2019年1月16日水曜日

【197冊目】Jules Verne, 20,000 Leagues Under the Sea(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算197冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の11冊目として、

フランスの小説家
ジュール・ヴェルヌ
(Jules Verne, 1828年2月8日-1905年3月24日)の
小説『海底二万里 Vingt Mille Lieues Sous Les Mers 』の
やさしい英語版『 20,000 Leagues Under the Sea 』を読みました。

著者41-42歳の時、フランスの季刊誌
『教育娯楽雑誌 Magasin d'éducation et de récréation 』
第11-13号(1869年3月-70年6月)に発表された小説です。

単行本は、第1部が1869年10月、
第2部が1870年6月に刊行されました。


Jules Verne
20,000 Leagues Under the Sea

Retold by Rachel Bladon

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2015
First published in Oxford Bookworms 2015
15,748語

2012年7月に、
ペンギン・リーダーズのレベル1
(300語レベル/4,402語)で読んで以来、
6年半ぶりの『海底二万里』となりました。

もとがフランス語の作品なので、
それほどこだわりはないのですが、

子供の頃に読んだヴェルヌの小説で、
面白かった記憶が残るのが、
これと『十五少年漂流記』なので、
この2作については英語で読む機会があれば、
読んでいこうと思っています。

やさしい英語で読む分には、
特に難しいところもなく、少し物足りないくらいで、
最後まで難なく読み終えることができました。

原作はかなり長大で、
なかなか全体像をつかみにくかったのですが、
今回の挑戦でだいぶ把握できたように思います。


  ***

翻訳は、
読みやすいものを探しているうちに
色々集まって来ました。

まだ全然網羅されていませんが、
手元にあるものをまとめておきます。


渋谷豊(しぶやゆたか)訳
『海底二万里(上・下)』
(角川文庫、2016年7月◇349・414頁)


村松潔(むらまつきよし)訳
『海底二万里(上・下)』
(新潮文庫、2012年9月◇471・564頁)


朝比奈美知子(あさひなみちこ)訳
『海底二万里(上・下)』
(岩波文庫、2007年8・9月◇397・481頁)


私市保彦(きさいちやすひこ)訳
『海底二万里(上・下)』
(岩波少年文庫、2005年8月◇392・464頁)


加藤まさし訳
『海底2万マイル』
(講談社青い鳥文庫、2000年4月◇269頁)


大友徳明(おおとものりあき)訳
『海底二万里(上・中・下)完訳版』
(偕成社文庫、1999年10・11月◇346・340・336頁)


荒川浩充(あらかわひろみつ)訳
『海底二万里』
(東京創元社〔創元SF文庫〕1977年4月◇549頁)


清水正和(しみずまさかず)訳
『海底二万海里』
(福音館書店〔福音館古典童話シリーズ〕1972年10月◇752頁)
 ※福音館文庫 上・下巻(2005年5月◇371・426頁)として再刊。


石川湧(いしかわゆう)訳
『海底二万里(上・下)』
(岩波少年文庫、1956年11月・57年5月)
 ※1991年7月、上巻 30刷改版(◇316頁)、
        下巻 24刷改版(◇328頁)。


花輪莞爾(はなわかんじ)訳
『海底二万海里』
(角川文庫、1963年10月◇602頁)
 ※2009年6月、上・下巻 改版(◇299・358頁)


