2013年1月30日水曜日

【読了】浜田宏一著 『アメリカは日本経済の復活を知っている』

安倍自民党総裁が、昨年の12月、
インフレターゲットの導入に向けた議論を提起されたときに、その名をあげられたのが、

浜田宏一氏(1936.1- )でした。

さて誰かしらと思っていたところ、
最新刊が話題になっていることを知り、
拝読させていただきました。


浜田宏一 著
『アメリカは日本経済の復活を知っている』
(講談社、平成25年1月)

不勉強で、
まったく存じあげていなかったので、
経歴をたどると、


東京大学法学部を卒業(1958)後、
改めて東京大学経済学部を卒業(1960)し、
東京大学で経済学修士(1962)を取得。

その後アメリカ合衆国のイェール大学に留学し、
経済学修士(1964)と経済学博士(1965)を取得。

大学教員として、
 東京大学経済学部助教授(1969)、
 東京大学経済学部教授(1981)、
 イェール大学経済学部教授(1986)
を勤められ、
 東京大学とイェール大学の名誉教授
でもあるそうです。


小泉内閣でも
2001年から2003年にかけて、
 内閣府経済社会総合研究所長
を務められていたそうなので、

私が不勉強なだけなんだなと思っていたところ、
そのまま今回の第二次安倍内閣で、
内閣官房参与に就任されました。

第二次安倍内閣の金融政策のブレーンと言って良いようです。


こうした飛び切りの頭脳の持ち主は、

当たり障りのない、角の立たない、
面白みに欠ける文章を書かれることも多いのですが、

全く逆の、
歯に衣着せぬ性分のようで、
こんなに書いてしまっていいのかしら、
と思わせるくらい爽快な文章で、

思いのほか楽しませていただきました。


ずぶの素人なので、
内容にコメントできるほどの能力はありませんが、

金融政策が万能でないのは当然のこととして、
経済学の最新の学術成果によれば、もっとできることがあるはずですよ、
という主張はよく理解できました。

安倍内閣の金融政策について、
その方向性を大まかに知ろうとしたときに、
一番の啓蒙書となるように思いました。


豊富な人物名が挙げられているのもありがたく、

岩田規久男氏の一般向けの著書はこれまで注目して来なかったので、ぜひ読もうと思っております。

2013年1月27日日曜日

【読了】Lewis Carrol, Alice in Wonderland(PR Level2)

やさしい英語の本、通算38冊目、
Penguin Readers Level2の2冊目、

イギリスの作家
ルイス・キャロル(1832.1-1898.1)の
『不思議の国のアリス』を読みました。

33歳のとき(1865.7)に出版された作品です。


Lewis Carrol
Alice in Wonderland

Retold by Mary Tomalin
(Penguin Readers Level2)
2008年刊(7,693語)


先日、
芹生一氏の翻訳で読んでいたおかげで、
楽しんで読了することができました。


たいへん不可思議な、
しかし知的好奇心をほどよく刺激される、
独特の面白さを味わうことができました。

こういうへんてこりんな、
しかしどこかいい感じのお話は、
本来あるべき常識が、頭の中でしっかり定まっている人でないと書けないはずなので、

イギリス文学ならではの世界なのかもしれません。


高校1年生くらいなら、
すらすら読めるレベルだと思いますが、

変わった内容なので、
あらすじをまったく知らなかったら、
読むのに苦労するかもしれません。

これはいずれ、
原著でも楽しめるようになりたいなあ
と思いました。


翻訳は今のところ、
芹生一氏の偕成社文庫が一押しです。


日本語で、
どこもよくわかるように訳してある、といえば、
当然のことのように言われるかもしれませんが、

よほど訳しにくいのか、
『不思議の国のアリス』は、
最新の訳でもわかりにくいことが多いです。


※計38冊 計308,117語。

2013年1月26日土曜日

【読了】ユゴー著 『レ・ミゼラブル(一)』(佐藤朔訳)

フランスの小説家
ヴィクトル・ユゴー(1802.2-1885.5)の
長編小説『レ・ミゼラブル』を全訳で読み始めました。

43歳のとき(1845年)から17年かけて執筆され、
60歳のとき(1862年)に出版された作品です。


 ヴィクトル・ユゴー著/佐藤朔 訳
『レ・ミゼラブル(一)』
(新潮文庫、昭和42年5月。改版、平成24年11月)

