2014年7月17日木曜日

【読了】アレクサンドル・デュマ著(矢野徹編訳)『巌窟王―モンテ・クリスト伯』(講談社青い鳥文庫)

フランスの小説家
アレクサンドル・デュマ(1802.7-1870.12)の
小説『モンテ・クリスト伯』を、
1冊に編訳した版で読みました。

1844年から46年にかけて
新聞「デバ」誌上に発表された、
デュマ40代前半の作品です。


アレクサンドル・デュマ著
矢野徹(やのてつ)編訳
『巌窟王―モンテ・クリスト伯』
(講談社青い鳥文庫、平成元年5月)

1冊に短縮してあることもあり、

飽きる間もなく、
わくわくどきどき手に汗握りながら、
楽しんで一気に読み終えることができました。

罪を憎んで人を憎まずとは真逆の、
どろどろした復讐劇ですが、

デュマの性格ゆえか、
読むのが嫌になるような陰湿な感じはほとんどなく、

自分を無実の罪に追いやった相手への復讐という、
わかりやすい正義の物語として読了することができました。

物語のテーマが一貫している点、
『三銃士』よりもわかりやすく感じました。


編訳版は他にも、


大友徳明 編訳
『モンテ・クリスト伯(上・下)』
(偕成社文庫、平成22年10月)

村松友二 編訳
『モンテ・クリスト伯』
(講談社〔痛快世界の冒険文学15〕平成10年12月)

中村真一郎 編訳
『モンテ・クリスト伯爵』
(河出書房新社、世界文学の玉手箱13、平成5年4月)
 ※初出は世界文化社〔世界の文学12〕昭和53年。

竹村猛 編訳
『モンテ・クリスト伯(上・中・下)』
(岩波少年文庫、平成12年6月)
 ※初出は旺文社文庫(上・下)昭和44年7月。

黒岩涙香 編訳
『巌窟王〈上・下巻〉』
(はる書房、平成18年9月)
 ※初出は明治34-35年(1901-02)。

などがあります。

どれもまだ未読ですが、
ごく最近の大友訳はどんな感じなのか気になっています。


いずれは全訳を、
と思って探してみるとたくさん見つかりました。



大矢タカヤス訳
『モンテ=クリスト伯爵』
(新井書院〔オペラオムニア叢書1〕平成24年6月)※1486頁!

松下和則・松下彩子訳
『モンテ・クリスト伯(Ⅰ・Ⅱ)』
(集英社〔世界文学全集24・25〕昭和55年7・8月)

泉田武二 訳
『モンテ=クリスト伯』
(講談社〔スーパー文庫〕平成2年11月)
 ※初出は評論社〔ニューファミリー文庫 世界の名作12-17〕全6巻、昭和50-51年。

新庄嘉章 訳
『モンテ=クリスト伯(1-5)』
(講談社文庫、昭和49年12月〈1〉、同50年1月〈2〉4月〈3〉5月〈4〉6月〈5〉)

山内義雄 訳
『モンテ・クリスト伯〈1-7〉』
(岩波文庫、昭和31年2月〈1・2〉3月〈3〉7月〈4〉8月〈5〉9月〈6〉、昭和32年1月〈7〉)

気になっているのは最新の大矢訳です。

先へ先へと読ませる翻訳かどうか、
近々手に入れてみようと思っています。


※Wikipediaの「アレクサンドル・デュマ・ペール」「モンテ・クリスト伯」を参照。

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