やさしい英語の本、
MMRのシリーズ14冊目、
チャールズ・ディケンズの作品集、
幽霊物の短編2作をまとめた1冊です。
Charles Dickens
The Signalman and The Ghost at the Trial
Retold by F.H.Cornish
(Macmillan Readers Beginner Lever)
1998年刊(10,374語 YL1.8)
ディケンズは前回、
『二都物語』のリトールド版を読みました。
今回の1冊には短編2作、
“The Signalman”と“The Ghost at the Trial”
のリトールド版が収められていました。
詳しくは調べていませんが、
前半のは、
小池滋・石塚裕子訳
『ディケンズ短篇集』(岩波文庫、昭和61年4月)
に「信号手」として訳出されているようです。
感想は『二都物語』より
遥かに短い作品だったからか、
作品の展開の巧みさ、
文章のうまさをよく感じることができました。
「信号手」では、当時の
イギリスの電車の信号手の様子を知ることができました。
電車はそれほど興味がなかったのですが、
後半の「裁判の幽霊」のお話しでは、
イギリスの裁判における陪審員の様子が、
詳しく描写されていて、
とても興味深く読み進めることができました。
ディケンズさん、
今回はその力量を確信できました。
それが何よりの収穫です。
※計14冊 115,569語。
2012年1月31日火曜日
2012年1月30日月曜日
【読了】塩野七生 『ローマ人の物語』 8
塩野七生
『ローマ人の物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前[上]』
(新潮文庫、平成16年9月。初出は平成7年9月)
第一章 幼年期 Infantia
第二章 少年期 Pueritia
第三章 青年前期 Adulescentia
第四章 青年後期 Juventus
のんびりと、とは思いながらも、
文庫本ではそれほど分厚いわけではないので、
ほぼ1ヶ月で読み終えました。
ただし、
カエサルの評伝だけで計6冊になるので、
読み終わるのは今年の夏前になるのでしょう。
おそらく、
これからより面白くなるのでしょうが、
これまでのお話をざっと振り返ることができるので、
忘れかけていたあらすじを思い出すこともでき、
助かりました。
何か論評できるほど、
このあたりのことは知りませんので、
ふつうに興味深く、すらすら読み進めることができたことのみ、
お伝えしておきます。
次は第9巻です。
2012年1月28日土曜日
【読了】中川八洋 『山本五十六の大罪』
中川八洋氏の著作、
次は『山本五十六の大罪』を読みました。
これは第一章のみ読んで、その後、
「積ん読」状態になっておりました。
中川八洋
『〈連合艦隊司令長官〉山本五十六の大罪
― 亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像 ― 』
(弓立社、平成20年6月)
これもまた、
中川氏の他の著作に似て、
書名が内容の一部しか表しておりません。
論点が多岐にわたるため
うまく整理しにくいのですが、
第一章では、
海軍大臣、内閣総理大臣を歴任した
米内光政の批判的検討を行い、米内の、
大東亜戦争に関する三つの「罪」をまとめています。
第二章では、
近衛文麿の情報工作員として、
「第二昭和研究会」を通じて
海軍内の赤化洗脳工作を行った、
高木惣吉の動向について検討しています。
第一・二章で取り上げられた
米内光政と高木惣吉については、
これまで特に注目して来なかったので、
先入観なく読み進めることができました。
それぞれ一書にまとめてもよい内容を
二章に凝縮してあるので、
二人の略歴等について
ある程度、基礎的な知識がないと、
難しく感じるかもしれません。
第三・四章では、
山本五十六が、連合艦隊司令官として、
その全責任を負う作戦として、
パール・ハーバー奇襲(戦果ゼロ)、
ミッドウエー海戦(大敗北)、
ガダルカナル島攻略戦(大敗北)
の三つを取り上げ、
その他の作戦も含めた、
多角的な検討を行なっています。
なお、