 ※第一部 ファンチーヌ
   第一章 正しい人(6頁)
   第二章 転落(112頁)
   第三章 一八一七年に(217頁)
   第四章 委託は譲渡となることがある(274頁)
   第五章 堕落(299頁)
   第六章 ジャベール(376頁)
   第七章 シャンマチウ事件(400頁)
   第八章 反撃(532頁)

先月に、塚原亮一氏が1冊に編訳された
講談社青い鳥文庫本を読み終えたばかりだったので、
しばらく読むつもりはありませんでした。

しかし佐藤朔氏が全訳された新潮文庫本が、
寺坂耕一氏の印象的な表紙に装いを新たにし、
活字も大きくして再販されましたので、
手にとって少し読んでみました。


すると他のどの全訳よりもテンポが良く、
スラスラ読み進められることがわかりましたので、
そのまま一気に、まず1冊目を読み終えました。


フランス語の原文をどのくらい尊重してあるのか、
私にはとても判断できませんんが、

文章のリズムによく気を配ってあって、
日本語の小説として、違和感なく楽しむことができました。


作品の内容も、1冊本で
あらすじが頭に入っていたからかもしれませんが、

間延びすることもなく、
むしろかゆいところに手が届く感じで、

どんどん先へ先へと展開が気になって、
久しぶりに小説を読む醍醐味を味わえました。


これだけ読ませる小説の書き手だったとは、
もっと若いころに知っておきたかったなあと、
心から思いました。

人が生きることについて、
そのむつかしさ、やるせなさ、不運をかかえながら、
どう前向きに生きるのか、

いろいろと深く考えさせられる小説です。


週末に、第2巻を買いに行きましょう。


※Wikipediaの「ヴィクトル・ユーゴー」「レ・ミゼラブル」を参照。

2013年1月24日木曜日

【読了】夏目漱石 『琴のそら音』(明治38年)

夏目漱石(慶応3〔1867〕-大正5〔1916〕)の5作目は、
短編小説「琴のそら音」を読みました。

漱石全集〈第2巻〉短篇小説集 (1966年)

夏目漱石「琴のそら音 ― 明治三八、五、一」
(『漱石全集 第二巻 短篇小説集』岩波書店、昭和41年1月)

「琴のそら音」は、
文芸同人雑誌『七人』第2巻第2号(明治38年〔1905〕6月)に発表され、

漱石初の短編集『漾虚集(ようきょしゅう)』
(大倉書店・服部書店、明治39年5月刊)に収録されました。

『吾輩は猫である』と
ほぼ同時期、30代後半に書かれた作品です。


美文調に飾り立てることのない
あっさりとした出だしで、

はじめはさほど惹きつけられなかったので、
一日に数ページずつ読み進めていきました。

半ばにさしかかるあたりから惹き込まれ、
手に汗握りながら、一気に読み終えていました。


『吾輩は猫である』のような
他愛もない日常会話が続くのかと思いきや、

幽霊話でどきりとさせられながら、
婚約者も登場して、男女間の微妙な感情のあやも織り交ぜて、

意外に読ませる内容でした。

最後にほんわか暖かい気分にもさせられて、
これはそれなりに読んでよかったと思える作品でした。


漱石の全集を読みはじめて、
十分に満足できた最初の作品となりました。



※雑誌『七人』については、
 早稲田大学図書館編『精選近代文芸雑誌集』の
 ホームページ上の解説を参照しました。
 【http://www.yushodo.co.jp/micro/kensaku/zassi/zassi-mok2.html】

2013年1月17日木曜日

【読了】Louisa May Alcott, Little Women (PAR Level1)

やさしい英語の本、通算37冊目、
Penguin Active Reading Level1 の1冊目、

アメリカの小説家
ルイーザ・メイ・オルコット(1832.11-1888.3)の
『若草物語』を読みました。

オルコットが36歳のとき(1868年)の作品です。


Louisa May Alcott
Little Women

Retold by M.Albers
(Penguin Active Reading Level1)
2007年刊(3,552語)


『若草物語』は、
一昨年(2011)の10月にも、
Macmillan Readers の Beginner Level
で読んでいたので、2度目の挑戦になります。

