ルーシー・モード・モンゴメリー(1874.11-1942.4)の
小説『赤毛のアン(原題 Anne of Green Gables グリーン・ゲイブルズのアン)』を読みました。
モンゴメリーが
30歳の時(1905.10)に完成し、
33歳の時(1908.6)に出版された作品です。
ルーシー・モード・モンゴメリー著
掛川恭子(かけがわやすこ)訳
『完訳 赤毛のアン シリーズ1 赤毛のアン』
(講談社、平成2年5月)
※『完訳クラシック 赤毛のアン1 赤毛のアン』
(講談社、平成11年5月)に再録。
※『完訳クラシック 赤毛のアン1 赤毛のアン』
(講談社文庫、平成17年4月)に再録。
※最初の単行本にのみ、
巻末に訳者 掛川恭子氏による
あとがき「美しいアンの島」を付す。
先月やさしい英語で読んだのをきっかけに、
久しぶりに掛川恭子氏(かけがわやすこ 1936.1-)の翻訳で、
『赤毛のアン』を読み返してみました。
以前は講談社文庫で読んだので、
少し目先を変えて初出時の単行本を手に入れてみました。
講談社文庫の網中いづる氏(あみなかいづる 1968-)による
色鮮やかな油彩の表紙も好印象だったのですが、
初出時の単行本も、
山本容子氏(やまもとようこ 1952.4-)による
銅版画を表紙と挿絵に採用し、強い印象が残ります。
山本氏の絵柄は、
子どもさんの誰がみても親しみやすいアンというよりは、
あくまでも山本氏のフィルターを通してみた、
山本氏独自のアンになっているので、
大人向けの独特の味わいがありました。
正直なところ、
読み始めてしばらくはこれじゃない感がありましたが、
1冊読み終えて山本氏の画風に馴染んでくると、
独特のユーモラスな感じが、
いい味わいを出していると思えて来ました。
***
掛川氏の訳は、
文庫本で読んだ時にも感じていたのですが、
現代の日本語としてすらすら読めるように訳してあり、
アンの明るい個性的なキャラクターに魅せられながら、
どんどん読み進めることができました。
違和感なく作品に入り込んでいける点では、
一番のお薦めです。
今回は二度目ということもあって、
改めて、モンゴメリーの自然描写の豊かさに気がつきました。
プリンスエドワード島の美しい自然の様子が
これでもかこれでもかと描写されてあって、
絵画的な自然描写の豊かさでも、
群を抜いているように感じました。
この勢いに乗って、
第2巻『アンの青春』へと進みます。
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