やさしい英語の本、通算58冊目、
Oxfprd Bookworms の Stage1の14冊目は、
フランスの小説家
ヴィクトル・ユーゴー(1802.2-1885.5)が執筆した
小説『レ・ミゼラブル』を読みました。
Victor Hugo
Les Misérables
Retold by Jennifer Bassett
(Oxford Bookworms Stage1)
(C) Oxford University Press 2012
First published 2012
7,302語
『レ・ミゼラブル』は、
佐藤朔(さとうさく)訳の新潮文庫で、
全訳を読み終えたところですが、
改めてやさしい英語版でも読んでみました。
重要なあらすじは押さえつつ、
やさしい英語でわかりやすくまとめてありますので、
高1くらいの英語力があれば、
ふつうに読了できると思います。
初『レ・ミゼラブル』だった場合、
これだけで感動するかは微妙なところがありますが、
どんなお話かはよくわかると思います。
完訳では、日本語の文章として歯切れの良い
佐藤朔(さとうさく)訳〔新潮文庫〕がオススメです。
1冊本では、
塚原亮一(つかはらりょういち)編訳〔講談社青い鳥文庫〕が
手短によくまとまっていて手っ取り早く楽しめますが、
もと5冊のを圧縮し過ぎている感もあります。
まだ読んでいませんが、次に読む時は、2冊本の
豊島与志雄(とよしまよしお)編訳〔岩波少年文庫〕に
挑戦しようと思っています。
※通算58冊目。計471,357語。
※Wikipedia の「ヴィクトル・ユーゴー」「レ・ミゼラブル」を参照。
2013年11月30日土曜日
【読了】吉川英治 著『宮本武蔵(七)』〔新潮文庫〕
吉川英治(明治25年〔1892〕8月~昭和37年〔1962〕9月)が、
43歳の時(昭和12年〔1935〕)から4年かけて執筆した
小説『宮本武蔵』の第7巻を読み終えました。
第6巻の読了からふた月ほどかかりました。
吉川英治 著
『宮本武蔵(七)』
〔新潮文庫、平成25年8月〕
※全編の初出は
『朝日新聞』昭和10年(1935)8月23日から
昭和14年(1939)7月11日まで。
全8巻なので、
あと1冊を残すのみとなったわけですが、
話しの内容も、
何となく終わりを意識して、
話題の回収に向かっているように感じられました。
手に汗握るほどではないのですが、
間延びするでもなく、それなりに楽しみながら、
1巻読み終えておりました。
ここからどのように終結に向かうのか興味深いです。
全体を読んで来て、
吉川英治が40代半ばに至るまでの心の葛藤が、
作品に反映されているようにも感じられるので、
40を過ぎたばかりの私には、
ちょうど等身大の作品として共感できるところが多くあるようです。
それではあと1冊、
じっくり楽しみたいと思います。
※Wikipediaの「宮本武蔵(小説)」を参照。
43歳の時(昭和12年〔1935〕)から4年かけて執筆した
小説『宮本武蔵』の第7巻を読み終えました。
第6巻の読了からふた月ほどかかりました。
吉川英治 著
『宮本武蔵(七)』
〔新潮文庫、平成25年8月〕
※全編の初出は
『朝日新聞』昭和10年(1935)8月23日から
昭和14年(1939)7月11日まで。
全8巻なので、
あと1冊を残すのみとなったわけですが、
話しの内容も、
何となく終わりを意識して、
話題の回収に向かっているように感じられました。
手に汗握るほどではないのですが、
間延びするでもなく、それなりに楽しみながら、
1巻読み終えておりました。
ここからどのように終結に向かうのか興味深いです。
全体を読んで来て、
吉川英治が40代半ばに至るまでの心の葛藤が、
作品に反映されているようにも感じられるので、
40を過ぎたばかりの私には、
ちょうど等身大の作品として共感できるところが多くあるようです。
それではあと1冊、
じっくり楽しみたいと思います。
※Wikipediaの「宮本武蔵(小説)」を参照。
2013年11月27日水曜日
【読了】Tim Vicary, Titanic (OBW Stage1)
やさしい英語の本、通算57冊目、
Oxfprd Bookworms の Stage1の13冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆したノンフィクション
『タイタニック(Titanic)』
を読みました。
Tim Vicary
Titanic
(Oxford Bookworms Stage1)
(C) Oxford University Press 2009
First published 2009
5,529語
日本で映画『タイタニック』が公開されたのは
平成9年(1997)12月のことです。
映画館で数回観た記憶がありますので、
タイタニック号の沈没については、
今でも強く印象に残っております。
ただし映画以外に、
タイタニック号について調べることはなかったので、
いつ起こったどんな事故だったのかは余り知らないままでした。
本書は、
1912年4月に北太平洋上で起きた
