ジャヤ・チャリハ&エドワード・レ・ジョリー編、いなます みかこ訳
『マザー・テレサ 日々のことば』
(女子パウロ会、2009年11月。初出は2000年6月)より。
※印は栗木によるコメントです。
◆6月8日
「喜びは愛。
喜びは、愛に燃える心の当然の実りです。
喜びは、なくてはならないものであり、
眼に見える力の源。
わたしたちのともしびは、
愛による犠牲で燃え続けるでしょう。」182
※喜びを大切にする。
まずは自分の喜びを。
自分が喜んでいない状況で、
相手を喜ばせることができるだろうか。
自分の心に、
安定的な喜びの火がともっていることが
大前提だと思います。
その上で、少しずつ、周りの人々にも、
喜びの輪を広げていけたらいいな。
でも自分の心が
喜びで満たされているのはどんな時か、
と考えてみると、
たくさん寝て、頭がすっきりしているとき、
仕事し過ぎて疲れていないとき、
でしょうか。
まずは健康体であること、
が大切ですね。
◆6月20日
「遠くにいる人たちを愛するのは、
簡単なことです。
インドの飢えた人たちのことを考えるのも、
とても簡単なことなのです。
あなたはまず自分の家庭に、
次にお隣に、
そしてあなたの住んでいるところ、
それからあなたの街に、
目を向けなくてはなりません。
それから、初めて外に向かうのです。」195
※どちらかといえば、
遠くにいる人たちへ、
惜しみない愛を与えつづけた方のように思えるだけに、
深みのある言葉です。
自分と直接関わっていない人たちに、
間接的に愛を与えること。
それよりも、まずは
やはり自分自身を愛し、
家族を愛し、自分の内側を固めてから、
はじめて外へ目を向けること。
言われてみれば、
当然、身内の方が大切ですね。
大切な言葉です。
自分自身にとっても見に染みます。
◆6月21日
「もし、わたしたちが罪でいっぱいなら、
神はわたしたちを満たすことはできません。
たとえ神さまでも、
すでにいっぱいのものを満たすことは、
おできにならないからです。
ですから、わたしたちは空っぽになるために、
ゆるしが必要なのです。
そうすれば、
神がわたしたちを、ご自身で満たしてくださるでしょう。」196
※なぜ祈るのか。
自らの心のなかが、
もやもやしたもので満たされていたのでは、
へり下った謙虚な気持ちで、
物事を見つめることは難しいでしょう。
日々祈っていると、
自分の心のもやが晴れて、
だんだんと空っぽになっていくのを
感じることができます。
私ごときちっぽけな人間が、
という気持ちを思い出して、
謙虚な気持ちを取り戻せるようになります。
月に1回とか、
週に1回とかでは余り効果はないでしょう。
それくらい、私たちの心は汚れやすいものです。
日々の祈りで、
心の汚れをリセットする週間をもてるといいな。
◆6月22日
「つつましい仕事から離れてはいけません。
こういう仕事はだれもしようとしないからです。
仕事が小さすぎるということはありません。
わたしたちはとても小さいので、
小さいやり方で物事を見ているのです。
たとえ、わたしたちがだれかのために、
ちょっとしたことをしたとしても、
全能の神は、すべてを偉大なこととして見てくださいます。
偉大なことができる人たちは、世の中にたくさんいます。
けれど、つつましい仕事をする人たちは、
ほんとうに少ないのです。」197
※どんな仕事も大切。
むしろ小さくみえる仕事、
だれもやろうとしない仕事ほど、
大切だと思っておきたい。
仕事について、
一般にあまり評価されないような仕事について、
ありがたく、大切に思える心を養っておきたい。
神さまの、もしくは天の与えていただいた縁、
を大切にして、目の前のことに力を注ぎ込みたい。
これは、
わかっているように見えて、
案外できないことです。
◆6月26日
「わたしは、ことを大規模に進めるのには賛成しかねます。
わたしたちにとって大切なのは、一人ひとりなのです。
ひとりの人を愛するためには、
ほんとうに親しい間柄にならなくてはならないのです。
もし、数がそろうまで待っていたら、
数の中に一人ひとりを見失うでしょう。
そして、もう二度と、
その人に愛と尊敬とを表すことができないでしょう。
わたしは一対一の接し方を信じます。
わたしにとっては、どの人もイエスさまなのです。
イエスさまはひとりだけですから、
今接しているこの人が、わたしにとっては、
この世界でたったひとりの人なのです。」201
※目の前の一人ひとりを大切に。
仕事の世界でも同じことでしょう。
十年先、二十年先のビジョンも大切ですが、
目の前の一人のお客さまへの対応を疎かにしていては、
何も生まれてこないでしょう。
お客さま一人ひとりを、
イエスさまに見ることは、
仏教徒の私には違和感がありますが、
お客さまを物として扱わないのは当然のこととして、
自分の家族であるかのように扱うこと、
は、日本ではよく見られる考え方だと思います。
実際の家族ではないわけですが、
もし家族だったらどうなのか、
相手のみになって考えることは、
どの仕事でも大切んことだと思います。
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