2024年6月27日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史5 宗教が支える社会』(2021年2月)

    羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史5 宗教が支える社会●八〇〇~一二〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。個人的にそれほど馴染みのある時代ではなかったので、その分大変勉強になりました。大人が学ぶ場合でも、導入はやさしい方がありがたい。歴史は文章だけで語られるよりも、目で見て初めて理解できる部分も大きいので、歴史の勉強をマンガから始めるのは「あり」だと思いました。



 第1章 カール大帝とキリスト教の拡大
  ・フランク王国の発展
  ・ローマ=カトリック教会
  ・王国の分裂とノルマン人の侵入
  ・叙任権闘争とカノッサ事件

 第2章 アッバース朝の繁栄
  ・ウマイヤ朝の衰退
  ・アッバース朝の成立
  ・円城都市バグダートの繁栄
  ・ブワイフ朝とセルジューク朝

 第3章 東南アジアの海と交易
  ・海を渡るムスリム商人
  ・マラッカ海峡と港市国家
  ・アンコール=ワット
  ・東南アジア諸島部の交易と文化

 第4章 文治主義で栄える宋
  ・宋を建国した趙匡胤
  ・文治主義と科挙
  ・王安石と司馬光
  ・靖康の変と宋の衰退

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第2章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第3章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第4章 王 雯璐(東京大学東京カレッジ特任研究員)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕白井三二朗(しらいさんじろう)
 〔シナリオ〕加納新太(かのうあらた)

2024年6月23日日曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記4』(青林堂 2012年7月)

  久松文雄(ひさまつふみお。1943-2021)著『まんがで読む 古事記』第4巻を読みました。⑪垂仁天皇(すいにんてんのう)と⑫景行天皇(けいこうてんのう)のお話です。後半の大部分は倭健命(やまとたけるのみこと)の半生が物語られていました。これまで断片的に知っていたお話を、一つの大きな流れの中に位置づけることが出来ました。随分昔のお話であることを思えば、自分にとって惹きつけられる魅力をもった作品であることを再確認しました。

(青林堂、2012年7月◇216頁)
久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記4』

 第二十五章 垂仁天皇(すいにんてんのう)ともの言わぬ皇子(おうじ)
 第二十六章 景行天皇(けいこうてんのう)と小碓命(おうすのみこと)
                    (倭健命)(やまとたけるのみこと)
 第二十七章 九州熊曾(くまそ)への苦難の道のり
 第二十八章 熊曾健(くまそたける)兄弟の討伐
 第二十九章 父王(天皇)との再開


※第1・2巻で感じたルビの少なさは、第3巻以降、大きく改善されており、誰にも読みやすくなっています。ただ総ルビではないので、小学生高学年くらいからでないと、難しく感じるように思います。

2024年6月20日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史4 唐・シルク=ロードとイスラーム教の発展』(2021年2月)

    羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史4 唐・シルクロードとイスラーム教の発展●四〇〇~八〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。



 第1章 ゲルマン系諸部族の大移動
  ・ゲルマン系諸部族の勢力拡大
  ・西ローマ帝国の滅亡
  ・フランク王国の台頭
  ・東ローマ帝国の発展

 第2章 イスラーム教の誕生
  ・ムハンマドとイスラーム教
  ・正統カリフ時代
  ・スンナ派とシーア派
  ・ウマイヤ朝の隆盛

 第3章 陸と海を結ぶシルク=ロード
  ・世界をつなぐシルク=ロード
  ・ユーラシアを結ぶソグド人
  ・玄奘、仏法を求めてインドへ
  ・遣唐留学生 阿倍仲麻呂

 第4章 隋から唐へ
  ・隋の興亡と唐の建国
  ・太宗による貞観の治
  ・国際都市 長安
  ・玄宗と楊貴妃

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 長谷川敬(はせがわたかし。慶應義塾大学准教授)
  第2章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第3章 赤木崇敏(あかぎたかとし。東京女子大学准教授)
  第4章 赤木崇敏(あかぎたかとし。東京女子大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕ゆたか
 〔シナリオ〕阿倍さかな


 各章ごとに、ヨーロッパ史、イスラム史、アジア史等を並行して物語っていくので、歴史の「横」のつながりを意識することができますが、その分複雑に入り組んでくることは避けられず、一度読んだだけでは混乱する人も多いように感じました。これまで常識的には、それぞれの地域の歴史を「縦」に学ぶことが優先されてきたはずなので、はじめから「横の世界史」を学ぶという新しい試みが成功するかどうかには、若干懐疑的です。

 ただ色々な地域の歴史を学んだ後で、こうした「横」のつながりを意識していくことは大変有意義で、新たな視点を感じながら読み進めることができました。

2024年6月15日土曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記3』(青林堂 2011年4月)

  『まんがで読む 古事記』第3巻を読みました。前半は神武天皇(じんむてんのう)。後半は綏靖天皇(すいぜいてんのう)から垂仁天皇(すいにんてんのう)までのお話でした。小中高の歴史だと、このあたりの天皇は省略されていてあまり馴染みがないので、新鮮な気持ちで読むことができました。(第1・2巻では、神様の名前に初出例以外ほとんどルビを振っておらず、読みにくさを感じていたのですが、第3巻からは総ルビに近くなり、格段と読みやすくなりました。)