ただし、
前回は7092語でまとめてあったのに対して、
今回はその半分くらい3552語でまとめてあるので、

簡単に、あっさりと読み終えることができました。
恐らくふつうの中3生が楽しんで読めるレベルだと思います。


古きアメリカの、
暖かい家庭的な雰囲気を味わえる小説なので、

ぜひ翻訳でも読みたいと思っていますが、
なかなかしっくり来る翻訳が見当たらず、
まだ読んでおりません。

奇想天外なお話が
次々と展開していくわけではないので、
単調さを感じやすく、

全訳で読ませるには、
訳文に相当な魅力がないと、
むつかしい気がしました。


そんな中、
『赤毛のアン』の翻訳で魅了された、
掛川恭子さんの全訳が出ていることに気がつき、
手に入れてみたところ、

なかなか良い感じで、
楽しんで読み通せそうです。

読み終えたら、また報告します。

若草物語 (講談社文庫)

掛川恭子 訳『若草物語』
(講談社文庫、平成5年8月。
 初出、学研世界名作シリーズ、昭和54年10月)

 掛川恭子 訳『続 若草物語』
 (講談社文庫、平成7年6月)


そのほか編訳版では、植松佐知子氏のは、
わかりやすい日本語で好感が持てました。



植松佐知子 編訳『若草物語 四姉妹とすてきな贈り物』
(集英社みらい文庫、平成24年4月。
 初出、集英社〔少年少女世界名作の森〕平成2年1月)


ほかの翻訳も、
取り急ぎ調べられた分だけ掲げておきます。

松井里弥 訳『若草物語』
(ヴィレッジブックス、平成24年3月)

片岡しのぶ 訳『若草物語』
(あすなろ書房〔名作再発見シリーズ 上下2冊〕平成12年9月)

安藤一郎 訳『若草物語』
(偕成社文庫〔上下2冊〕昭和62年3月。
 再録、河出書房新社〔世界文学の玉手箱〕平成6年10月)

矢川澄子 訳『若草物語』
(福音館文庫、平成16年6月。
 初出、福音館書店〔単行本〕昭和60年2月)

中山知子 訳『若草物語』
(講談社青い鳥文庫、新装版、平成21年3月。
 初出、講談社青い鳥文庫、昭和60年7月。
 再録、講談社 少年少女世界文学館、昭和62年1月。
 再録、講談社文庫、昭和62年2月。
 再録、講談社 21世紀版少年少女世界文学館、平成22年12月)

 谷口由美子 訳『若草物語2 夢のお城』
 (講談社青い鳥文庫、新装版、平成22年6月。
  初版、平成9年8月、原題『続・若草物語』)

 谷口由美子 訳『若草物語3 ジョーの魔法』
 (講談社青い鳥文庫、新装版、平成23年3月。
  初版、平成5年6月、原題『若草物語 プラムフィールドの子どもたち』)

 谷口由美子 訳『若草物語4 それぞれの赤い糸』
 (講談社青い鳥文庫、新装版、平成23年10月。
  初版、平成7年9月、原題『若草物語 プラムフィールドの青春』)

谷口由美子 編訳『若草物語』
(集英社〔子どものための世界文学の森〕平成6年3月。
 初出、集英社〔子どものための世界名作文学〕昭和53年11月)

吉田勝江 訳『若草物語』
(角川文庫、改版、平成20年11月。
 初版、昭和25年5月。
 改版、昭和43年3月。
 改版〔上下2冊〕昭和61年11月)

 吉田勝江 訳『続 若草物語』
 (角川文庫、改版、平成20年11月。
  初版、昭和27年2月。
  改版、昭和43年3月。
  改版〔上下2冊〕昭和62年2月)

 吉田勝江 訳『第三 若草物語』
 (角川文庫、改版、平成20年12月。
  初版、昭和36年5月)

 吉田勝江 訳『第四 若草物語』
 (角川文庫、改版、平成20年12月。
  初版、昭和38年10月)

松本恵子 訳『若草物語』
(新潮文庫、改版、昭和61年12月。
 初版〔上下2冊〕昭和14年、原題『四人姉妹』
 改版〔上下2冊〕昭和26年9・10月、改題『若草物語』)


小林みき 編訳『若草物語』
(ポプラポケット文庫、平成18年6月)

宮脇紀雄 編訳『若草物語』
(ポプラ社文庫、昭和54年10月)

蕗沢忠枝 編訳『続 若草物語』
(ポプラ社文庫、平成4年12月)

蕗沢忠枝 編訳『第三 若草物語』
(ポプラ社文庫、平成5年3月)


