2014年10月22日水曜日

【読了】ダニエル・スティール著(天馬龍行訳)『アクシデント』

アメリカ合衆国の女流作家
ダニエル・スティール(Danielle Steel 1947.8-)の
小説『アクシデント Accidentを読みました。

著者46歳の時(1994.3)に刊行された作品です。


ダニエル・スティール著
天馬龍行訳
『アクシデント(上・下)』
(アカデミー出版、1995年4月。新書判版、1996年4月)

『長い家路』に続く2冊目のダニエルです。

長めの作品ですが、
訳のおかげかさくさく読み進められました。

今回も濃い内容で、
交通事故で瀕死の重傷を負った娘をめぐる
様々な人間模様が、

母親の視点から重層的に描かれていました。

それだけでも十分に濃いのですが、
夫の不倫、新たな恋、実父からの虐待、
実母、姉との不仲と盛りだくさんな内容で、

これでもかと押し寄せてくる種々の困難を、
主人公が力強く乗り越えていく風の、
人間の感情が色濃く交差する小説でした。

それでも不思議と悲壮感はないのが
ダニエルの小説の特徴なのか、

どんな困難な中でも明るく人生を肯定し、
前向きに生きていこうとする人物像を描いているのは、
『長い家路』と同じで好感がもてました。


辛く苦しいことの多い人生の中に、
どのように明るく前向きな側面がありえるのか、

ふつうに考えたら、
重苦しくてとても読み進められないテーマを扱いながら、

時に感動で涙しながら、
一気に最後まで読ませる力量はさすがだと思いました。


作品を量産していくタイプのようで、
昼ドラ的な味わいもなくはないので、

そのうち飽きが来るかもしれませんが、
またほかの作品も読んでみたいと思っています。

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