クライブ・ステープルス・ルイス
(Clive Staples Lewis, 1898年11月29日生-1963年11月22日没)
の小説『ライオンと魔女と衣装だんす
The Lion, the Witch and the Wardrobe 』を読みました。
全7巻からなる『ナルニア国物語』の1冊で、
著者51歳の時(1950年10月)に刊行されました。
シリーズの最初に刊行された作品ですが、
物語の時系列に並べなおすと、2番目のお話になります。
土屋京子訳
『ナルニア国物語② ライオンと魔女と衣装だんす』
(光文社古典新訳文庫、2016年12月)
***
岩波少年文庫の瀬田訳と、
光文社古典新訳文庫の土屋訳との関係を、
はじめに整理しておきます。
◎瀬田貞二(せたていじ, 1916.4-1979.8)訳
ナルニア国ものがたり(瀬田訳)
1『ライオンと魔女』
(1950年10月英国、同年11月米国)⇒1966年5月刊行
2『カスピアン王子のつのぶえ』
(1951年10月英国、52年9月米国)⇒1966年7月刊行
3『朝びらき丸 東の海へ』
(1952年9月英国・米国)⇒1966年8月刊行
4『銀のいす』
(1953年9月英国、10月米国)⇒1966年10月刊行
5『馬と少年』
(1954年9月英国、10月米国)⇒1966年11月刊行
6『魔術師のおい』
(1955年5月英国、10月米国)⇒1966年9月刊行
7『さいごの戦い』
(1956年3月英国、9月米国)⇒1966年12月刊行
◎土屋京子(つちやきょうこ, 1956- )訳
ナルニア国物語(土屋訳)
1『魔術師のおい』
(1955年5月英国、10月米国)⇒2016年9月刊行
2『ライオンと魔女と衣装だんす』
(1950年10月英国、同年11月米国)⇒2016年12月刊行
3『馬と少年』
(1954年9月英国、10月米国)⇒2017年3月刊行予定。
4『カスピアン王子』
(1951年10月英国、52年9月米国)⇒※2017年6月刊行予定。
5『ドーン・トレッダー号の航海』
(1952年9月英国・米国)⇒※2017年9月刊行予定。
6『銀の椅子』
(1953年9月英国、10月米国)⇒※2017年12月刊行予定。
7『最後の戦い』
(1956年3月英国、9月米国)⇒※2018年3月刊行予定。
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12月の刊行に合わせて購入しましたが、
仕事が忙しく、読む暇がありませんでした。
2月に入って、少し時間が出来たので、
空き時間を見つけて一週間ほどで読み終えました。
著者にとって
シリーズの一番初めに刊行された作品だからか、
手探りで書き進めている感じが伝わってきましたが、
それで魅力が減ったというよりは、
かえって新鮮な心持ちで全体を読み進めることができました。
子供向けの程々のファンタジー、
穏当な冒険小説として読むのなら、
十分成功していると感じました。
ただし、
大人向けの何か深いものを期待すると、
恋愛や結婚、
生死や暴力に関わる残酷な場面、
過度な貧困に苦労する場面など、
子供向けの小説としてふさわしくない要素は除いてあるので、
若干の物足りなさが残るかもしれません。
これまであまりファンタジーを読んで来なかった
40半ばの男性が読んでもそれなりに楽しめる内容でしたが、
やはり小中学生の時に出会えていたら、
いっそう楽しめただろうとは思いました。
そこまでのめり込んでいるわけではありませんが、
すんなり読み進められていることも確かなので、
間もなく刊行予定の3冊目『馬と少年』に期待したいです。
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