Oxfprd Bookworms の Stage1の11冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆したノンフィクション
『地球上で最も寒い場所(The Coldest Place on Earth)』
を読みました。
Tim Vicary
The Coldest Place on Earth
(Oxford Bookworms Stage1)
This edition (C) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1992
5,500語
イギリスの探検家
ロバート・スコット(1868.6-1912.3)が、
1910年6月から1912年3月にかけて実施した
テラ・ノヴァ号による南極探検を、
ノルウェーの探検家
ロアルド・アムンゼン(1872.7-1928.6)が、
1910年8月から1912年1月にかけて実施した
フラム号による南極探検と対比させながら、
やさしい英語で手短にまとめられています。
1911年12月14日、
アムンゼン隊4名が人類史上初めて南極点に到達し、
翌1月25日に全員無事に帰還したのに対して、
1912年1月17日、
スコット隊5名は二番手として南極点に到達後、
帰途の途中に遭難し、3月29日までに5名全員が死亡した。
胸が苦しくなる失敗の記録ですが、
編者ヴィカリー氏の主観は交えずに、
事実を淡々と述べながら、スコット隊の失敗の要因を、
読者に考えさせるよう編集してあるのに感心しました。
スコット隊の悲劇について知ったのは、子供の頃、
スコット記/白柳美彦訳・編
「白い大陸南極へ」(『世界の名作図書館〈48〉』講談社、昭和44年8月)
を読んだのが初めでした。
その頃は、
努力の結果が失敗に終わるのを理不尽に感じ、
それほど繰り返し読んだ記憶はないのですが、
1着でなかった上に全員死亡するという
インパクトのある結末に強い印象を受けました。
***
ロバート・スコット本人の記録として、
中田修 訳
『南極探検日誌(極地探検三大古典①)』
(ドルフィンプレス、昭和61年12月)
がありますが、絶版かつ高価なため未見です。
スコット南極探検隊に参加した
アプスレイ・チェリー・ガラード氏による
加納一郎 訳
『世界最悪の旅―悲運のスコット南極探検隊』
(朝日文庫、平成5年1月)
※抄出版が、中公文庫(平成14年12月)で再刊。
が文庫で手に入るので、購入してみます。
また、ロアルド・アムンゼン(ローアル・アムンセン)本人の記録として、
中田修 訳
『南極点』
(朝日文庫、平成6年4月)
※初出は、
『南極点(極地探検三大古典②)』
(ドルフィンプレス、平成2年8月)
谷口善也 訳
『南極点征服』
(中公文庫BIBLIO、平成14年12月)
※『南極点』の抄出版。
があります。
そしてこれらの著書の訳者である
中田修氏によるスコットの評伝
中田修 著
『南極のスコット』
(清水書院 Century Books - 人と思想、平成10年1月)
も出ているので読んでみようと思います。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算55冊目。計452,701語。
※Wikipedia の「ロバート・スコット」「ロアール・アムンセン」を参照。
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