2014年3月15日土曜日

【読了】谷崎潤一郎著『細雪(下)』〔新潮文庫〕

谷崎潤一郎
(明治19年〔1886〕7月-昭和40年〔1965〕7月)の
小説『細雪(ささめゆき)』の下巻を読みました。

57歳の秋(昭和17年〔1942〕10月頃)から、
62歳の春(昭和23年〔1948〕5月)にかけて執筆された小説です。


谷崎潤一郎著
『細雪(下)』
(新潮文庫、昭和30年10月)
 ※平成23年3月改版。

昭和10年代の大阪を舞台に、

四人姉妹の下の二人、
雪子と妙子の結婚に至るまでを描いた小説。

特別な大恋愛が繰り広げられる訳ではなく、

一昔前の日本で、
日常に起こりそうなお見合い、恋愛のお話で、

ふつうなら退屈しそうなところ、

谷崎潤一郎の文章の不思議な魅力に惹かれて、
楽しみながら最後まで読み通すことができました。


私の親の世代、昭和10年代の日本というと、
自分の中で特に古いという意識もなかったのですが、

ここに描かれている習慣が、
もうほとんど残っていないことも事実なので、

いくぶん懐かしさを感じながら、
興味深く読み進めていきました。


読み終えてから思い出したのは、
オルコットの『若草物語』です。

趣向はまったく異なりますが、
古き良き時代のアメリカに生きる四姉妹を描いた長編小説に、

何となく似たものを感じました。


時代的な背景も考えると、
いろいろと興味深いのですが、
それは次の機会に回します。

また少し時間を置いて、
ぜひ読み返してみようと思います。

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