塩野七生著
『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち[三]』
(新潮文庫、平成17年9月)
※初出の単行本は第Ⅶ巻、新潮社、平成10年9月。
第3部 皇帝クラウディウス
(在位、紀元41年1月24日~54年10月13日)
文庫本第19巻は、
第3代皇帝カリグラ(AD12-41 在位AD37-41)
が若くして暗殺されたあとを引き継いだ、
第4代皇帝クラウディウス(BC10-AD54 在位AD41-54)
が妻アグリッピーナの野望のもと、
毒キノコ中毒で亡くなるまでを描いています。
もともと皇帝になるはずではなく、
歴史の研究と著作に生きるはずだった一歴史家が、
50を過ぎてから皇帝となったらどうなるのか。
それなりに興味深くはありますが、
人気取りには走らず、常識的な知見をもって、
幅の広い視野からそつのない政治を行う一方で、
妻をうまく制御する能力には欠けていたようです。
安定感はあるけど人気のない皇帝は、
読んでいて面白みに欠ける側面があるのですが、
やはりそうした皇帝がいないと、
ローマ帝国も早晩かたむくことになっていたはずです。
今回も、
不思議と惹き込まれる塩野氏の叙述に、
興味深く読み終えることができました。
次はローマ史について何も知らなかった私にも、
名前のみどこかで聞いていたネロ皇帝です。
果たしてどんな皇帝だったのでしょうか。
※Wikipediaの「クラウディウス」を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