豪華客船タイタニック号の沈没について、
事故の経緯をやさしい英語でわかりやすく整理してあります。
記憶に残る映像を思い出しながら、
興味深く読み進めることができました。
事故の推移を簡潔に、
わかりやすい英語でまとめてありますので、
すぐに読み終えることができました。
タイタニック号の沈没については
色々な著作が出ていますが、
何も読んで来なかったので、
とりあえず1冊、
ダニエル・アレン・バトラー著
大地舜 訳
『不沈 タイタニック 悲劇までの全記録』
(実業之日本社、平成10年12月)
というのを購入してみました。
450頁もある大著ですので、
今後時間があるときに読んでみたいと思います。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算57冊目。計453,404語。
※Wikipedia の「タイタニック(客船)」「タイタニック(1997年の映画)」を参照。
Oxfprd Bookworms の Stage1の13冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆したノンフィクション
『タイタニック(Titanic)』
を読みました。
Tim Vicary
Titanic
(Oxford Bookworms Stage1)
(C) Oxford University Press 2009
First published 2009
5,529語
日本で映画『タイタニック』が公開されたのは
平成9年(1997)12月のことです。
映画館で数回観た記憶がありますので、
タイタニック号の沈没については、
今でも強く印象に残っております。
ただし映画以外に、
タイタニック号について調べることはなかったので、
いつ起こったどんな事故だったのかは余り知らないままでした。
本書は、
1912年4月に北太平洋上で起きた
豪華客船タイタニック号の沈没について、
事故の経緯をやさしい英語でわかりやすく整理してあります。
記憶に残る映像を思い出しながら、
興味深く読み進めることができました。
事故の推移を簡潔に、
わかりやすい英語でまとめてありますので、
すぐに読み終えることができました。
タイタニック号の沈没については
色々な著作が出ていますが、
何も読んで来なかったので、
とりあえず1冊、
ダニエル・アレン・バトラー著
大地舜 訳
『不沈 タイタニック 悲劇までの全記録』
(実業之日本社、平成10年12月)
というのを購入してみました。
450頁もある大著ですので、
今後時間があるときに読んでみたいと思います。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算57冊目。計453,404語。
※Wikipedia の「タイタニック(客船)」「タイタニック(1997年の映画)」を参照。
2013年11月21日木曜日
【読了】オールコット著〔掛川恭子訳〕『続・若草物語』(講談社文庫)
アメリカの女性作家
ルイーザ・メイ・オルコット(1832.11-1888.3)の
『続・若草物語 Good Wives(良い妻たち)』を読みました。
『若草物語 Little Women(小さな女性たち)』出版の7ヶ月後(1869.5→1868.10)、
オルコット36歳の時に出版された作品です。
続・若草物語 (講談社文庫)
ルイーザ・メイ・オールコット著
掛川恭子(かけがわやすこ)訳
『続 若草物語』
(講談社文庫、平成7年6月)
今年の2月に正編を読み終わってから、
すぐに続編にとりかかるつもりだったのですが、
さすがに少し飽きが来て、しばらくお休みしていました。
前の印象が薄れて再び読み始めたら、
大体ひと月くらいで読み終わりました。
四人姉妹それぞれがそれぞれに成長し、
恋愛し、結婚していくお話で、
哀しい別れも織り交ぜられて、
個人的には前作以上に興味深く読み進めることができました。
ここまで来ると、
ぜひ第3・4編も読んでおきたいと思うのですが、
惜しむらくは、
掛川恭子氏の訳は続編までしか出ていないので、
他の訳者のを選ばなければなりません。
訳が多少堅めですが、
全4編を完訳されている吉田勝江訳(角川文庫)と、
冗長な部分を少し切りつめているようですが、
読みやすさを重視した講談社青い鳥文庫、
中山知子訳(第1編)
谷口由美子訳(第2-4編)
この2つの選択肢になります。
急いでいないので両方読んでもいいかもしれません。
読了次第、また報告します。
ルイーザ・メイ・オルコット(1832.11-1888.3)の
『続・若草物語 Good Wives(良い妻たち)』を読みました。
『若草物語 Little Women(小さな女性たち)』出版の7ヶ月後(1869.5→1868.10)、
オルコット36歳の時に出版された作品です。
続・若草物語 (講談社文庫)
ルイーザ・メイ・オールコット著
掛川恭子(かけがわやすこ)訳
『続 若草物語』
(講談社文庫、平成7年6月)
今年の2月に正編を読み終わってから、
すぐに続編にとりかかるつもりだったのですが、
