2014年3月29日土曜日

【読了】L.M.Montgomery, Anne of Green Gables (OBW Stage2)

やさしい英語の本、通算68冊目、
Oxford Bookworms の Stage2(700語レベル)の1冊目は、

カナダの小説家
ルーシー・モード・モンゴメリ(1874.11-1942.4)の
小説『赤毛のアン』を読みました。

モンゴメリが
30歳の時(1905.10)に完成し、
33歳の時(1908.6)に出版された作品です。



L.M.Montgomery
Anne of Green Gables

Retold by Clare West
(Oxford Bookworms Stage2)
This simplified edition (c)Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms1994
5,860語

ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル2(600語レベル)で、
1年9ヶ月前(2012年6月)に読んで以来の『赤毛のアン』です。

語彙は多少増えているものの、
総語数はむしろ減っているので(7,856語→5,860語)、
難なく読み終えることができました。

明るく夢あふれるおしゃべりなアンの魅力を再認識しました。


そろそろ翻訳で再読をと思い、
いくつか手に取ってみましたが、

村岡花子氏に続いて個人でシリーズを完訳された、
掛川恭子(かけがわやすこ)氏の翻訳に落ち着きました。

文庫版が一番手に入りやすいですが、
もとはハードカバーの単行本で、
平成2年5月に出版されてます。


掛川恭子訳
『完訳 赤毛のアンシリーズ1 赤毛のアン』
(講談社、平成2年5月)

掛川訳は、この9年後に、
ソフトカバーの単行本でも再刊されています。

掛川恭子訳
『完訳クラシックス 赤毛のアン1 赤毛のアン』
(講談社、平成11年5月)

こちらは画像が手に入らなかったのですが、

シックな感じの美しい表装なので、
第2巻「アンの青春」の表紙を貼っておきます。



そして最初の単行本から15年をへて、

油彩の美しい風景画の表装で、
文庫本として再刊されています。
いちばん手に入れやすいのはこの版でしょう。


掛川恭子訳
『完訳クラシックス 赤毛のアン1 赤毛のアン』
(講談社文庫、平成17年4月)

いずれ「赤毛のアン・シリーズ」は、
原書でも読みたいと思っていますが、

久しぶりに翻訳で、
1冊ずつ読み直していこうと考えています。


※通算68冊目。計551,252語。

※Wikipediaの「L・M・モンゴメリ」「赤毛のアン」「アン・ブックス」を参照。

※奥田実紀(おくだみき)著『名作を生んだ作家の伝記シリーズ6「赤毛のアン」の島で ~L・M・モンゴメリ~』(文溪堂、平成20年3月)を参照。

2014年3月22日土曜日

【読了】Charlotte Brontё, Jane Eyre (PR Level3)

やさしい英語の本、通算67冊目、
Penguin Readers の Level3 の2冊目は、

イギリスの小説家
シャーロット・ブロンテ(1816.4-1855.3)の
小説『ジェイン・エア』を読みました。

シャーロット31歳の時(1847.10)に出版された作品です。


Charlotte Brontё, Jane Eyre
Jane Eyre

Retold by Ann Ward
(Penguin Readers Level3)

This adaptation first published by Penguin Books Ltd 1991
This edition first published 2008
8,327語


多読の第1冊目に、
マクミラン・リーダーズのビギナー(600語レベル)で読んで以来、
久しぶりの『ジェイン・エア』です。

前より総語数はほんの少し減っていますが(8,690語→8,327語)、
今回は1,200語レベルなので語彙は2倍に増えています。

しかしここまでの多読のおかげか、
特に難しさを感じることもなく、
通読することができました。

当然ですが、
語彙は多いほうが繊細な表現が可能になることを実感できました。


孤児として生まれ育ったジェイン・エアが、
家庭教師先の主人ロチェスターに出会って、
結ばれるまでを描いた作品。

シャーロットの自伝的な要素も含まれていて、

淡々とした筆致の中に、
時に大胆で情熱的な行動が織り交ぜられて、
よく創り込まれた恋愛小説だと思います。


翻訳はまだ他のを読んでいないこともありますが、
最初に読んだ小尾芙佐(おびふさ)氏の訳は、
落ちついた感じの読みやすい日本語に訳してあって、
お勧めです。


小尾芙佐(おびふさ)訳
『ジェイン・エア(上・下)』
(光文社古典新訳文庫、平成18年11月)


