2014年4月16日水曜日

【読了】モンゴメリー著(掛川恭子訳)『赤毛のアン』

カナダの作家
ルーシー・モード・モンゴメリー(1874.11-1942.4)の
小説『赤毛のアン(原題 Anne of Green Gables グリーン・ゲイブルズのアン)』を読みました。

モンゴメリーが
30歳の時(1905.10)に完成し、
33歳の時(1908.6)に出版された作品です。


ルーシー・モード・モンゴメリー著
掛川恭子(かけがわやすこ)訳
『完訳 赤毛のアン シリーズ1 赤毛のアン』
(講談社、平成2年5月)

 ※『完訳クラシック 赤毛のアン1 赤毛のアン』
  (講談社、平成11年5月)に再録。
 ※『完訳クラシック 赤毛のアン1 赤毛のアン』
  (講談社文庫、平成17年4月)に再録。

 ※最初の単行本にのみ、
  巻末に訳者 掛川恭子氏による
  あとがき「美しいアンの島」を付す。


先月やさしい英語で読んだのをきっかけに、

久しぶりに掛川恭子氏(かけがわやすこ 1936.1-)の翻訳で、
『赤毛のアン』を読み返してみました。

以前は講談社文庫で読んだので、
少し目先を変えて初出時の単行本を手に入れてみました。

講談社文庫の網中いづる氏(あみなかいづる 1968-)による
色鮮やかな油彩の表紙も好印象だったのですが、

初出時の単行本も、
山本容子氏(やまもとようこ 1952.4-)による
銅版画を表紙と挿絵に採用し、強い印象が残ります。

山本氏の絵柄は、
子どもさんの誰がみても親しみやすいアンというよりは、
あくまでも山本氏のフィルターを通してみた、
山本氏独自のアンになっているので、

大人向けの独特の味わいがありました。

正直なところ、
読み始めてしばらくはこれじゃない感がありましたが、
1冊読み終えて山本氏の画風に馴染んでくると、

独特のユーモラスな感じが、
いい味わいを出していると思えて来ました。


 ***

掛川氏の訳は、
文庫本で読んだ時にも感じていたのですが、
現代の日本語としてすらすら読めるように訳してあり、

アンの明るい個性的なキャラクターに魅せられながら、
どんどん読み進めることができました。

違和感なく作品に入り込んでいける点では、
一番のお薦めです。


今回は二度目ということもあって、
改めて、モンゴメリーの自然描写の豊かさに気がつきました。

プリンスエドワード島の美しい自然の様子が
これでもかこれでもかと描写されてあって、

絵画的な自然描写の豊かさでも、
群を抜いているように感じました。


この勢いに乗って、
第2巻『アンの青春』へと進みます。

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