さすがに少し飽きが来て、しばらくお休みしていました。
前の印象が薄れて再び読み始めたら、
大体ひと月くらいで読み終わりました。
四人姉妹それぞれがそれぞれに成長し、
恋愛し、結婚していくお話で、
哀しい別れも織り交ぜられて、
個人的には前作以上に興味深く読み進めることができました。
ここまで来ると、
ぜひ第3・4編も読んでおきたいと思うのですが、
惜しむらくは、
掛川恭子氏の訳は続編までしか出ていないので、
他の訳者のを選ばなければなりません。
訳が多少堅めですが、
全4編を完訳されている吉田勝江訳(角川文庫)と、
冗長な部分を少し切りつめているようですが、
読みやすさを重視した講談社青い鳥文庫、
中山知子訳(第1編)
谷口由美子訳(第2-4編)
この2つの選択肢になります。
急いでいないので両方読んでもいいかもしれません。
読了次第、また報告します。
2013年11月20日水曜日
【読了】Tim Vicary, Multiny on the Bounty (OBW Stage1)
やさしい英語の本、通算56冊目、
Oxfprd Bookworms の Stage1の12冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆した歴史小説
『バウンティ号の叛乱(Mutiny on the Bounty)』
を読みました。
Tim Vicary
Mutiny on the Bounty
(Oxford Bookworms Stage1)
This edition (C) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1994
5,825語
「バウンティ号の反乱」については、
これまで全く知りませんでした。
18世紀末に、
イギリス海軍のバウンティ号で起こった
艦長に対する反乱事件
と言ってしまえば簡単ですが、
バウンティ号が
タヒチ島から西インド諸島へと
パンノキを運ぶ任務を果たす途中での反乱であり、
追放されたブライ艦長以下13名が、
小さな救命艇で41日かけて無事に生きのびたこと、
鎮圧に向かったバンドラ号によって
反乱者の大部分は逮捕され、イギリスで軍法会議にかけられたこと、
反乱の首謀者クリスチャンたちは、
ピトケアン諸島に逃げ延びていたことが
20年近くたってから確認されたこと、
などなど、
実に興味をそそられる内容で、
より詳しく知りたくなりました。
調べてみると、
何度も映画化されていて、
イギリスでは有名な事件のようです。
事件に取材した本も、
少し調べてみるだけで以下の邦訳が見つかりました。
ブライアン・フリーマントル著
新庄哲夫 訳
『バウンティ号の叛乱』
(原書房、平成8年2月)
ベンクト・ダニエルソン著
山崎昂一 訳
『帆船バウンティ号の反乱』
(朝日新聞社、昭和57年9月)
リチャード・ホフ著
金田真澄 訳
『バウンティ号の叛乱』
(フジ出版社、昭和50年)
チャールズ・ノードホフ
ジェームズ・ノーマン・ホール著
白石佑光 訳
『バウンティ号の反乱』
(新潮文庫、昭和38年)
チャールズ・ノードホフ
ジェームズ・ノーマン・ホール著
由良君美 訳
『戦艦バウンティ号の反乱』
(角川文庫、昭和38年)
高柳春之助 訳
『ノードホフ=ホール選集〈第2・3〉バウンティ号の叛乱〈上・下〉』
(岡倉書房、昭和25年8月)
この中から、近々1冊選んで読んでみようと思っています。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算56冊目。計458,526語。
※Wikipedia の「バウンティ号の反乱」を参照。
Oxfprd Bookworms の Stage1の12冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆した歴史小説
『バウンティ号の叛乱(Mutiny on the Bounty)』
を読みました。
Tim Vicary
Mutiny on the Bounty
(Oxford Bookworms Stage1)
This edition (C) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1994
5,825語
「バウンティ号の反乱」については、
これまで全く知りませんでした。
18世紀末に、
イギリス海軍のバウンティ号で起こった
艦長に対する反乱事件
と言ってしまえば簡単ですが、
バウンティ号が
タヒチ島から西インド諸島へと
パンノキを運ぶ任務を果たす途中での反乱であり、
追放されたブライ艦長以下13名が、
小さな救命艇で41日かけて無事に生きのびたこと、
鎮圧に向かったバンドラ号によって
反乱者の大部分は逮捕され、イギリスで軍法会議にかけられたこと、
反乱の首謀者クリスチャンたちは、
ピトケアン諸島に逃げ延びていたことが
20年近くたってから確認されたこと、
などなど、
実に興味をそそられる内容で、
より詳しく知りたくなりました。
調べてみると、
何度も映画化されていて、
イギリスでは有名な事件のようです。