最新の訳として、

河島弘美訳
『ジェイン・エア(上・下)』
(岩波文庫、平成25年9・10月)

も出ています。本屋で眺めた時は多少、
日本語としての流れの悪さを感じたのですが、
評判はかなり高いようなので、近々読んでみようと思っています。

実際に通読すると、印象が異なるのかもしれません。


その他、

小池滋(こいけしげる)訳
『ブロンテ全集2 ジェイン・エア』
(みすず書房、平成7年5月)

吉田健一訳
『ジェイン・エア』
(集英社文庫、昭和54年1月)
 ※初出は集英社〔世界文学全集22〕昭和43年。
   集英社〔世界文学全集16〕昭和47年、
   集英社〔世界文学全集35〕昭和53年に再録。

大久保康雄訳
『ジェーン・エア(上・下)』
(新潮文庫、昭和28年2月・同29年1月)
 ※初出は三笠書房〔世界文学選書81・82〕昭和26年。
  三笠書房〔世界の文学4〕昭和43年に再録。

遠藤寿子訳
『ジェイン・エア(上・下)』
(岩波文庫、昭和32年4月)

もありますが、まだ読んでいません。
小池訳は機会があれば読んでみたいです。


※通算67冊目。計534,741語。

2014年3月19日水曜日

【読了】塩野七生著『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』


塩野七生著
『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち[三]』
(新潮文庫、平成17年9月)
 ※初出の単行本は第Ⅶ巻、新潮社、平成10年9月。

  第3部 皇帝クラウディウス
  (在位、紀元41年1月24日~54年10月13日)


文庫本第19巻は、
第3代皇帝カリグラ(AD12-41 在位AD37-41)
が若くして暗殺されたあとを引き継いだ、

第4代皇帝クラウディウス(BC10-AD54 在位AD41-54)
が妻アグリッピーナの野望のもと、
毒キノコ中毒で亡くなるまでを描いています。


もともと皇帝になるはずではなく、
歴史の研究と著作に生きるはずだった一歴史家が、
50を過ぎてから皇帝となったらどうなるのか。

それなりに興味深くはありますが、

人気取りには走らず、常識的な知見をもって、
幅の広い視野からそつのない政治を行う一方で、

妻をうまく制御する能力には欠けていたようです。


安定感はあるけど人気のない皇帝は、
読んでいて面白みに欠ける側面があるのですが、

やはりそうした皇帝がいないと、
ローマ帝国も早晩かたむくことになっていたはずです。

今回も、
不思議と惹き込まれる塩野氏の叙述に、
興味深く読み終えることができました。


次はローマ史について何も知らなかった私にも、
名前のみどこかで聞いていたネロ皇帝です。

果たしてどんな皇帝だったのでしょうか。


※Wikipediaの「クラウディウス」を参照。

2014年3月18日火曜日

【読了】Charles Dickens, David Copperfield (PR Level3)

そろそろ一つ上のレベルに挑戦していきます。
高校入試レベルくらいの英語を50万語読んできた結果、

高1レベルくらいまでの英文は、
日本語とあまり変わらない感じで読み進めるようになって来ました。

当面の目標は100万語ですが、
最終的に300万語くらいかけてじっくりレベルアップしていく予定なので、

また次のレベルを納得いくまで時間をかけて読み進めていきます。


  ***

やさしい英語の本、通算66冊目、
Penguin Readers の Level3 の1冊目は、

イギリスの小説家
チャールズ・ディケンズ(1812.2-1870.6)の
小説『デイヴィッド・コパフィールド』を読みました。

ディケンズ37-38歳(1849.5-1850.11)の時に
月刊誌で発表された長編小説です。


Charles Dickens
David Copperfield

Retold by Nigel Grimshaw
(Penguin Readers Level3)