海軍出身者の戦後の著述に、
虚偽・捏造が多いことを指摘し、
主なものを一覧表にしてあるので、
今後の勉強にたいへん役立ちます(本書137頁)。
山本五十六についても、
あまり詳しいことは知らなかったので、
先入観なく、興味深く、読み進めることができました。
日清戦争や日露戦争と比べて、
果たして同じ国の軍隊なのだろうか、
と思うほどの、作戦の稚拙さを感じます。
これもまた、本来ならば、
一書にまとめるにふさわしい内容を
二章に凝縮してあるので、
論証過程には多少の荒っぽさが見受けられますが、
とても興味深く読むことが出来ました。
第五章では、
「特攻」作戦の批判的検討を行なっています。
戦争で使用される兵器と、
戦争で遂行される作戦は、
「生還の確率50%」が
軍隊の護るべき絶対基準であるにもかかわらず、
「生還の確率0%」を前提とした
「特攻」の兵器生産/制度化/作戦を遂行した、
海軍の責任について考察しています。
日本国に殉じた若き特攻隊員の、
偉大な勇気と自己犠牲の美徳に
最大限の感謝と慰霊の気持ちを保ちつつも、
冷酷非情な「特攻」作戦そのものは、
国家が決して選択してはならない、
非人道的な作戦であり、
その作戦を遂行した責任を追求することは、
当然のことだと思います。
議論の基本的な方向性をつかむ上で、
とても参考になりました。
第六章では、大東亜戦争という、
アジアの共産化(東亜新秩序・大東亜共栄圏)を目指し、
日本の「国益」を無視した、国家叛逆の戦争を行った結果、
「日本国という自らの祖国全土を戦火に荒廃させ、
二百五十万人(おそらく実数は三百万人)を越える
若い勇者の命を奪い、
さらに六十万人の一般邦人に死を与え、
日本を亡国の淵に追いやり、
そればかりか
固有の領土(樺太、国後・択捉・得撫島以北の千島列島)
をソ連に貢ぎ、
満州という(安全保障上/経済上の)無尽蔵の権益を
中国共産党に貢ぎ、
そればかりか
国家の栄光に輝く軍隊や
偉大なる明治憲法その他の由緒正しき制度を跡形もなく
破壊・蕩尽した。」(本書、217頁)
その責任の所在を明らかにしています。
負けた戦争を、
評価するわけにはいかない、
というのが私(栗木)の基本的な立場です。
左翼のように意図的な虚偽があるのは論外ですが、
開きなおって我々は正しかったのだ、という
民族系の立場にも違和感があります。
中川氏の一連の研究で、
ようやく今後、大東亜戦争を学ぶ上での
基本的な座標軸が得られたと思っています。
第七章では、
大東亜戦争の最終章として、
1945年8月の満州におけるソ連軍の侵略・蛮行と、
「シベリア百万人拉致・殺害・重労働・洗脳事件」
と呼ぶべき「シベリア抑留」に至る過程について、
日本側の通謀者の問題とからめつつ検討しています。
「シベリア抑留」の実数については、
2000年前後からようやく学術的な研究が行えるようになり、
阿部軍治『シベリア強制抑留の実態』(彩流社、平成17年10月)
によって、最新の成果がまとめられていることを知りました。
近くの本屋ではもう見当たらなかったのですが、
その後の成果も踏まえつつ、一般向けに書き下ろした
新刊が並んでいたので、購入しました。
阿部軍治『慟哭のシベリア抑留』(彩流社、平成22年9月)
このテーマも、
日本国民の一人として、
勉強を続けていきたいと思っています。
第八章では、
昭和前期(1925~45年)の日本が、
社会主義思想・共産主義思想に汚染されていた事実を、
出版活動の側面から分析しています。
ロシア革命の翌年、
大正7年(1918)以降の「マルクス経済学」称賛、
世界恐慌開始の翌年
昭和5年(1930)以降の「ソ連の計画経済」称賛、
の2つの大きな流れとともに、
大正14年(1925)に、ソ連と国交を回復したことによって、
ソ連は、日本に
大使館という格好の情報謀略工作基地を得、
実際これ以降、
社会主義・共産主義の翻訳書が
爆発的に大量出版されている事実には、
これほどとは思わなかったので愕然としました。
この事実は、
同じく1925年にできた治安維持法が、
社会主義思想・共産主義思想の流入を阻止する上で、
ほとんど役に立っておらず、
社会主義・共産主義の脅威から、