事件に取材した本も、
少し調べてみるだけで以下の邦訳が見つかりました。
ブライアン・フリーマントル著
新庄哲夫 訳
『バウンティ号の叛乱』
(原書房、平成8年2月)
ベンクト・ダニエルソン著
山崎昂一 訳
『帆船バウンティ号の反乱』
(朝日新聞社、昭和57年9月)
リチャード・ホフ著
金田真澄 訳
『バウンティ号の叛乱』
(フジ出版社、昭和50年)
チャールズ・ノードホフ
ジェームズ・ノーマン・ホール著
白石佑光 訳
『バウンティ号の反乱』
(新潮文庫、昭和38年)
チャールズ・ノードホフ
ジェームズ・ノーマン・ホール著
由良君美 訳
『戦艦バウンティ号の反乱』
(角川文庫、昭和38年)
高柳春之助 訳
『ノードホフ=ホール選集〈第2・3〉バウンティ号の叛乱〈上・下〉』
(岡倉書房、昭和25年8月)
この中から、近々1冊選んで読んでみようと思っています。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算56冊目。計458,526語。
※Wikipedia の「バウンティ号の反乱」を参照。
2013年11月19日火曜日
【読了】スティーヴンソン著〔坂井晴彦訳〕『さらわれたデービッド』(福音館書店)
スコットランド生まれの小説家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の
歴史冒険小説『さらわれたデービッド』を読みました。
スティーヴンソン35歳の時(1886.7)に出版された作品です。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン著
坂井晴彦(さかいはるひこ)訳
『さらわれたデービッド』
(福音館書店、昭和47年4月)
本書は、
[グレートブリテン・アイルランド国王]ジョージ2世(在位1727-1760)の治世下、
1746年にスコットランドで起きた
「ジャコバイトによるグレートブリテン王国に対する最後の組織的抵抗」
であったカロデンの戦いを踏まえつつ、
それから5年後(1751年)の、
スコットランドを舞台に繰り広げられた歴史冒険小説です。
歴史的な背景を知らなくても
十分に楽しめるように書かれていますが、
気になったので少しだけ調べてみました。
***
ジャコバイトとは、
1688年の名誉革命でフランスに追放された
ステュアート朝の
[イングランド・アイルランド王]ジェームズ2世
兼[スコットランド王]ジェームズ7世
とその直系男子を、
正統な国王としてその復位を支持する勢力です。
ジャコバイトの王位請求者は、
ジェームズ2世/7世
ジェームズ3世/8世(ジェームズ2世/7世の次男)
チャールズ3世(ジェームズ3世/8世の長男)
ヘンリー9世/ヘンリー(ジェームズ3世/8世の次男)
………
と続いて行きます。
復位に向けた大きな動きとして、
1715年の反乱 と1745年の反乱
の二つの武力蜂起があったものの失敗に終わりました。
1745年の反乱の最後に位置するのが
カロデンの戦い(1746)であり、
この戦いで、
ジェームズ3世/8世が敗北したことによって、
ジャコバイトの王位請求者が、
国王に復位する可能性は完全に絶たれたそうです。
ステュアート朝が、
スコットランドを起源としていたこともあって、
ジャコバイトのおもな支持基盤は、スコットランドにありました。
スティーヴンソンはスコットランド生まれなので、
この小説もどちらかと言えば、
ジャコバイトを擁護する立場から描かれています。
ただしスティーヴソンが生まれたのは、
ジャコバイトの敗北が決定的になって百年後のことなので、
それほど熱烈に、
ジャコバイトを支持する立場が、
表明されているわけではありませんでした。
***
さて、名誉革命(1688)から、
1745年の反乱でジャコバイトの動きが一段落するまでの、
国王の正統な継承の流れも確認しておきましょう。
名誉革命(1688)の結果、
ジェームズ2世/7世がフランスに亡命し、
ジェームズ2世/7世の長女 メアリー2世と、
彼女の夫のオランダ総督 ウィリアム3世が、
[イングランド・スコットランド・アイルランド女王]メアリー2世と、
[イングランド・スコットランド・アイルランド王]ウィリアム3世として、
夫婦で共同統治を行いました。
1694年にメアリー2世(在位:1689-1694)、
1702年にウィリアム3世(在位:1689-1702)が亡くなると、
ジェームズ2世/7世の次女 アンが、
[イングランド・スコットランド・アイルランド女王]アンとして
即位しました(在位:1702-1707)。
1707年にイングランドとスコットランドが合同し、
グレートブリテン王国が成立したため、
その後は
[グレートブリテン・アイルランド女王]アンとして
統治しました(在位:1707-1714)。
1714年にアン女王が亡くなると、
跡継ぎがいなかったことから ステュアート朝 は途絶え、
ハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒが、