ヴェルヌの文章には冗長なところがあるようで、
丁寧な翻訳であればあるほど、
日本語の小説としては読みづらいものに仕上がりがちで、

これはと思って読み始めても、
まどろっこしい表現にしだいに勢いをそがれて、
結局読むのを止めてしまったものが多数。

いくつか手に取ってみた中で、
最後まで読めそうだったのは、

 ☆花輪莞爾(はなわかんじ)訳〔1963年〕
 ◎清水正和(しみずまさかず)訳〔1972年〕
 ◯荒川浩充(あらかわひろみつ)訳〔1977年〕

の三点でした。

文章を多少刈り込んでいる分、
勢いがあって読みやすいのが花輪訳で、
個人的には一番お薦めです。

清水訳は全部を丁寧に訳してあるにもかかわらず、
ほとんど滞りを感じることなく読み通せる、
文章のうまさに感心する翻訳です。

荒川訳は花輪訳を大人向けに荒々しくした感じで、
よりかっこいいのですが、活字がすり減って読みにくいのが難点です。


※第197冊目。総計2,087,085語。


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2018年12月30日日曜日

【196冊目】Joseph Conrad, Lord Jim(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算196冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の10冊目として、

ロシア領ポーランドに生まれ、
イギリスに帰化した作家ジョゼフ・コンラッド
(Joseph Conrad, 1857年12月3日-1924年8月3日)の
小説『ロード・ジム Lord Jim 』を読みました。

作者41歳から42歳の時、
イギリスの月刊誌『ブラックウッド』の
1899年10月号から1900年11月号に掲載されました。


Joseph Conrad
Lord Jim

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1997
19,160語

インターネットで、
オックスフォード・ブックワームの目録を眺めているうちに、
気になって購入した1冊です。

まったく知らなかったのですが、
書名のみ知る小説『闇の奥』の著者
コンラッドによる小説ということで、

2011年には
柴田元幸(しばたもとゆき)氏による
新訳も刊行されていたことを知り、
「海洋冒険小説の傑作」という見出しに惹かれ、
柴田訳をとなりに置きながら読み進めてみました。


柴田元幸(しばたもとゆき)訳
『ロード・ジム』
(河出書房新社〔池澤夏樹個人編集=世界文学全集Ⅲ-03〕2011年3月◇469頁)

柴田訳はさすがに良くこなれた訳文で、
滞りなくすいすい読み進められますが、

469頁もある大著なので、
まとまった時間が取れるときでないと、
読了するのは難しそうです。

今回はやさしい英語での挑戦なので、
本文86頁で読めてしまうのはありがたいです。

実際に読んでみると、
著者の鬱蒼とした行き場のない感情をいっぱいに詰め込んだ、
熱量の高い小説で、

海洋冒険小説という枠組みには納まらない、
強い印象が残りました。

自らの心の弱さを弱さとして受け入れられない、
若さの残る主人公が、
自らの名誉を最終的に回復していく小説、
と言えないこともないのですが、

暗めの筆致で、
ここまで描かなくてもと思うくらいびっしりと、
複雑な構成で書き込まれているので、

読んでいて共感よりは、
そこまでして付き合いたくない気持ちにもさせられました。

もっと若いころ、
10代か20代くらいまでに読んでいたら、
違う印象を受けたかもしれません。

若さゆえの整理のつかない、
もやもやした自分の心と向かい合いたい時に読むと、
共感しそうな作品でした。

今の私が読むには、少し重すぎました。

英文はそのままでも大体読めますが、
あらすじが頭に入っていないと分かりづらい所もあるので、
翻訳を参照することをお薦めします。

コンラッドの作品、
不思議な魅力を感じたことも確かなので、
また少し時間を置いて挑戦したいと思います。


※第196冊目。総計2,071,337語。


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2018年12月15日土曜日

【195冊目】Robert Louis Stevenson, Treasure Island(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算195冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の9冊目として、

スコットランド生まれの小説家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン
(Robert Louis Stevenson, 1850年11月13日-1894年12月3日)
の小説『宝島 Treasure Island 』を読みました。

筆者が31歳の時、
イギリスの児童文学の週刊誌『Young Folks』の
1881年10月1日号から1882年1月28日号に、
筆名「Captain George North」、
題名『Treasure Island, or the mutiny of the Hispaniola 』
で発表されました。