日本国民の自由と権利を擁護する上で、
治安維持法は、
多くの欠陥をかかえた法律であったことを指摘しています。
「米国では今も、日本の治安維持法より厳しい
『共産主義者取締法』が存在し、十全に執行されている。
英国でもドイツでも共産党は非合法である。」(本書、314頁)
との指摘はとても勉強になりました。
内容的に少し難しいと思いますが、
『近衛文麿とルーズヴェルト―大東亜戦争の真実』
(PHP研究所、平成7年8月)
と並んで、必読の1冊です。
次は『山本五十六の大罪』を読みました。
これは第一章のみ読んで、その後、
「積ん読」状態になっておりました。
中川八洋
『〈連合艦隊司令長官〉山本五十六の大罪
― 亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像 ― 』
(弓立社、平成20年6月)
これもまた、
中川氏の他の著作に似て、
書名が内容の一部しか表しておりません。
論点が多岐にわたるため
うまく整理しにくいのですが、
第一章では、
海軍大臣、内閣総理大臣を歴任した
米内光政の批判的検討を行い、米内の、
大東亜戦争に関する三つの「罪」をまとめています。
第二章では、
近衛文麿の情報工作員として、
「第二昭和研究会」を通じて
海軍内の赤化洗脳工作を行った、
高木惣吉の動向について検討しています。
第一・二章で取り上げられた
米内光政と高木惣吉については、
これまで特に注目して来なかったので、
先入観なく読み進めることができました。
それぞれ一書にまとめてもよい内容を
二章に凝縮してあるので、
二人の略歴等について
ある程度、基礎的な知識がないと、
難しく感じるかもしれません。
第三・四章では、
山本五十六が、連合艦隊司令官として、
その全責任を負う作戦として、
パール・ハーバー奇襲(戦果ゼロ)、
ミッドウエー海戦(大敗北)、
ガダルカナル島攻略戦(大敗北)
の三つを取り上げ、
その他の作戦も含めた、
多角的な検討を行なっています。
なお、
海軍出身者の戦後の著述に、
虚偽・捏造が多いことを指摘し、
主なものを一覧表にしてあるので、
今後の勉強にたいへん役立ちます(本書137頁)。
山本五十六についても、
あまり詳しいことは知らなかったので、
先入観なく、興味深く、読み進めることができました。
日清戦争や日露戦争と比べて、
果たして同じ国の軍隊なのだろうか、
と思うほどの、作戦の稚拙さを感じます。
これもまた、本来ならば、
一書にまとめるにふさわしい内容を
二章に凝縮してあるので、
論証過程には多少の荒っぽさが見受けられますが、
とても興味深く読むことが出来ました。
第五章では、
「特攻」作戦の批判的検討を行なっています。
戦争で使用される兵器と、
戦争で遂行される作戦は、
「生還の確率50%」が
軍隊の護るべき絶対基準であるにもかかわらず、
「生還の確率0%」を前提とした
「特攻」の兵器生産/制度化/作戦を遂行した、
海軍の責任について考察しています。
日本国に殉じた若き特攻隊員の、
偉大な勇気と自己犠牲の美徳に
最大限の感謝と慰霊の気持ちを保ちつつも、
冷酷非情な「特攻」作戦そのものは、
国家が決して選択してはならない、
非人道的な作戦であり、
その作戦を遂行した責任を追求することは、
当然のことだと思います。
議論の基本的な方向性をつかむ上で、
とても参考になりました。
第六章では、大東亜戦争という、
アジアの共産化(東亜新秩序・大東亜共栄圏)を目指し、
日本の「国益」を無視した、国家叛逆の戦争を行った結果、
「日本国という自らの祖国全土を戦火に荒廃させ、
二百五十万人(おそらく実数は三百万人)を越える
若い勇者の命を奪い、
さらに六十万人の一般邦人に死を与え、
日本を亡国の淵に追いやり、
そればかりか
固有の領土(樺太、国後・択捉・得撫島以北の千島列島)
をソ連に貢ぎ、
満州という(安全保障上/経済上の)無尽蔵の権益を
中国共産党に貢ぎ、
そればかりか
国家の栄光に輝く軍隊や
偉大なる明治憲法その他の由緒正しき制度を跡形もなく
破壊・蕩尽した。」(本書、217頁)
その責任の所在を明らかにしています。
負けた戦争を、
評価するわけにはいかない、
