2011年7月22日金曜日

スマイルズ『向上心』第3章(下)



サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles)著、竹内均 訳
『向上心(CHARACTER)』
(三笠書房、知的生きかた文庫、2011年6月改訂新版)より。

第3章 自分を生かす働き方

人が破滅に追い込まれるのはあやまちを犯したからではなく、
 それを犯した後でその人がどういう態度をとるかによるのだ。
」109

※前向きに、勝負しながら生きていれば、
 何度かの失敗は避けがたいものでしょう。
 大切なのは、失敗した後、自暴自棄にならず、
 踏み止まって、ほんの少し休んだら、
 また前を向いて、歩き出せるかどうか。


幸福をつかむためには、
 行動ばかりでなく言葉をコントロールすることも必要である。
 げんこつでなぐるよりも人を傷つける言葉があるものだ。
 人は剣を使わなくても、
 とげとげしい言葉で相手の胸を刺すことがある。
」115

※言葉は帰って来ない。
 すべてを失う覚悟のない言葉は、
 とりあえず心の中にしまっておいたほうが良い。


人格は、
 言葉をどのようにつつしむかにもあらわれる。
 分別をわきまえ、
 抑えることを知っている人は、
 他人の感情を犠牲にしてまで
 侮辱的で情け容赦のない言葉を口にしようとしない。
」115

※相手がどうとらえるかは、すべて相手の自由。
 真実が感情に優先することはない。
 悪意をもってとらえようとしている人には、
 なにを言っても意味がない。


賢者の口は心にあり。愚者の心は口にある。
 (ソロモン)116

才気に富んではいるが、
 相手にとって苛酷に思われる文章を書きたい時は、
 我慢しにくいところだろうが、
 ひとまずペンをおくほうが無難である。
」116

豊かな経験を積んだ人が、
 『あの時話すのではなかった』と後悔しているのをよく聞く。
 しかし、沈黙したのは失敗だったと
 悔やんでいるのは耳にしたことがない。
」117

※沈黙の効用。
 もう少し若いころ、知りたかった。


気難しい口調で真実を述べるくらいならば、
 沈黙を守っているほうがましだ。
 おいしい料理にまずいソースをかけるようなものだから

(フランスのカトリック司教フランソワ・ド・サール)118

われわれは
 あわてて他人を軽蔑したりしないように用心しなければならない。
 善良な人は得てしてことを急ぐ傾向にある。
 熱心さを表わすこの気性が、
 そのまま狭量さにつながることもよくあるのだ。
」120

※待つこと。


私がこれまで見てきた罪悪は、
 どれもみな一歩まちがえば
 自分も犯していたかもしれないものばかりだった

(ゲーテ)121

※わたしも同じです。


人と仲よくし、
 信頼されたいと思うなら、
 相手の人柄に好意を払わなければならない。
 人の顔や姿がみなちがうように、
 考え方も性格も十人十色で、
 それぞれに特徴がある。
 自分がそうしてほしければ、
 こちらもそのちがいを上手に受け入れなければならない。
」122

※まず相手。相手のことを受け入れるのが先。


自分の口から出た敵意が、
 自分の胸の中にころがり込んで来ることがよくある

 (ジョージ・ハーバード)122

※悪口は言わない。
 どんなときも言わない。
 言いたくなるような組織には所属しない。
 組織を去ってでも、心の平穏を大切にする。


いずれにしても、真意はいつか必ず姿を現わす。
 そして、自分に対立する相手のほうがまちがっている場合には、
 言葉で打ち負かすよりも寛大な気持ちでこたえてやったほうが、
 相手はそのあやまちをすばやく認めるものである。
 つまり私が言いたいのは、
 理に合わない偏見の結果には目をつぶり、
 好意や親切には敏感であるほうがいいということである。

(学者ファラデー)123

※目先の負けにこだわらない。


心の正しい人は、
 自分のいつわりの姿を見るのをためらったりしない。
 金もないのに金持ちぶって見せたり、
 自分の置かれた環境にそぐわない生活をしてみたいと思ったりはしない。
 不正に他人の金に頼ろうなどとはせず、
 自分の収入の範囲でまじめに暮らしていこうという
 勇気を持っている。
」125

※分相応に。背伸びしない。いつわらない。


自分が持っていないものを欲しがり、
 いつも自分の立場を考えずに
 他の地位を得たいといらいらしている気持ちが、
 すべての不道徳の根源である。

 (政治家シャフツベリー)125

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