[グレートブリテン・アイルランド国王]ジョージ1世として即位し、
ハノーヴァー朝 がはじまりました(在位 1714-1727)。
1727年にジョージ1世が亡くなると、彼の息子が
[グレートブリテン・アイルランド国王]ジョージ2世、
(兼[ハノーファー選帝侯]ゲオルク2世アウグスト)として
即位しました(在位 1727-1760)。
こうした一連の流れとは別に、
反政府的な立場からジャコバイトの動きがあったわけですが、
ジョージ2世の治世下、
1745年の反乱における
カロデンの戦い(1746)において、
ジャコバイトの敗北が決定的になりました。
***
このあたりの歴史は詳しくないので、
中途半端な勉強ではまとめるのが難しいです。
今は取り敢えずこれくらいにして、
いずれまた整理しなおします。
物語としては別に、
このような歴史的な流れを知らなくても、
十分に楽しめるようになっていますが、
歴史的な背景を調べてみると、
より味わいが増してくるようにも思われます。
『宝島』と比べると若干の取っ付きにくさはありますが、
繰り返し読むに足る魅力にあふれた作品だと思いました。
***
翻訳は、現役で手に入るのは、
坂井晴彦(さかいはるひこ)氏のが唯一なはずですが、
よくこなれた日本語で、とても読みやすかったです。
かつて、
大場正史 訳
『誘拐されて』
(角川文庫、昭和28年)
も出ていたようですが、古書で高値のため未見です。
なおスティーブンソンには、
1745年の反乱 を題材とした
『さらわれたデービッド』のほかにも、
1715年の反乱 を題材とした
『バラントレーの若殿』という作品もあるそうなので、
近々読んでみたいと思っています。
海保眞夫訳
『バラントレーの若殿』
(岩波文庫、平成8年4月)
※Wikipedia の「ジャコバイト」「ウィリアマイト戦争」「カロデンの戦い」「ジャコバイト王位継承者の一覧」「ジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート」「チャールズ・エドワード・ステュアート」を参照。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の
歴史冒険小説『さらわれたデービッド』を読みました。
スティーヴンソン35歳の時(1886.7)に出版された作品です。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン著
坂井晴彦(さかいはるひこ)訳
『さらわれたデービッド』
(福音館書店、昭和47年4月)
本書は、
[グレートブリテン・アイルランド国王]ジョージ2世(在位1727-1760)の治世下、
1746年にスコットランドで起きた
「ジャコバイトによるグレートブリテン王国に対する最後の組織的抵抗」
であったカロデンの戦いを踏まえつつ、
それから5年後(1751年)の、
スコットランドを舞台に繰り広げられた歴史冒険小説です。
歴史的な背景を知らなくても
十分に楽しめるように書かれていますが、
気になったので少しだけ調べてみました。
***
ジャコバイトとは、
1688年の名誉革命でフランスに追放された
ステュアート朝の
[イングランド・アイルランド王]ジェームズ2世
兼[スコットランド王]ジェームズ7世
とその直系男子を、
正統な国王としてその復位を支持する勢力です。
ジャコバイトの王位請求者は、
ジェームズ2世/7世
ジェームズ3世/8世(ジェームズ2世/7世の次男)
チャールズ3世(ジェームズ3世/8世の長男)
ヘンリー9世/ヘンリー(ジェームズ3世/8世の次男)
………
と続いて行きます。
復位に向けた大きな動きとして、
1715年の反乱 と1745年の反乱
の二つの武力蜂起があったものの失敗に終わりました。
1745年の反乱の最後に位置するのが
カロデンの戦い(1746)であり、
この戦いで、
ジェームズ3世/8世が敗北したことによって、
ジャコバイトの王位請求者が、
国王に復位する可能性は完全に絶たれたそうです。
ステュアート朝が、
スコットランドを起源としていたこともあって、
ジャコバイトのおもな支持基盤は、スコットランドにありました。
スティーヴンソンはスコットランド生まれなので、
この小説もどちらかと言えば、
ジャコバイトを擁護する立場から描かれています。
ただしスティーヴソンが生まれたのは、
ジャコバイトの敗北が決定的になって百年後のことなので、
それほど熱烈に、
ジャコバイトを支持する立場が、
表明されているわけではありませんでした。
***
さて、名誉革命(1688)から、
1745年の反乱でジャコバイトの動きが一段落するまでの、
国王の正統な継承の流れも確認しておきましょう。
名誉革命(1688)の結果、
ジェームズ2世/7世がフランスに亡命し、
ジェームズ2世/7世の長女 メアリー2世と、
彼女の夫のオランダ総督 ウィリアム3世が、
[イングランド・スコットランド・アイルランド女王]メアリー2世と、
[イングランド・スコットランド・アイルランド王]ウィリアム3世として、
夫婦で共同統治を行いました。
