝の対立
 4 室町幕府始まる
 5 日明貿易と自由都市堺
 6 金閣と銀閣
 7 一揆がおこる
 8 応仁の乱
 9 戦国大名の登場

の9章仕立て。中学の歴史教科書よりかなり詳しく、高校で習う日本史をやさしく語り直した印象でした。高校で日本史を習うまでに習熟しておくと、大学入試に向けた勉強がやりやすかっただろうなと思います。マンガでイメージから学ぶのは、歴史の場合とても有効だと感じています。楽しんで、次巻に進みます。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2011年12月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。