2012年12月20日木曜日

【読了】塩野七生 『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ[上]』


塩野七生 著
『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ[上]』
(新潮文庫、平成16年11月、初出は新潮社、平成9年7月)

 ※第一部 統治前期(紀元前29年~前19年)
      アウグストゥス34歳~44歳


文庫本で6冊に及ぶカエサルの評伝に続くのは、
カエサルから後継者として指名されたアウグストゥスの評伝3冊です。

カエサルのことすらよく知らなかった私ですから、
その後継者たるアウグストゥスについても、
当然何も知らなかったわけですが、

そんな私が読んでも、引き続き、
引き寄せられるわかりやすい叙述でした。


カエサルという奇跡が、
暗殺という最悪のかたちで終わりを告げたあと、

これ以上ないくらい理想的なかたちで、
彼の遺志を継いだアウグストゥスという、
もう一人の奇跡があったとは、

フィクションなら、
出来過ぎと批判されるレベルでしょう。


カエサルのように、
戦乱に生きた指導者ではないので、
評伝を書きやすい人物ではないと思いますが、

十分興味深く、
歴史を読む醍醐味を、
存分に楽しませてもらいました。

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