1694年にメアリー2世(在位:1689-1694)、
1702年にウィリアム3世(在位:1689-1702)が亡くなると、
ジェームズ2世/7世の次女 アンが、
[イングランド・スコットランド・アイルランド女王]アンとして
即位しました(在位:1702-1707)。
1707年にイングランドとスコットランドが合同し、
グレートブリテン王国が成立したため、
その後は
[グレートブリテン・アイルランド女王]アンとして
統治しました(在位:1707-1714)。
1714年にアン女王が亡くなると、
跡継ぎがいなかったことから ステュアート朝 は途絶え、
ハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒが、
[グレートブリテン・アイルランド国王]ジョージ1世として即位し、
ハノーヴァー朝 がはじまりました(在位 1714-1727)。
1727年にジョージ1世が亡くなると、彼の息子が
[グレートブリテン・アイルランド国王]ジョージ2世、
(兼[ハノーファー選帝侯]ゲオルク2世アウグスト)として
即位しました(在位 1727-1760)。
こうした一連の流れとは別に、
反政府的な立場からジャコバイトの動きがあったわけですが、
ジョージ2世の治世下、
1745年の反乱における
カロデンの戦い(1746)において、
ジャコバイトの敗北が決定的になりました。
***
このあたりの歴史は詳しくないので、
中途半端な勉強ではまとめるのが難しいです。
今は取り敢えずこれくらいにして、
いずれまた整理しなおします。
物語としては別に、
このような歴史的な流れを知らなくても、
十分に楽しめるようになっていますが、
歴史的な背景を調べてみると、
より味わいが増してくるようにも思われます。
『宝島』と比べると若干の取っ付きにくさはありますが、
繰り返し読むに足る魅力にあふれた作品だと思いました。
***
翻訳は、現役で手に入るのは、
坂井晴彦(さかいはるひこ)氏のが唯一なはずですが、
よくこなれた日本語で、とても読みやすかったです。
かつて、
大場正史 訳
『誘拐されて』
(角川文庫、昭和28年)
も出ていたようですが、古書で高値のため未見です。
なおスティーブンソンには、
1745年の反乱 を題材とした
『さらわれたデービッド』のほかにも、
1715年の反乱 を題材とした
『バラントレーの若殿』という作品もあるそうなので、
近々読んでみたいと思っています。
海保眞夫訳
『バラントレーの若殿』
(岩波文庫、平成8年4月)
※Wikipedia の「ジャコバイト」「ウィリアマイト戦争」「カロデンの戦い」「ジャコバイト王位継承者の一覧」「ジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート」「チャールズ・エドワード・ステュアート」を参照。
2013年11月15日金曜日
【読了】スティーブンソン著〔海保眞夫訳〕『ジーキル博士とハイド氏』(岩波少年文庫)
スコットランド生まれの小説家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の
小説『ジーキル博士とハイド氏』を読みました。
スティーヴンソン35歳の時(1886.1)に出版された作品です。
スティーヴンソン著
海保眞夫(かいほまさお)訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波少年文庫、平成14年1月)
『ジーキル博士とハイド氏』は、
1年半ほど前に偶然、
Mavmillan Readers の Level3で読んだのが、
初めての出会いでした。
この1冊だけだと、
あまり好きな作品ではなかったのですが、
『宝島』と同じ作者が書いたとは思えない、
独特の内容に興味がわきました。
それから日本語でも読んでみようと、
いくつか翻訳を手に取ってみたのですが、
心理描写に優れたところがある分、
こなれた日本語に訳すのは難しいようで、
意外に読みにくいものが多かったです。
そうした中で、
海保眞夫(かいほまさお)訳の岩波少年文庫本は、
よくこなれた訳文で、
『宝島』を読んだ時と同じ感覚で、
先へ先へと読み進めることができました。
海保氏はこの7年前に、
岩波文庫からも同書の翻訳を出版されており、
そちらを下地にして、
改めて訳し直したのが岩波少年文庫の新訳ということになります。
海保眞夫訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波文庫、平成6年11月)
岩波文庫の旧訳も悪くはありませんが、
新訳と比べると、大人向けであることを考慮に入れても、
多少の堅さがあるように思われました。
むしろ少し前の訳ではありますが、
大谷利彦(おおたにとしひこ)訳の角川文庫は、
大人向けのよくこなれた訳文になっていたので、
次はこちらを読んでみようと思っています。
大谷利彦訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(角川文庫、昭和38年3月)
