2011年7月6日水曜日

スマイルズ『向上心』第2章(後半)


サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles)著、竹内均 訳、
『向上心(CHARACTER)』
(三笠書房、知的生きかた文庫、2011年6月改訂新版)より。
※印は栗木によるコメントです。

つづいて第2章(後半)。

活発な意志の力、
 すなわち自然に湧き出る活力は偉大な人格の真髄である。
 このような活力があれば人生は生き生きとする。
 なければ気持ちが弱くなる。
 気力もなく、
 人生に失望し落胆するだけである。
」52

※ほどほどに、元気があること。
 元気がなくなったままの状態で、
 よい仕事はできないでしょう。
 人生を楽しむことも難しいでしょう。

 気力が充実した状態を、
 常日ごろから保っていられるように、
 自分で自分の健康を維持できるように努力したい。


活力みなぎる行動は、
 周囲に伝染していくものだ。
 力のない者は勇敢な人物に勇気づけられる。
 そして当然のことながら、
 その人物を見習おうという気持ちに駆り立てられる。
」54

※周囲に伝染するほどの元気。
 それは確かにありがたい。

 私はそれほど外向的な人間でもないので、
 とりあえずたくさん寝て、
 体が軽く動いて、頭がクリアで
 前向きにほのぼの毎日生きられるように
 心がけています。

 少なくとも、
 一人暗い顔をして、
 プンプン怒って、
 まわりにマイナスの空気を広げてしまうことはないように
 心がけています。


偉人の生涯は、
 人間の活力をたたえる不滅の金字塔を後世に遺す。
 人は死んで肉体は世を去る。
 けれども彼の思想と行動は生き残り、
 消えることのない足跡を子孫に遺す。
 その精神はさまざまな思想や意志に形を変えながら、
 永遠にこの世に生き続ける。
 つまり、結果的には
 未来の人格形成に役立っているということになるのである。
」56

※人の生涯は、
 死んだら即終わり、
 となるわけではない。

 人びとの記憶に残って、
 ある程度、影響を与え続けるんだ、
 という考え方は、とても大切だと思います。

 実際にどうなっているのかは
 誰にもわからないわけですが、
 その人が残した精神的な遺産は
 さまざまなかたちで継承されていくのだ、

 と考えたほうが、わたしは
 前向きの生き方をしていけるように思います。


偉大な人物の名前と記憶は、
 天が国家に与え給うた贈り物である。
 それによって国全体に活気がみなぎってくると、
 国民の記憶の中には、
 死せる英雄たちの姿がよみがえり、
 生きている者のようにじっと見守り、
 うなずいてくれるのである。

 こんなにもすばらしい証人が立ち合ってくれている国家は
 滅びるわけがない。
 生死にかかわりなく、
 彼らは”地の塩”なのである。
 かつて彼らが示した行動は子孫に受け継がれ、
 時代を問わず再現される。
 彼らは生きた手本として、
 それを受け入れようとする者を常に励まし、
 勇気づけてくれるのだ
』(ある著名な作家)59

※地球にとって、というと、
 私には大きすぎてイメージがわかない。

 まずは日本国民にとっての偉大な人物の足跡をたどること。
 そういう意味合いで、
 日本の歴史を勉強することはあるのだろうか。

 歴史の授業から、
 そうした側面が排除されるとしたら、
 それはおかしなことだと思います。

 人と人との精神的なつながりのなかで、
 ひとつの国家が出来上がっていることを、
 忘れてはならないと思います。

 ただし、それならば
 自分は何を知っているのか、
 と考えると、まだまだ勉強不足だと思います。
 
 日本の国民は、
 ご先祖さまからの遺産として何を受け継ぎ、
 子孫に何を伝えていけるのか。

 もだもうしばらく
 猶予の時間は与えられていると思うので、
 しっかり勉強を続けたいと思います。


良心は人を自立させ、
 意志はその人を道徳的にまっすぐに育てていく。
 良心は正しい行動、考え方、信条、そして生き方など、
 われわれの精神面をすべて支配し、
 その強い影響力があってこそ高潔な人格が花開くのである。
」59

※良心を育てること。

 良心という側面に目を向け、
 子どものうちからそれを育てていくことは、
 大切なことだと思います。

 ある程度、
 社会の中で実践的に身につけていくものなので、
 何もしなかったからといって、
 突然に崩れてしまうことはないと思います。

 しかしながら、
 人間の本能の中に、良心という芽があって、
 何もない所で、自然に放っておいても良心が育つ、
 と考えるとしたなら、

 それは時に、
 とんでもない野獣を育てることになり、
 無責任な結果をもたらすことになりかねません。


良心はけっして大きな声で語りかけてはくれないから、
 意志の力が活発に働かなければ、
 その声もむなしく消えてしまう。
」60

※心の中に、
 良心の声を聴かない人は、
 いないでしょう。

 ただしそれと同じくらい、
 心の中に、
 悪魔のささやきを聴かない人も
 いないはずです。

 意志の力で、
 心の中の良心の声を
 ひきずり出して、主役にして、
 もり立てる努力をしないと、

 いつまでも
 良心はどこかに隠れたままとなるでしょう。


強い意志をもって堂々と挑み、
 けっして義務を果たすことに臆病であってはならない

(昔のデンマークの英雄)60

※健全な、強い意志の力によって、
 自らの良心の芽を、
 少しずつさらに良い方向へ、
 育て上げていく必要があります。


良心の命ずるがままにただちに意志の力を働かせ、
 それによって低俗なものに引かれる衝動を跳ね返すことは、
 道徳鍛錬の重要な基本であり、
 理想的な人格を育てるためには必要欠くべからざるものである。
」61

※良心の命ずるままに、
 低俗なもの、害悪のあるものを跳ね返せるようになる、
 意志の力を養うこと。

 道徳教育の一つの観点。

 そんな観点に立った、
 日本人向きの、道徳教育のプログラムがほしいです。

 でも今ない、ということは、
 私自身に、その答えを求められているのかもしれません。
 日々勉強です。
  

力が強ければ幸せになれるというものではないし、
 富も幸せをもたらしはしない。
 権力も幸福とは関係ない。
 これらの条件が全部そろっていても幸福ではない。

 幸福はわれわれの内にある。
 真の自由、つまらぬ恐怖心を克服する力、
 そして完璧な自制心があるところに幸せがある。
 そして満足感と平和を味わえる能力があれば、
 貧困や病や放浪の生活にあえいでいても、
 いや死の影が迫る苦難の時においてすら、
 人は幸せを感じることができるのである。

 (ストア派の哲学者エピクテトース)63

※幸せは、それぞれの心の中にある。

 力が強ければ、幸せな人もいるでしょう。
 お金があれば、幸せなこともあるでしょう。
 権力とお金を求めること、
 それ自体が悪いことだとは思いません。

 でも、それがあれば、
 必ず幸せになれるものではありません。

 幸せだと感じるのは自分の心なので、
 自分にとっての幸せは、
 自分の心と向き合って、
 自分で決める必要があります。

 人の欲望とは限りのないものなので、
 結局、自分にとっての幸せとは何なのか。
 つきつめて考えておくと良いでしょう。


自分の務めを果たす責任感は、
 勇敢な人を支える力にもなる。
 それはその人を正しく導き、
 力を与える。
」64

※責任はある面、重荷になることもあるが、
 自分の生きがいとして、
 かけがえのない価値を持つこともある。
 わたしは、いろいろな責任を、
 喜んで背負える人間になりたい。

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