フランスの作家
ガストン・ルルー(1868.5-1927.4)の
小説『オペラ座の怪人』を読みました。
この作品は、
フランスの日刊紙『ル・ゴロワーズ Le Gaulois 』誌上に、
1909年9月23日から1910年1月8日まで連載され、
著者41歳の時(1910.4)に出版された作品です。
三輪秀彦(みわひでひこ)訳
『オペラ座の怪人』
(創元推理文庫、昭和62年1月)
『オペラ座の怪人』は、
2011年11月に
マクミラン・リーダーズのレベル2(600語レベル)、
2013年3月に
オックスフォード・ブックワームズのステージ1(400語レベル)
で読んで、
大まかなあら筋は知っていました。
次は完訳でと思い、
いくつか手にとってみた上で、
一番読みやすかった三輪秀彦氏の翻訳で読んでみることにしました。
かなり複雑に入り組んだ構成の重厚な小説で、
不思議な魅力に惹かれて、
少しずつ読み進めていくうちに終わりを迎えていました。
怪奇小説でもあり、
推理小説でもあり、
切ない恋愛小説でもある、
複雑な要素をかねそなえた大人向けの本格的な小説でした。
翻訳はこのほか、
日影丈吉(ひかげじょうきち)訳
『オペラ座の怪人』
(ハヤカワ文庫、平成元年5月)
長島良三(ながしまりょうぞう)訳
『オペラ座の怪人』
(角川文庫、平成12年2月)
平岡敦(ひらおかあつし)訳
『オペラ座の怪人』
(光文社古典新訳文庫、平成25年7月)
の3つを手に入れました。
読みやすさでは
最初の三輪訳が一歩秀でていたのですが、
最新の平岡訳も、
初めて読むには多少堅い感じがしたものの、
大人向けのていねいな仕事がされていて好感がもてました。
次に読む機会があれば、
平岡訳に挑戦しようと思っています。
子供向けの編訳版は、
大まかな話の流れをつかむのには便利ですが、
圧縮しすぎて原作の魅力がかなり減じているように思いました。
村松定史編訳
『オペラ座の怪人 ―地下にひびく、恐怖のメロディ』
(集英社みらい文庫、平成23年12月)
※初出は集英社、こどものための世界文学の森34、平成8年7月。
K.マクマラン編著
岡部史編訳
『オペラ座の怪人』
(金の星社 フォア文庫、平成17年3月)
それでも原作は、
全体的に冗長な感じがあるので、
多少刈り込んだ読みやすくした編訳版はあっても良いと思います。
ガストン・ルルーは、
『オペラ座の怪人』のほかにも、
『黄色い部屋の謎』という作品も評価が高いようなので、
近々読んでみようかなと思っています。
※Wikipediaの「ガストン・ルルー」「オペラ座の怪人」を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