『ジーキル博士とハイド氏』も、
日本語訳でじっくり読んでみると、
登場人物の心理描写に優れているところや、
場面展開の間合いの取り方など、
スティーヴンソンの作品であることが実感できるようになって来ました。
調べてみると、
『宝島』や『ジーキル博士とハイド氏』のほかにも、
スティーヴンソンの作品はいくつか翻訳されているようなので、
他の作品も読んでみようと思います。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の
小説『ジーキル博士とハイド氏』を読みました。
スティーヴンソン35歳の時(1886.1)に出版された作品です。
スティーヴンソン著
海保眞夫(かいほまさお)訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波少年文庫、平成14年1月)
『ジーキル博士とハイド氏』は、
1年半ほど前に偶然、
Mavmillan Readers の Level3で読んだのが、
初めての出会いでした。
この1冊だけだと、
あまり好きな作品ではなかったのですが、
『宝島』と同じ作者が書いたとは思えない、
独特の内容に興味がわきました。
それから日本語でも読んでみようと、
いくつか翻訳を手に取ってみたのですが、
心理描写に優れたところがある分、
こなれた日本語に訳すのは難しいようで、
意外に読みにくいものが多かったです。
そうした中で、
海保眞夫(かいほまさお)訳の岩波少年文庫本は、
よくこなれた訳文で、
『宝島』を読んだ時と同じ感覚で、
先へ先へと読み進めることができました。
海保氏はこの7年前に、
岩波文庫からも同書の翻訳を出版されており、
そちらを下地にして、
改めて訳し直したのが岩波少年文庫の新訳ということになります。
海保眞夫訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波文庫、平成6年11月)
岩波文庫の旧訳も悪くはありませんが、
新訳と比べると、大人向けであることを考慮に入れても、
多少の堅さがあるように思われました。
むしろ少し前の訳ではありますが、
大谷利彦(おおたにとしひこ)訳の角川文庫は、
大人向けのよくこなれた訳文になっていたので、
次はこちらを読んでみようと思っています。
大谷利彦訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(角川文庫、昭和38年3月)
『ジーキル博士とハイド氏』も、
日本語訳でじっくり読んでみると、
登場人物の心理描写に優れているところや、
場面展開の間合いの取り方など、
スティーヴンソンの作品であることが実感できるようになって来ました。
調べてみると、
『宝島』や『ジーキル博士とハイド氏』のほかにも、
スティーヴンソンの作品はいくつか翻訳されているようなので、
他の作品も読んでみようと思います。
2013年11月4日月曜日
【読了】Tim Vicary, The Coldest Place on Earth (OBW Stage1)
やさしい英語の本、通算55冊目、
Oxfprd Bookworms の Stage1の11冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆したノンフィクション
『地球上で最も寒い場所(The Coldest Place on Earth)』
を読みました。
Tim Vicary
The Coldest Place on Earth
(Oxford Bookworms Stage1)
This edition (C) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1992
5,500語
イギリスの探検家
ロバート・スコット(1868.6-1912.3)が、
1910年6月から1912年3月にかけて実施した
テラ・ノヴァ号による南極探検を、
ノルウェーの探検家
ロアルド・アムンゼン(1872.7-1928.6)が、
1910年8月から1912年1月にかけて実施した
フラム号による南極探検と対比させながら、
やさしい英語で手短にまとめられています。
1911年12月14日、
アムンゼン隊4名が人類史上初めて南極点に到達し、
翌1月25日に全員無事に帰還したのに対して、
1912年1月17日、
スコット隊5名は二番手として南極点に到達後、
帰途の途中に遭難し、3月29日までに5名全員が死亡した。
胸が苦しくなる失敗の記録ですが、
編者ヴィカリー氏の主観は交えずに、
事実を淡々と述べながら、スコット隊の失敗の要因を、
読者に考えさせるよう編集してあるのに感心しました。
スコット隊の悲劇について知ったのは、子供の頃、
スコット記/白柳美彦訳・編
「白い大陸南極へ」(『世界の名作図書館〈48〉』講談社、昭和44年8月)
を読んだのが初めでした。
その頃は、
努力の結果が失敗に終わるのを理不尽に感じ、
それほど繰り返し読んだ記憶はないのですが、
1着でなかった上に全員死亡するという
インパクトのある結末に強い印象を受けました。