※計37冊 計300,424語。

2013年1月16日水曜日

【読了】江戸川乱歩 『少年探偵 少年探偵団』


江戸川乱歩 著 『少年探偵 少年探偵団』
(ポプラ文庫、平成20年11月
 初出、『少年倶楽部』昭和12年1~12月。
 単行本の初出、
 ポプラ社〔少年倶楽部 江戸川乱歩全集〕昭和39年8月。
 再録、ポプラ社文庫、昭和51年11月。
 再録、ポプラ社〔新 少年探偵〕平成10年10月。
 再録、ポプラ社〔文庫版 少年探偵〕平成17年2月)

 ※書誌は Wikipedia の「江戸川乱歩」の項目と、
  ポプラ社のホームページを参照しました。

江戸川乱歩(1894.10-1965.7)さんの
少年探偵シリーズ第2作目『少年探偵』を読みました。

乱歩43歳のときの作品です。


思いのほか楽しめた前作と比べると、
多少展開に苦慮しているような感もあり、

インド人への蔑視も不愉快で、
お世辞にも傑作だとは思えませんでした。


続編を求められるとは思わなかったところが、
予想外にヒットしたため、

色々と試行錯誤して書き上げた作品のように感じました。


でもそんな細かいことを気にせずに、
少年時代にもどった懐かしい気持ちで、

わくわくどきどき楽しむのが、
恐らく正解なのでしょう。


ところどころ、
なんか変だなと思いつつも、
あっという間に最後まで読み終えていたことも確かです、

一昔前の
日本語の美しさを味わえるのも、
乱歩ならではでしょう。


次回作はきっと、
嬉しい驚きを味わえるはずと思って、
次へと進みます。

2013年1月14日月曜日

【読了】ディケンズ 『クリスマス・キャロル』(木村由利子 訳)

イギリスの作家
チャールズ・ディケンズ
(Charles Dichens 1812.2-1870.6)の
『クリスマス・キャロル(A Christmas Carol)』を読みました。

ディケンズ30歳のときの作品(1843.12 出版)です。


木村由利子 訳
『新訳 クリスマス・キャロル』
(集英社みらい文庫、平成23年11月)

ちょうど1年くらい前に、

やさしい英語の本
(Macmillan Readers の Elementary Level)
で初めて読み、

深い感銘を覚え、
近々翻訳をと思っておりました。

ただいくつか手にとってみると、
原文に独特の癖があるのか、

すんなり読み通せる翻訳は、
ほとんどありませんでした。

その中で、
ごく最近の木村由利子氏の訳は、

言い回しを多少やさしくしているものの、
ストーリーの省略はなく、

日本語の小説として、
楽しんで読み終えることができました。


もう一つ、
池央耿(いけひろあき)氏の翻訳は、

子どもが読むには難しそうですが、
大人が読むにふさわしい、こだわりのある、
良く練られた日本語に仕上がっていると思いましたが、
まだ読み終えていません。



池央耿(いけひろあき)訳
(光文社古典新訳文庫、平成18年11月)


その他、翻訳を調べた分掲げておきます。

清水奈緒子 訳
(ポプラポケット文庫、平成17年11月。
 ポプラ社〔世界の名作文庫〕平成15年11月)

脇明子 訳
(岩波少年文庫、平成13年12月。
 岩波書店〔愛蔵版〕平成21年10月に再録)

伊藤広里 訳
(近代文芸社、平成8年12月)

もきかずこ 訳/ロベルト・インノチェンティ 絵
(西村書店、平成3年12月)

夏目道子 訳
(金の星社〔フォア文庫〕平成3年11月。
 初出、金の星社〔世界の名作ライブラリー〕平成元年12月)

吉田新一 訳/リスベート・ツヴェルガ― 絵
(太平社、平成元年12月)

小池滋 訳
(新書館、昭和60年11月)

こだまともこ 訳
(講談社青い鳥文庫〔新装版〕平成19年11月)
 初出、講談社青い鳥文庫〔旧版〕昭和59年11月。
 再録、講談社〔少年少女世界文学館〕昭和62年11月。
 再録、講談社〔21世界版少年少女世界文学館〕平成22年11月)

八木田宜子 訳
(集英社〔少年少女世界名作の森〕平成元年11月。
 初出、集英社〔少年少女世界の名作〕昭和57年11月)

中川敏 訳
(集英社文庫、平成3年11月。
 初出、集英社〔世界文学全集15〕昭和50年10月)

村山英太郎 訳
(岩波少年文庫、昭和42年12月)

村岡花子 訳
(新潮文庫〔新装版〕平成23年12月。
 初出、新潮文庫〔旧版〕は昭和27年11月。
 再録、河出書房新社〔世界文学の玉手箱〕平成6年12月)


