スコットランド生まれの小説家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の
小説『ジーキル博士とハイド氏』を読みました。
スティーヴンソン35歳の時(1886.1)に出版された作品です。
スティーヴンソン著
海保眞夫(かいほまさお)訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波少年文庫、平成14年1月)
『ジーキル博士とハイド氏』は、
1年半ほど前に偶然、
Mavmillan Readers の Level3で読んだのが、
初めての出会いでした。
この1冊だけだと、
あまり好きな作品ではなかったのですが、
『宝島』と同じ作者が書いたとは思えない、
独特の内容に興味がわきました。
それから日本語でも読んでみようと、
いくつか翻訳を手に取ってみたのですが、
心理描写に優れたところがある分、
こなれた日本語に訳すのは難しいようで、
意外に読みにくいものが多かったです。
そうした中で、
海保眞夫(かいほまさお)訳の岩波少年文庫本は、
よくこなれた訳文で、
『宝島』を読んだ時と同じ感覚で、
先へ先へと読み進めることができました。
海保氏はこの7年前に、
岩波文庫からも同書の翻訳を出版されており、
そちらを下地にして、
改めて訳し直したのが岩波少年文庫の新訳ということになります。
海保眞夫訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波文庫、平成6年11月)
岩波文庫の旧訳も悪くはありませんが、
新訳と比べると、大人向けであることを考慮に入れても、
多少の堅さがあるように思われました。
むしろ少し前の訳ではありますが、
大谷利彦(おおたにとしひこ)訳の角川文庫は、
大人向けのよくこなれた訳文になっていたので、
次はこちらを読んでみようと思っています。
大谷利彦訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(角川文庫、昭和38年3月)
『ジーキル博士とハイド氏』も、
日本語訳でじっくり読んでみると、
登場人物の心理描写に優れているところや、
場面展開の間合いの取り方など、
スティーヴンソンの作品であることが実感できるようになって来ました。
調べてみると、
『宝島』や『ジーキル博士とハイド氏』のほかにも、
スティーヴンソンの作品はいくつか翻訳されているようなので、
他の作品も読んでみようと思います。
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