First published by Penguin Books 1999
This edition published 2008
12,213語


ディケンズの長編小説
『デイヴィッド・コパフィールド』は、
いずれ読もうと思って翻訳を第一巻のみ購入してあったのですが、

やさしい英語版でも出ていることを知り、
先にこちらを読んでみることにしました。

本書は、
「モームが世界の十大小説の一つに選び、
 ディケンズ(1812-1870)自身も
 『自分の全著作の中で、一番気に入っている』
 と語っている自伝的作品」
だそうです(岩波文庫版、扉の紹介文より引用)。


全訳はまだ読んでいませんが、
やさしい英語で読んだだけでも、
デイヴィッド・コパフィールドの人生をたどりながら、
彼と関わりのある他のたくさんの登場人物の人生もからみあって、

実に読み応えのある力作だと感じました。


特別な英雄、悪役があるわけでなく、
日常的に起こりそうな枠内で降り掛かってくる様々な災難を、
淡々と受け入れつつも、やがては自力で(時に他力で)乗り越えてゆく、

全編をぜひ読んでみたくなる小説でした。


翻訳は、
石塚裕子(いしづかひろこ)訳を揃えてありますが、
読むのはこれからです。



石塚裕子(いしづかひろこ)訳
『デイヴィッド・コパフィールド〈1-5〉』
(岩波文庫、平成14年7・9・11月、同15年1・3月)

ざっと見た感じでは、
よくこなれた日本語に訳されており、
十分に満足できる翻訳でした。

もう一つ、
手に入りやすいものとしては、

中野好夫 訳
『デイヴィッド・コパフィールド〈1-4〉』
(新潮文庫、昭和42年3・4月)

もあります。最近改版されて
活字が大きくなったようなので、
機会があれば見てみようと思っています。

一番最新のものは、

田辺洋子 訳
『新訳デイヴィッド・コパフィールド(上・下巻)』
(あぽろん社、平成18年7・8月)

がありますが、未見です。

『二都物語』の田辺訳は手に入れましたが、
随分むつかしい言い回しに訳されてあって、
物語を楽しむことはできませんでした。

高価なので、田辺訳でほかを買うのは躊躇しています。


※通算66冊目。計526,414語。

2014年3月15日土曜日

【読了】谷崎潤一郎著『細雪(下)』〔新潮文庫〕

谷崎潤一郎
(明治19年〔1886〕7月-昭和40年〔1965〕7月)の
小説『細雪(ささめゆき)』の下巻を読みました。

57歳の秋(昭和17年〔1942〕10月頃)から、
62歳の春(昭和23年〔1948〕5月)にかけて執筆された小説です。


谷崎潤一郎著
『細雪(下)』
(新潮文庫、昭和30年10月)
 ※平成23年3月改版。

昭和10年代の大阪を舞台に、

四人姉妹の下の二人、
雪子と妙子の結婚に至るまでを描いた小説。

特別な大恋愛が繰り広げられる訳ではなく、

一昔前の日本で、
日常に起こりそうなお見合い、恋愛のお話で、

ふつうなら退屈しそうなところ、

谷崎潤一郎の文章の不思議な魅力に惹かれて、
楽しみながら最後まで読み通すことができました。


私の親の世代、昭和10年代の日本というと、
自分の中で特に古いという意識もなかったのですが、

ここに描かれている習慣が、
もうほとんど残っていないことも事実なので、

いくぶん懐かしさを感じながら、
興味深く読み進めていきました。


読み終えてから思い出したのは、
オルコットの『若草物語』です。

趣向はまったく異なりますが、
古き良き時代のアメリカに生きる四姉妹を描いた長編小説に、

何となく似たものを感じました。


時代的な背景も考えると、
いろいろと興味深いのですが、
それは次の機会に回します。

また少し時間を置いて、
ぜひ読み返してみようと思います。