英語のリトールド版も
まだほかにも出ているようなので、
近々読もうと思っております。

2013年1月10日木曜日

【読了】ルイス・キャロル著 『ふしぎの国のアリス』(芹生一訳)

イギリスの作家
ルイス・キャロル
(Lewis Carroll 1832.1-1898.1)

ファンタジーの傑作
『不思議の国のアリス』
(Alice's Adventures in Wonderland)を読みました。

33歳のとき(1865.7)に出版された作品です。


ルイス・キャロル著/芹生一 訳
『ふしぎの国のアリス』
(偕成社文庫、昭和54年12月)

ファンタジーに興味がなかったので、
これまで読まないできたのですが、

リトールド版でも読めることを知り、

英語で読む前に、
先に翻訳で読んでおこうと思い立ちました。


よほど翻訳意欲をかき立てられる作品なのか、
工夫をこらした翻訳がたくさん出ているのですが、

工夫し過ぎて、
日本語として違和感があるものが少なくありませんでした。


いくつか手当たり次第に読んでみた中で、

一番クセのない日本語で、
物語がすんなり理解できたのは、

芹生一(せりうはじめ)氏の翻訳でした。


洒落というか、
冗談というか、
常識とズレた世界のオンパレードなので、

子どもが読んでも
それなりに楽しめると思いますが、

大人になってからのほうが、
次々とくり広げられる「常識とのズレ」を、
より一層楽しめるように感じました。


翻訳はたくさん出ているので、
他にも楽しめるものが見つかったら、
また報告します。

網羅していませんが、
翻訳をひと通り挙げておきます。

まずは『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の二つとも翻訳が出ている方から


河合祥一郎 訳
『不思議の国のアリス』
(角川文庫、平成22年2月)


河合祥一郎 訳/okama 絵
『新訳 ふしぎの国のアリス』
(角川つばさ文庫、平成22年3月)

 ・河合祥一郎 訳
  『鏡の国のアリス』
  (角川文庫、平成22年2月)

 ・河合祥一郎 訳/okama 絵
  『新訳 かがみの国のアリス』
  (角川つばさ文庫、平成22年8月)


久美里美 訳/ヤン・シュヴァンクマイエル 絵
『不思議の国のアリス』
(国書刊行会、平成23年2月。
 初出はエスクアイア・マガジン・ジャパン、平成18年11月)

 ・久美里美 訳/ヤン・シュヴァンクマイエル絵
  『鏡の国のアリス』
  (国書刊行会、平成23年2月。
   初出はエスクアイア・マガジン・ジャパン、平成18年12月)


山形浩生 訳/カズモトトモミ 絵
『不思議の国のアリス』
(文春文庫、平成24年1月。
 初出は朝日出版社〔スソアキコ 絵〕平成15年5月)

 ・山形浩生 訳/スソアキコ 絵
  『鏡の国のアリス』
  (朝日出版社、平成17年3月)


脇明子 訳
『不思議の国のアリス』
(岩波少年文庫、平成12年6月。
 初出は岩波書店〔愛蔵版〕平成10年11月)

 ・脇明子 訳
  『鏡の国のアリス』
  (岩波少年文庫、平成12年11月。
   初出は岩波書店〔愛蔵版〕平成10年11月)


矢川澄子 訳/金子国義 絵
『不思議の国のアリス』
(新潮文庫、平成6年3月。
 初出は新潮社〔ドゥシャン・カーライ 絵〕平成2年2月)

 ・矢川澄子 訳/金子國義 絵
  『鏡の国のアリス』
  (新潮文庫、平成6年9月。
   初出は新潮社〔ドゥシャン・カーライ 絵〕平成3年1月)


北村太郎 訳
『ふしぎの国のアリス』
(集英社文庫、平成4年3月。
 初出は王国社、昭和62年2月。
 王国社〔海外ライブラリー〕平成8年3月に再録)

 ・北村太郎 訳
  『鏡の国のアリス』
  (王国社、平成2年2月。
   王国社〔海外ライブラリー〕平成9年12月に再録)


中山知子 訳/ジョン・テニエル 絵
『ふしぎの国のアリス』
(岩崎書店 フォア文庫、昭和61年7月)

 ・中山知子 訳/ジョン・テニエル 絵
  『鏡の国のアリス』
  (岩崎書店 フォア文庫、平成4年5月)


