森絵都(もりえと 1968.4-)氏の本、
23歳の時のデビュー作『リズム』(1991.5)に続いて、
同書の続編、
『ゴールド・フィッシュ』を読みました。
前著の半年後(1991.11)に刊行された作品です。
森絵都著
『ゴールド・フィッシュ』
(角川文庫、平成21年6月)
※初出の単行本は、講談社、平成3年11月。
読みやすく、
難なく読み通せたのは同じですが、
こちらの方が断然充実していました。
というよりも、
前著だけだと多少尻切れトンボに感じられた話が
納まりのよいところに納まっていく感じだったので、
恐らくはじめから、
2冊セットで構想を練っていたのではないかな、
と思いました。
森絵都氏のはじめの一歩として、
明るいほんわかした雰囲気で、
十代前半の日常的な世界を、
瑞々しい感性でつむぎだしていて、
それなりに愉しめる作品でした。
興味深く読ませていただきました。
なお『リズム』と『ゴールド・フィッシュ』の2冊は、
1冊に合わせて講談社青い鳥文庫からも出版されています。
森絵都著
『リズム』
(講談社青い鳥文庫、平成18年6月)
角川文庫に収録する際も
「単行本に加筆・修正」している旨、
巻末に記されていますが、
講談社青い鳥文庫に収録する際にも、
単行本を「大幅に加筆・訂正」している旨、
巻末に記されています。
単行本は未見ですが、
2つの文庫を比べるだけでも確かにいろいろ違っています。
3つの版のどれが良いのか、
考える楽しみもあるのかもしれません。
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