というのが私(栗木)の基本的な立場です。
左翼のように意図的な虚偽があるのは論外ですが、
開きなおって我々は正しかったのだ、という
民族系の立場にも違和感があります。
中川氏の一連の研究で、
ようやく今後、大東亜戦争を学ぶ上での
基本的な座標軸が得られたと思っています。
第七章では、
大東亜戦争の最終章として、
1945年8月の満州におけるソ連軍の侵略・蛮行と、
「シベリア百万人拉致・殺害・重労働・洗脳事件」
と呼ぶべき「シベリア抑留」に至る過程について、
日本側の通謀者の問題とからめつつ検討しています。
「シベリア抑留」の実数については、
2000年前後からようやく学術的な研究が行えるようになり、
阿部軍治『シベリア強制抑留の実態』(彩流社、平成17年10月)
によって、最新の成果がまとめられていることを知りました。
近くの本屋ではもう見当たらなかったのですが、
その後の成果も踏まえつつ、一般向けに書き下ろした
新刊が並んでいたので、購入しました。
阿部軍治『慟哭のシベリア抑留』(彩流社、平成22年9月)
このテーマも、
日本国民の一人として、
勉強を続けていきたいと思っています。
第八章では、
昭和前期(1925~45年)の日本が、
社会主義思想・共産主義思想に汚染されていた事実を、
出版活動の側面から分析しています。
ロシア革命の翌年、
大正7年(1918)以降の「マルクス経済学」称賛、
世界恐慌開始の翌年
昭和5年(1930)以降の「ソ連の計画経済」称賛、
の2つの大きな流れとともに、
大正14年(1925)に、ソ連と国交を回復したことによって、
ソ連は、日本に
大使館という格好の情報謀略工作基地を得、
実際これ以降、
社会主義・共産主義の翻訳書が
爆発的に大量出版されている事実には、
これほどとは思わなかったので愕然としました。
この事実は、
同じく1925年にできた治安維持法が、
社会主義思想・共産主義思想の流入を阻止する上で、
ほとんど役に立っておらず、
社会主義・共産主義の脅威から、
日本国民の自由と権利を擁護する上で、
治安維持法は、
多くの欠陥をかかえた法律であったことを指摘しています。
「米国では今も、日本の治安維持法より厳しい
『共産主義者取締法』が存在し、十全に執行されている。
英国でもドイツでも共産党は非合法である。」(本書、314頁)
との指摘はとても勉強になりました。
内容的に少し難しいと思いますが、
『近衛文麿とルーズヴェルト―大東亜戦争の真実』
(PHP研究所、平成7年8月)
と並んで、必読の1冊です。
2012年1月25日水曜日
【読了】岡崎久彦 『小村寿太郎とその時代』
岡崎久彦さんの外交5部作のうち
第2部『小村寿太郎とその時代』を読み終わりました。
年末年始に
他にもいろいろ読み始めたため、
ひと月半ほどかかりました。
岡崎久彦『小村寿太郎とその時代』
(PHP文庫、平成15年5月。初出は平成10年11月)
小村寿太郎の評伝を軸足に、
日清戦争後の世界の状況から、
日英同盟の締結、日露戦争の推移、
そして韓国併合へと至る歴史的な背景を、
ていねいにわかりやすく描いてあり、
たいへん勉強になりました。
歴史を叙述すること、
それも出来るだけわかりやすく語ることは、
本当に実力のある方でなければ難しいことです。
中高生の歴史教科書の副読本としても
秀逸な内容だと思いました。
小村外交の功罪についても、
バランスよく記述されています。
日露戦争を勝利するために、
小村が果たした功績の大きさは、
絶大なものがあったわけですが、
それだけに、
日露戦争の勝利後、
米国との間によい協調関係を築く機会が
何度もあったにもかかわらず、
小村自らそれを放棄していたことは、
たいへん残念でなりません。
その後の、東アジア一体が
共産主義化してしまった状況を目のあたりにすれば、
日本の判断しだいで、
満州をはさんで、
アメリカ(+イギリス)と強調しつつ、
ロシアに対峙する体制が築けていた可能性があることは、
今後への反省点として、
よく知っておく必要があるでしょう。
時期的に、
そこまで先を見越した判断ができないのは
責められるべきことではありませんが、
ここで明らかに道を誤っていることは、