久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記3』
(青林堂、2011年4月◇206頁)

 第 十九 章 神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)の東征(とうせい)
 第 二十 章 神武天皇(じんむてんのう)
 第二十一章 神武天皇のお后(きさき)探し
 第二十二章 綏靖天皇(すいぜい)以降八代
 第二十三章 崇神天皇(すじん) 四道将軍(しどうしょうぐん)を派遣する
 第二十四章 垂仁天皇(すいにん)と沙本毘古(さほびこ)の反乱


 ①神武天皇(じんむてんのう)
   神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)
 ②綏靖天皇(すいぜいてんのう)
   建沼河耳命(たけぬなかわみみのみこと)
 ③安寧天皇(あんねいてんのう)
   師木津日子玉手見命(しきつひこたまでみのみこと)
 ④懿徳天皇(いとくてんのう)
   大倭日子鉏友命(おおやまとひこすきとものみこと)
 ⑤孝昭天皇(こうしょうてんのう)
   御真津日子訶恵志泥命(みまつひこかえしねのみこと)
 ⑥孝安天皇(こうあんてんのう)
   大倭帯日子国押人命(おおやまとたらしひこくにおしひとのみこと)
 ⑦孝霊天皇(こうれいてんのう)
   大倭根子日子賦斗邇命(おおやまとねこひこふとにのみこと)
 ⑧孝元天皇(こうげんてんのう)
   大倭根子日子国玖琉命(おおやまとねこひこくにくるのみこと)
 ⑨開化天皇(かいかてんのう)※孝元天皇三男。
   若倭根子日子大毘毘命(わかやまとねこひこおおびびのみこと)
 ⑩崇神天皇(すじんてんのう)
   御真木入日子印恵命(みまきいりひこいにえのみこと)
 ⑪垂仁天皇(すいにんてんのう)
   伊久米伊理毘古伊佐知命(いくめいりびこいさちのみこと)

2024年6月6日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史3 秦・漢とローマ/古代の大帝国』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史3 秦・漢とローマ ― 古代の帝国●紀元前二〇〇~紀元後四〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。


 第1章 西アジアと南アジアの王朝の興亡
  ・群雄割拠の西アジア
  ・ササン朝ペルシアの誕生
  ・古代インド王朝の興隆
  ・インド古典文化の形成

 第2章 秦漢帝国、再び乱世へ
  ・秦帝国の中国統一
  ・第二の覇者、漢王朝
  ・三国時代の到来
  ・魏晋南北朝時代の動乱

 第3章 繁栄するローマ帝国
  ・都市国家ローマの発展
  ・三頭政治とカエサルの台頭
  ・初代ローマ皇帝アウグストゥス
  ・ローマ人の暮らし

 第4章 キリスト教と衰えるローマ帝国
  ・イエスの誕生
  ・迫害を受けるキリスト教
  ・ローマ帝国の動揺
  ・キリスト教の国教化と帝国の分裂

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 堀田和義(ほったかずよし。岡山理科大学准教授)
  第2章 王 雯璐(東京大学東京カレッジ特任研究員)
  第3章 長谷川敬(はせがわたかし。慶應義塾大学准教授)
  第4章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕柳沼行(やぎぬまこう)
 〔シナリオ〕阿倍さかな

断片的に知っていた話が1つにつながって、大きな流れが出来上がっていく様を楽しむことができました。知らない地域の歴史は、いくら初学者向けでも、はじめて聞く名前が目白押しになるので、世界史にまったく興味のない人が最後まで読み切れるのかわかりませんが、世界史をバランスよく学びたい、という意思が定まっている人には、よくできた内容だと思います。いずれ高校の世界史で触れられる内容を、ダイジェストで見ていく感じです。

2024年6月2日日曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記2』(青林堂 2010年4月)

 『まんがで読む 古事記』第1巻に続いて第2巻を読みました。マンガでイメージから入ると、大まかなストーリーがまず頭に入ってくるので、これまで個別に知っていたお話がつながって、ああこんな流れだったのかと今更ながら感銘を受けました。


久松文雄著
『まんがで読む 古事記2』
(青林堂、2010年4月◇249頁)

 第 十 章  稲羽の素兎(いなばのしろうさぎ)
 第十一章 大穴牟遅神(おおなむじのかみ)の受難
 第十二章 根之堅州国(ねのかたすくに)
 第十三章 神語(かみがたり)
 第十四章 海から来る神
 第十五章 国譲り
 第十六章 葦原中つ国(あしはらなかつくに)の平定
 第十七章 天孫邇邇芸命(てんそんににぎのみこと)の天降り
 第十八章 海幸(うみさち)と山幸(やまさち)

1点困ったのがたくさん出てくる神様の名前(漢字)! 文中で最初に出てくる時は、さすがにルビを振ってあるのですが、その後はほぼ漢字だけなので、慣れるまで何度も前のページに戻って読み方を確かめる必要がありました。途中から再読に備えて、読めない神様の名前に鉛筆でルビを振っていったら、しだいに馴染んで読めるようになって来ました。『古事記』にそれなりに興味のある方でなければ、この面倒くささには耐えられないかもしれません。内容的には小学生からで十分読めるだけに、総ルビでないのが惜しいです。