2011年7月14日木曜日
スマイルズ『向上心』第3章(上)
サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles)著、竹内均 訳、
『向上心(CHARACTER)』
(三笠書房、知的生きかた文庫、2011年6月改訂新版)より。
第3章 自分を生かす働き方
「仕事は、
行動力あふれる人格を養うためには
いちばんいい方法である。
働くことによって、
従順さや自制心、集中力、順応性、根気強さなどが芽生え、
鍛えられていく。」72
※恐らくスマイルズ自身は、
仕事と家事とは切り離して考えていたと思いますが、
家事=家の中でする仕事
と考えれば、どちらにも当てはまることは明らかです。
仕事と家事とは、
すぐれた人格を養うためには
一番よい方法である。
と読みかえると、より現実的でしょう。
「一面で、働くことは重荷であり、
懲罰であるかもしれない。
だが同時に、
誇りでもあり名誉でもある。
働かずしては何ごとも成就しない。」72
※働こう!
相手があってこその仕事なので、
自分がやりたい仕事をそのまま出来ているとは限らないわけで、
必ずしも楽しく働けている人ばかりではないと思います。
でもひとり行くあてなく、
ボーっとして無駄な年月を重ねることを思えば、
どんな仕事でもありがたい、
と思えるようにしたいものです。
なかなか難しいことですが、
そうありたいものです。
「怠惰、つまり働かずにいることは人に災いを及ぼす。
さびが鉄をボロボロにしてしまうように、
怠惰は人や社会をむしばんでいく。」73
※この言葉は、
そうした時間を経験したことがあれば、
まさしくその通りだと合点がいくでしょう。
働けるのに
働く場が与えられず、
ボーっとしていなければならないことほど、
精神衛生上よろしくないものはありません。
「怠惰は人を堕落させ、国力を低下させる。
怠け者が社会的に名を上げたためしはないし、
これからもないだろう。
怠け者は丘をよじ登る努力もせず、
困難に立ち向かおうともしない。」75
※人は働かなければならないんだよ、
ということは、
小中学生、高校生の段階で、
もっともっと教えておいてほしかったなあ、
と思っています。
人は必ずしも
自分の就きたい仕事に就けるわけではないこと、
それでも働かなければならないこと、
どんな仕事でも、やってみればそれなりに充実していること、
どこかでもう少し、
教えていただく機会があると、
良かったかな、と思っています。
「怠け者は人生で失敗をくりかえす。
何をやっても成功しないのは当然である。
怠け者は何の役にも立たない。
陰気な顔で不平ばかり言う哀れな人間で、
社会にとってはお荷物である。
邪魔者であり、
迷惑千万な存在なのである。」75
※怠惰への、スマイルズの言は、
何もそこまで、というくらい、厳しいものですが、
かえって爽快な感じもします。
怠けてるなあ、と感じたら、読み返して、
なにくそ!と思いたい。
わたしは、
失敗をくり返したくないし、
何の役にも立たない、と言われたくないし、
陰気な顔で不平ばかり言う哀れな人間になりたくないし、
社会のお荷物、邪魔者にもなりたくない。
だから、どうするのか。
『もっとも危険なのは暇な時間である。』
(マーシャル・ホール医師)77
※休息は必要でしょう。
でもある程度、心と体を休めたら、
そこから先は、適度に動かしてあげたほうが、
健康には良いようです。
「怠惰な人間は言い訳ばかりするものだ。
怠け者には、働くのをいやがるくせに
屁理屈だけは上手な人が多い。」78
※言い訳はよくない。
大きなものごとでなければ、
あえて言い訳はしない。
ただし、私の家族、友人に被害が及ぶ場合は別であろう。
「苦しみと労働から逃げ出してはいけない。
この二つは人間の宿命なのだ。
困難に立ち向かうのを恐れる人は、
困難が自ら近寄ってくるのにいずれ気づくだろう。」80
※程度によりますが、
はじめから逃げるのは論外でしょう。
ただし死と隣り合わせになって
明らかに正常な判断がつけなくなって来たときには、
心が本当に壊れてしまう前に、
いったん逃げ出して、
たっぷり休養して、再起を図ったほうがよいと思います。
死んでしまったらそこまでなので、
もう一度、生き直す覚悟をするほうが、
勇気のあることだ、と考えています。
「仕事を持っているとぐっすり眠れるし、
心地よく目覚めることができる。
余暇を思う存分楽しむには、
学問であれ義務を伴わない仕事であれ、
働いたという実感を少しでも持つ必要がある。」
(ウオルター・スコット)81
※家事も仕事もなにもやらなくていいよ、
といわれたら、うれしいのは数日。
そこから先は相当苦痛だろう。
でもこれは、
一度経験してみないとわからないでしょう。
今はなかなか一箇所で
定年まで働き通すことは難しい世の中ですので、
わりと理解しやすい言葉ではないでしょうか。
「自分と人のために役立つ仕事をすればするほど、
考えたり感動したりすることが多ければ多いほど、
本当に生きていると言える。
怠けてばかりいて何の役にも立たないような人間は、
どんなに長生きをしたとしても、
ただ息をしているだけの存在なのである。」81
※厳しいけど正論。
いかにして濃い人生を送るか。
最後のときに、
まあ、自分なりにがんばれたかな、
と思って、悔いなく死んでいけるように、
日々努力を惜しまないように、
がんばりたいと思います。
私は私なりに、
がんばれたかな、
と思えることが大切だと思います。
『怠け者のことを
むざむざと時間を殺している連中と呼ぶならば、
勤勉な人は
時間に生命と道徳観念を吹き込み、
視覚を通してばかりでなく
良心をも通して見える存在に置き換えた人と呼べるだろう。
そんな人は
時間を順序よく整理し、
魂を与え、うっかりすれば飛んで行ってしまう
時間そのものに不滅の精神を与える。』
(詩人コールリッジ)87
※時間を支配する。
時間はあっという間に過ぎていきますね。
40が近づいて来て、一年一年が早いな、
と感じるようになって来ました。
一日一日を大切に過ごして、
悔いのない人生を送れるようにしたいなあ、
と思っています。
時間に魂をこめる。
意味のある時間を過ごす。
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