***
ロバート・スコット本人の記録として、
中田修 訳
『南極探検日誌(極地探検三大古典①)』
(ドルフィンプレス、昭和61年12月)
がありますが、絶版かつ高価なため未見です。
スコット南極探検隊に参加した
アプスレイ・チェリー・ガラード氏による
加納一郎 訳
『世界最悪の旅―悲運のスコット南極探検隊』
(朝日文庫、平成5年1月)
※抄出版が、中公文庫(平成14年12月)で再刊。
が文庫で手に入るので、購入してみます。
また、ロアルド・アムンゼン(ローアル・アムンセン)本人の記録として、
中田修 訳
『南極点』
(朝日文庫、平成6年4月)
※初出は、
『南極点(極地探検三大古典②)』
(ドルフィンプレス、平成2年8月)
谷口善也 訳
『南極点征服』
(中公文庫BIBLIO、平成14年12月)
※『南極点』の抄出版。
があります。
そしてこれらの著書の訳者である
中田修氏によるスコットの評伝
中田修 著
『南極のスコット』
(清水書院 Century Books - 人と思想、平成10年1月)
も出ているので読んでみようと思います。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算55冊目。計452,701語。
※Wikipedia の「ロバート・スコット」「ロアール・アムンセン」を参照。
Oxfprd Bookworms の Stage1の11冊目は、
イギリスの作家
ティム・ヴィカリー(1949-)が執筆したノンフィクション
『地球上で最も寒い場所(The Coldest Place on Earth)』
を読みました。
Tim Vicary
The Coldest Place on Earth
(Oxford Bookworms Stage1)
This edition (C) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1992
5,500語
イギリスの探検家
ロバート・スコット(1868.6-1912.3)が、
1910年6月から1912年3月にかけて実施した
テラ・ノヴァ号による南極探検を、
ノルウェーの探検家
ロアルド・アムンゼン(1872.7-1928.6)が、
1910年8月から1912年1月にかけて実施した
フラム号による南極探検と対比させながら、
やさしい英語で手短にまとめられています。
1911年12月14日、
アムンゼン隊4名が人類史上初めて南極点に到達し、
翌1月25日に全員無事に帰還したのに対して、
1912年1月17日、
スコット隊5名は二番手として南極点に到達後、
帰途の途中に遭難し、3月29日までに5名全員が死亡した。
胸が苦しくなる失敗の記録ですが、
編者ヴィカリー氏の主観は交えずに、
事実を淡々と述べながら、スコット隊の失敗の要因を、
読者に考えさせるよう編集してあるのに感心しました。
スコット隊の悲劇について知ったのは、子供の頃、
スコット記/白柳美彦訳・編
「白い大陸南極へ」(『世界の名作図書館〈48〉』講談社、昭和44年8月)
を読んだのが初めでした。
その頃は、
努力の結果が失敗に終わるのを理不尽に感じ、
それほど繰り返し読んだ記憶はないのですが、
1着でなかった上に全員死亡するという
インパクトのある結末に強い印象を受けました。
***
ロバート・スコット本人の記録として、
中田修 訳
『南極探検日誌(極地探検三大古典①)』
(ドルフィンプレス、昭和61年12月)
がありますが、絶版かつ高価なため未見です。
スコット南極探検隊に参加した
アプスレイ・チェリー・ガラード氏による
加納一郎 訳
『世界最悪の旅―悲運のスコット南極探検隊』
(朝日文庫、平成5年1月)
※抄出版が、中公文庫(平成14年12月)で再刊。
が文庫で手に入るので、購入してみます。
また、ロアルド・アムンゼン(ローアル・アムンセン)本人の記録として、
中田修 訳
『南極点』
(朝日文庫、平成6年4月)
※初出は、
『南極点(極地探検三大古典②)』
(ドルフィンプレス、平成2年8月)
谷口善也 訳
『南極点征服』
(中公文庫BIBLIO、平成14年12月)
※『南極点』の抄出版。
があります。
そしてこれらの著書の訳者である
中田修氏によるスコットの評伝
中田修 著
『南極のスコット』
(清水書院 Century Books - 人と思想、平成10年1月)
も出ているので読んでみようと思います。
***
筆者のティム・ヴィカリー氏は1949年、ロンドン生まれ。
イギリスのヨーク大学(University of York)にある
ノルウェー研究センター(Norwegian Study Centre)で、
大学教員を勤めながら作家活動を展開されている方です。
大人向けの本格的な小説のほか、
隣国ノルウェーからの留学生を受け入れるための施設で、
留学生向けにやさしく書き下ろした英語の本を出版されているようです。
※通算55冊目。計452,701語。
※Wikipedia の「ロバート・スコット」「ロアール・アムンセン」を参照。
登録:
投稿 (Atom)