単行本は33歳の時(1883年11月)に、
『Treasure Island 』の書名で刊行されました。


Robert Louis Stevenson
Treasure Island

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1993
15,125語

やさしい英語では、

2012年12月に、
マクミラン・リーダーズのレベル3
(1,100語レベル/9,863語)、

2014年2月に、
 ペンギン・リーダーズのレベル2
 (600語レベル/5,723語)

で読んで以来、3度目の挑戦となりました。

あらすじはもう頭に入っているので、
記憶をたどり直す感覚で、
最後まで楽しみつつ読み進めることができました。

スティーヴンソンの作品は、
『宝島』に限らず、
はじめのうち独特の読みにくさがあって、
今一つ馴染めないことが多かったのですが、

読み込むほどに味わいが増してきて、
これはぜひ、原文のままでも楽しめるようになってみたいと
思えるようになって来ました。


  ***

翻訳は、読みやすさ重視なら、
偕成社文庫の金原瑞人(かねはらみずひと)訳がお薦めですが、

今回、スティーヴンソンらしさを含め、
できるだけ忠実に反映した翻訳として、
岩波少年文庫の海保眞夫(かいほまさお)訳をとなりに置いて読み進めました。

多少生真面目な印象の訳文なので、
小中学生がこれを読んで夢中になるかはわかりませんが、
大人が読む分には良くできた翻訳だと思いました。

その他、
すぐに手に入る翻訳をいくつか購入したので、
合わせて掲げておきます(全く網羅的ではありません)。

名作であるだけに、
少し前のものでも特に読みにくさを感じない、
優れた翻訳が多くありました。

個人的には、
講談社青い鳥文庫の飯島淳秀(いいじまよしひで)訳も、
勢いのある訳文で気に入っています。


鈴木恵(すずきめぐみ)訳
『宝島』
(新潮文庫、2016年7月◇366頁)


村上博基(むらかみひろき)訳
『宝島』
(光文社古典新訳文庫、2008年2月◇413頁)


海保眞夫(かいほまさお)訳
『宝島』
(岩波少年文庫、2000年10月◇391頁)


金原瑞人(かねはらみずひと)訳
『宝島』
(偕成社文庫、1994年10月◇382頁)


坂井晴彦(さかいはるひこ)訳
『宝島』
(福音館書店、1976年10月◇460頁)

 ⇒『宝島』
  (福音館文庫、2002年6月◇476頁)


飯島淳秀(いいじまよしひで)訳
『宝島』
(ポプラ社版〔世界の名著27〕1969年1月◇334頁)

 ⇒『宝島』
  (講談社青い鳥文庫、1994年7月◇389頁)


阿部知二(あべともじ)訳
『宝島』
(岩波文庫、1963年6月◇310頁)

 ⇒『宝島』
  (岩波少年文庫、1967年12月◇367頁)


野尻抱影(のじりほうえい)訳
『宝島』
(筑摩書房、1956年◇323頁)

 ⇒『宝島・ジーキル博士とハイド氏』
  (東京創元社〔世界大ロマン全集56〕1959年1月)

 ⇒『宝島・ジーキル博士とハイド氏』
  (ちくま文庫、1990年7月◇427頁)


佐々木直次郎(ささきなおじろう)訳
『宝島』
(岩波文庫、1935年10月◇323頁)

 ⇒『宝島』
  (岩波少年文庫1、1950年12月◇370頁)

 ⇒『宝島』
  (新潮文庫、1951年3月◇288頁)

佐々木直次郎(ささきなおじろう)
・稲沢秀夫(いなざわひでお)共訳
『宝島』
(新潮文庫、1970年*月。70刷改版、1997年7月◇336頁)

※佐々木氏は1943年に亡くなっている。
 その後の各バージョン出版の経緯については調査中。


※第195冊目。総計2,052,177語。




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2018年11月30日金曜日

【194冊目】Anna Sewell, Black Beauty(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算194冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の8冊目として、