知っておくべきことだと思いました。
それでは、次へと進みましょう。
第2部『小村寿太郎とその時代』を読み終わりました。
年末年始に
他にもいろいろ読み始めたため、
ひと月半ほどかかりました。
岡崎久彦『小村寿太郎とその時代』
(PHP文庫、平成15年5月。初出は平成10年11月)
小村寿太郎の評伝を軸足に、
日清戦争後の世界の状況から、
日英同盟の締結、日露戦争の推移、
そして韓国併合へと至る歴史的な背景を、
ていねいにわかりやすく描いてあり、
たいへん勉強になりました。
歴史を叙述すること、
それも出来るだけわかりやすく語ることは、
本当に実力のある方でなければ難しいことです。
中高生の歴史教科書の副読本としても
秀逸な内容だと思いました。
小村外交の功罪についても、
バランスよく記述されています。
日露戦争を勝利するために、
小村が果たした功績の大きさは、
絶大なものがあったわけですが、
それだけに、
日露戦争の勝利後、
米国との間によい協調関係を築く機会が
何度もあったにもかかわらず、
小村自らそれを放棄していたことは、
たいへん残念でなりません。
その後の、東アジア一体が
共産主義化してしまった状況を目のあたりにすれば、
日本の判断しだいで、
満州をはさんで、
アメリカ(+イギリス)と強調しつつ、
ロシアに対峙する体制が築けていた可能性があることは、
今後への反省点として、
よく知っておく必要があるでしょう。
時期的に、
そこまで先を見越した判断ができないのは
責められるべきことではありませんが、
ここで明らかに道を誤っていることは、
知っておくべきことだと思いました。
それでは、次へと進みましょう。
【読了】與謝野晶子 『全訳 源氏物語 二』
紫式部 著/與謝野晶子 訳
『全訳 源氏物語 二 新装版』
(角川文庫、平成20年4月)
※「須磨(すま)」「明石(あかし)」
「澪標(みおつくし)」「蓬生(よもぎう)」
「関屋(せきや)」「絵合(えあわせ)」
「松風(まつかぜ)」「薄雲(うすぐも)」
「朝顔(あさがお)」「乙女(おとめ)」
「玉鬘(たまかずら)」「初音(はつね)」
「胡蝶(こちょう)」を13帖を収録。
第1巻から1月少々かけて、
第2巻を読み終わりました。
掲載のカバーは、
最近の映画の宣伝のためか、
興ざめなものに変わっていますが、
もともとは第1巻と同じような、
和装の、花をあしらった、落ちついた雰囲気の
センスの良いものでした。
映画が一段落したら、
またもとのカバーに戻していただきたいです。
左遷時代が終わったころからは、
まだそれほどあらすじが頭に入っていない所もあるので、
読みながら、ああ、そういえばこんな話もあったな、
と思い出しつつ、
與謝野氏の読みやすい訳文のおかげもあって、
楽しむことができました。
それにしても、
よくこれだけ複雑に入り組みながら、
読者を飽きさせない小説を書けたものだなあ、
と紫式部の筆力の高さにも感心します。
では早速、
第3巻へと進みましょう。
2012年1月12日木曜日
【読了】Herman Melville, Billy Budd(MMR Beginner)
今年はじめの
やさしい英語の本、
MMRのシリーズ13冊目は、
『白鯨』(1851)で有名な
アメリカの作家 ハーマン・メルヴィル
(1819-8/1生 1891-9/28没)の遺作
『ビリー・バッド』(1924)を読みました。
Herman Merville
Billy Budd
Retold by Margaret Tarner
(Macnillan Readers Beginner Lever)
1999年刊(7,424語)
『白鯨』という小説の名は知っていましたが、
ハーマン・メルヴィルという作家の名は、
今回はじめて知りました。
『ビリー・バッド』という小説も
これまで知りませんでした。
18世紀末、
イギリス海軍の軍艦に強制徴募された
水兵 ビリー・バッドをめぐるお話しです。
ハッピー・エンドとは真逆の話で、
あまり好みの内容ではありませんが、
不思議な魅力のある、印象的な小説でした。
日本語訳は、
坂下昇 訳(岩波文庫、昭和51年1月)
留守晴夫 訳(圭書房、平成21年8月)
