2012年12月5日水曜日

【読了】ビクトル=ユゴー 『レ・ミゼラブル - ああ無情』(塚原亮一 編訳)

フランスの小説家
ビクトル・ユゴー(1802-1885)

60歳のとき(1862年)に執筆した
長編小説『レ・ミゼラブル(ああ無情)』を、
塚原亮一氏が1冊に編訳した版で読みました。


塚原亮一 編訳
『レ・ミゼラブル―ああ無情』
(講談社 青い鳥文庫〈新装版〉、平成24年11月)
 ※旧版は講談社 青い鳥文庫、平成元年4月、原題『ああ無情』。
  初出は講談社 少年少女世界文学館17、昭和61年10月。
  講談社 21世紀版少年少女世界文学館17、平成23年1月にも再録。

もとはフランス語なので、
原書で読むことはないと思い、
翻訳のほうにも手を出さずに来たのですが、

英語のリトールド版でも読めることがわかって、

とりあえず、日本語で手っ取りばやく、
それなりに楽しんで読めるものを探しておりました。

総ルビ付きでわかりやすく、
あまりに簡単過ぎないものを選んでいたら、
塚原亮一氏の1冊本がいちばんしっくり来ました。

はらはらドキドキ楽しみながら、
大事なあらすじを把握した上で、
一気に読み通すことができました。

複雑ですがよく作りこまれた内容で、
これは確かに、多くの人々を魅了するに足る傑作だと思いました。

共和主義者を善とし、
王党派を悪とする図式も、
日本人には好まれる傾向でしょうか。


編訳版は次のようなのが見つかりました。

豊島与志雄氏の編訳は、
全訳版を元にしたていねいな作りで、
次はこれを読もうかと思っていますが、
ルビはほとんどないので、小中学生には難しいかもしれません。

清水正和 編訳
『レ・ミゼラブル』
(上下2冊。福音館書店、平成8年1月)

岩瀬孝・大野多加志 編訳
『レ・ミゼラブル』
(上中下全3冊。偕成社文庫、平成5年3月)

大久保明男 編訳
『レ・ミゼラブル―ああ無情』
(ポプラポケット文庫、平成19年3月)
 ※初出はポプラ社文庫、昭和60年12月、原題『ああ無情』

辻昶(つじとおる)編訳
『ああ無情』
(集英社〈少年少女世界名作の森〉平成元年11月)
 ※初出は集英社〈少年少女世界の名作〉昭和57年3月。


豊島与志雄 編訳
『レ・ミゼラブル』
(岩波少年文庫、上下2冊、新版、平成13年1月)
 ※初出は岩波少年文庫、上下2冊、改版、昭和28年5月、
  原題『ジャン・ヴァルジャン物語』

黒岩涙香 編訳
『噫無情(ああむじょう)』
(はる書房〈世界名作名訳シリーズ〉前後篇2冊、平成17年6月)
 ※初出は扶桑堂、前後編2冊、明治39年1・4月。


全訳版は次のものが見つかりました。

豊島与志雄 訳
『レ・ミゼラブル』
(岩波文庫、全4冊、改版、昭和62年4・5月)
 ※初出は新潮社、全4冊、大正7-8年。

石川湧 訳
『レ・ミゼラブル』
(全4冊、角川文庫、全4冊、平成10年12月、11年1月)
 ※初出は角川文庫、全8冊、昭和31-37年。


佐藤朔 訳
『レ・ミゼラブル』
(新潮文庫、全5冊、改版、昭和42年5-9月)
 ※初出は新潮社〈新版 世界文学全集10-12〉全3冊、昭和34年。

辻昶(つじとおる)訳
『レ・ミゼラブル』
(潮出版社〈潮文学ライブラリー〉全5冊、平成21年7-9月)
 ※もとは潮出版社〈ヴィクトル・ユゴー文学館〉全3冊、平成12年7-9月。
 ※初出は、講談社文庫、昭和50・51年。

豊島与志雄氏のは、
格調の高いていねいな訳で好感がもてますが、
最後まで読み通すのは若干苦労しそうです。

現代文としては、
佐藤朔氏のと辻昶氏のが
スラスラと読みやすそうでした。

全訳で読むとしたら、どちらかの選択になりそうです。

※Wikipediaの「ヴィクトル・ユゴー」「レ・ミゼラブル」を参照。


0 件のコメント:

コメントを投稿