イギリスの作家
アンナ・シュウエル
(Anna Sewell, 1820年3月20日-1878年4月25日)の
小説『黒馬物語』を読みました。

亡くなる半年ほど前、
57歳の時(1877年12月)に出版された、
シュウエルの生涯唯一の作品です。


Anna Sewell
Black Beauty

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1995
15,400語

やさしい英語では、

 2014年1月に、
 ペンギン・リーダーズのレベル2
 (600語レベル/9,390語)

で読んで以来、2度目の『黒馬物語』となりました。

土井すぎの氏の翻訳
(岩波少年文庫)も読み終えているので、
最後まで興味深く読み進めることができました。

土井すぎの訳
『黒馬物語』
(岩波少年文庫、1953年8月。33刷改版、1987年5月)

自動車が普及する前の、
馬車が主要な移動手段だった時代、
今よりずっと身近に馬がいたころの、
イギリスを舞台としたお話です。

著者の馬への愛情が溢れていて、
読んでいて暖かい気持ちにさせられました。

ふだんあまり馴染みのない、
馬にかかわる専門用語がいろいろ出て来るので、
はじめのうち少し難しく感じますが、

馬に対する著者の暖かい眼差しに心動かされ、
前回よりもこの小説に強く惹かれました。

いずれ原書のままでも読めるようになりたい作品です。


翻訳は、
土井訳のほかにもいくつか出ていますが、
古書で高めの値がついているので、
まだほとんど購入できていません。

土井訳は、1956年の出版なので、
言い回しが多少古く感じられるのですが、

全体として、
誰にでも良くわかる美しい日本語で、
一文一文ていねいに訳されているので、
お薦めの翻訳です。

今後ほかの翻訳で良いものがあれば、
また改めて紹介していきます。


※第194冊目。総計2,037,052語。




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2018年11月16日金曜日

【193冊目】Brigit Viney, The History of the English Language(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算193冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の7冊目として、

同シリーズで、
やさしい英語の本を何冊か書き下ろされている

ケンブリッジ在住
ブリジット・ヴァイニー
(Brigit Viney)氏による
入門書『英語の歴史』を読みました。

※巻末の著者紹介には、
 生年月日を記していないが、
 英語を25年以上教えてきたとあるので、
 本書の初版年(2008)から遡ると、
 1983年頃から英語を教えていたことがわかる。

 Google で検索をかけると、
 1969年12月31日生まれとするものも見つかるが、
 その場合、1983年=13歳から働き始めたことになるので、
 69年生まれとするのは誤りの可能性がある。

 今は生年不詳としておく。


Brigit Viney
The History of the English Language

〔Oxford Bookworms Level 4〕
(c) Oxford University Press 2008
First published 2008
16,753語

ぱっと見、難しそうでしたが、
英語の歴史について何も知らないまま、今後、
英語の本を読み進めていくわけにもいかないので、
読んでみることにしました。

実際にひもといてみると、
知識不足でやはり難しいところもありましたが、
渡部昇一氏の『講談 英語の歴史』と、
寺澤盾氏の『英語の歴史』をとなりに置いて、
なんとか最後まで読み進めることができました。


渡部昇一(わたなべしょういち)著
『講談 英語の歴史』
(PHP新書、2001年7月)


寺澤盾(てらさわじゅん)著
『英語の歴史 過去から未来への物語』
(中公新書、2008年10月)

当然のこととはいえ、英語は、
英国の歴史とともにあることを確認できたのが、
大きな収穫でした。

自分が想像していた以上に、かつては
単語の綴りも文法も統一されておらず、

今勉強している
標準的な「英語」に落ち着くまでには、
英国の歴史を背景とした紆余曲折があったことがわかりました。

綴りが統一されていなければ、
気軽に辞書を引くこともできません。

英語の歴史について
もう少し学んでみたくなったので、
大学生向けのやさしい概説書で良いものはないか、
探し始めました。

大学の教科書は高価なものが多いので、
一気に大量購入するわけにはいきませんが、
少し時間をかけながら、
わかりやすい1冊を見つけたいと思います。


※第193冊目。総計2,021,652語。



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