石川澄子 訳/ジョン・テニエル 絵
『不思議の国のアリス』
(東京図書〔カラー版〕平成1年5月)

石川澄子 訳/マルティン・ガードナー 注
『不思議の国のアリス』
(東京図書、昭和55年1月)

 ・石川澄子 訳/ジョン・テニエル 絵
  『鏡の国のアリス』
  (東京図書〔カラー版〕平成1年5月)


柳瀬尚紀 訳
『不思議の国のアリス』
(ちくま文庫、昭和62年12月)

柳瀬尚紀 訳/若菜等 絵
『不思議の国のアリス』
(集英社〔少年少女名作の森〕平成2年8月)

 ・柳瀬尚紀 訳
  『鏡の国のアリス』
  (ちくま文庫、昭和63年1月)


高杉一郎 訳/山本容子 絵
『ふしぎの国のアリス』
(講談社青い鳥文庫、新装版、平成20年5月。
 講談社青い鳥文庫〔ジョン・テニエル 絵〕昭和61年8月。
 初出は講談社文庫、昭和58年9月)

 ・高杉一郎 訳/山本容子 絵
  『鏡の国のアリス』
  (講談社青い鳥文庫、新装版、平成22年4月)
   講談社青い鳥文庫〔ジョン・テニエル 絵〕平成6年4月。
   初出は講談社文庫、昭和63年8月)


芹生一 訳
『ふしぎの国のアリス』
(偕成社文庫、昭和54年12月)

 ・芹生一 訳
  『かがみの国のアリス』
  (偕成社文庫、昭和55年11月)


多田幸蔵 訳
『不思議の国のアリス』
(旺文社文庫、昭和50年1月)

 ・多田幸蔵 訳
  『鏡の国のアリス』
  (旺文社文庫、昭和50年1月)


生野幸吉 訳/ジョン・テニエル 絵
『ふしぎの国のアリス』
(福音館文庫、平成16年6月。
 初出は福音館書店〔単行本〕昭和46年7月)

 ・生野幸吉 訳/ジョン・テニエル 絵
  『鏡の国のアリス』
  (福音館文庫、平成17年10月。
   初出は福音館書店〔単行本〕昭和47年4月)



次に『不思議の国のアリス』のみ出している方を

村山由佳 訳/トーベ・ヤンソン 絵
『不思議の国のアリス』
(メディアファクトリー、平成18年3月)

高橋康也・高橋迪 訳/アーサー・ラッカム 絵
『不思議の国のアリス』
(新書館〔新装版〕平成17年12月。
 初出は新書館〔旧版〕昭和60年9月。
 河出文庫、昭和63年10月に再録)

酒寄進一 訳/ユーリア・グコーヴァ 絵
『不思議の国のアリス』
(西村書店、平成7年5月)

吉田健一 訳
『不思議の国のアリス』
(河出書房新社〔世界文学の玉手箱〕平成5年1月)

高橋宏 訳
『不思議の国のアリス・オリジナル』
(書籍情報社、新装版、平成14年12月。初出は平成3年)

楠悦郎 訳/作場知生 絵
『不思議の国のアリス』
(新樹社、昭和62年8月)

田中俊夫 訳/ジョン・テニエル 絵
『ふしぎの国のアリス』
(岩波少年文庫、改版、昭和60年)

蕗沢忠枝 訳
『ふしぎの国のアリス』
(ポプラポケット文庫、平成17年10月。
 初出はポプラ社文庫〔中島潔 絵〕昭和57年10月)

福島正実 訳
『不思議の国のアリス』
(角川文庫クラシックス、昭和55年8月)

岡田忠軒 訳
『不思議の国のアリス』
(角川文庫、昭和34年10月)


まだ目を通していないものがほとんどです。

その中で、
河合祥一郎氏の訳(角川文庫)は、
創意工夫をこらしながら、
それなりに読みやすいものでした。

同じ河合氏の角川みらい文庫版は、
新しい挿絵がたいへん魅力的でした。

もともとのジョン・テニエルの挿絵も、
大人になって眺めれば、独特の味わいがあるのですが、

子どものときは、
不気味でへんてこりんな絵だと思い、
『不思議の国のアリス』を遠ざける一因となりました。

角川みらい文庫の訳文は、
角川文庫のをほんの少しやさしくしていて、
すんなり読めるレベルです。

ただし、
芹生一氏の訳文と比べれば、
日本語としてほんの少しつながりが悪いところもありました。