の2つが出ています。
変わった作家だな、という印象ですが、
何かしら読ませる力を持っているように感じました。
この機会に
ぜひ『白鯨』を読んでみよう、
と思いました。
※計13冊 105,195語。
やさしい英語の本、
MMRのシリーズ13冊目は、
『白鯨』(1851)で有名な
アメリカの作家 ハーマン・メルヴィル
(1819-8/1生 1891-9/28没)の遺作
『ビリー・バッド』(1924)を読みました。
Herman Merville
Billy Budd
Retold by Margaret Tarner
(Macnillan Readers Beginner Lever)
1999年刊(7,424語)
『白鯨』という小説の名は知っていましたが、
ハーマン・メルヴィルという作家の名は、
今回はじめて知りました。
『ビリー・バッド』という小説も
これまで知りませんでした。
18世紀末、
イギリス海軍の軍艦に強制徴募された
水兵 ビリー・バッドをめぐるお話しです。
ハッピー・エンドとは真逆の話で、
あまり好みの内容ではありませんが、
不思議な魅力のある、印象的な小説でした。
日本語訳は、
坂下昇 訳(岩波文庫、昭和51年1月)
留守晴夫 訳(圭書房、平成21年8月)
の2つが出ています。
変わった作家だな、という印象ですが、
何かしら読ませる力を持っているように感じました。
この機会に
ぜひ『白鯨』を読んでみよう、
と思いました。
※計13冊 105,195語。
2012年1月8日日曜日
【読了】シェイクスピア著/福田恆存訳 『ハムレット』
年末年始にかけて、
福田恆存さんの訳で、
シェイクスピア『ハムレット』を読みました。
恥ずかしながら、人生初のシェイクスピアです。
ウィリアム・シェイクスピア著/福田恆存 訳
『ハムレット』(新潮文庫、昭和42年9月。平成22年10月改版)
※福田訳の初出は昭和34年10月。
シェイクスピアを読みたいな、
と思いはじめたのは、ここ数年のことです。
名前はよく知っておりましたが、
演劇にはあまり興味がなかったこともあって、
手に取ることもないまま、今に至りました。
福田恆存さんの訳は、
はじめのころ一度手にとって、
言い回しが難しそうで敬遠していたのですが、
他の方々の訳本を少しずつかじった後、
再び福田訳を手にとってみると、
不思議と今の私に馴染んでくる所がありました。
歯切れのよいリズムに支えられた
美しく格調高い日本語で、
読み応えのある文学作品として仕上げられており、
繰り返し読むにたる、深さを感じられる翻訳でした。
『ハムレット』を選んだのは偶然ですが、
この人心の闇、複雑さに
なぜかしら惹かれる私がいました。
この機会に、
シェイクスピアの四大悲劇
『ハムレット』『マクベス』『オセロー』『リア王』
を制覇してみようと思っております。
福田恆存さんの訳で、
シェイクスピア『ハムレット』を読みました。
恥ずかしながら、人生初のシェイクスピアです。
ウィリアム・シェイクスピア著/福田恆存 訳
『ハムレット』(新潮文庫、昭和42年9月。平成22年10月改版)
※福田訳の初出は昭和34年10月。
シェイクスピアを読みたいな、
と思いはじめたのは、ここ数年のことです。
名前はよく知っておりましたが、
演劇にはあまり興味がなかったこともあって、
手に取ることもないまま、今に至りました。
福田恆存さんの訳は、
はじめのころ一度手にとって、
言い回しが難しそうで敬遠していたのですが、
他の方々の訳本を少しずつかじった後、
再び福田訳を手にとってみると、
不思議と今の私に馴染んでくる所がありました。
歯切れのよいリズムに支えられた
美しく格調高い日本語で、
読み応えのある文学作品として仕上げられており、
繰り返し読むにたる、深さを感じられる翻訳でした。
『ハムレット』を選んだのは偶然ですが、
この人心の闇、複雑さに
なぜかしら惹かれる私がいました。
この機会に、
シェイクスピアの四大悲劇
『ハムレット』『マクベス』『オセロー』『リア王』
を制覇してみようと思っております。
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