イギリスの小説家
ジェイン・オースティン(1775.12-1817.7)の
小説『ノーサンガー・アビー』を読みました。
22-23歳の頃(1798-99)に執筆され、
27歳の時(1803)に出版されるはずだったのが中止になり、
40歳の時(1816)に再度出版に向けて準備していたものの、
実現しないまま翌年7月にオースティンが亡くなったため、
亡くなる直前に完成された小説『説得』と一緒に、
1817年12月に出版された作品です。
ジェイン・オースティン著
中野康司 訳
『ノーサンガー・アビー』
(ちくま文庫、平成21年9月)
恋愛小説というと、
ふつうはやや重めのものを連想しがちですが、
オースティンが冗談好き、
おしゃべり好きの明るい人柄だったのか、
軽めのタッチで、
多分にユーモアを含みつつ描かれた恋愛小説です。
この時代に、
これだけ軽妙洒脱な明るい小説が書かれていたことを知って驚きました。
女性同士のおしゃべりを、
横からながめているような雰囲気で、
それほど深刻にならずに、
明るい気持ちで全編楽しむことができました。
後から処女作ということを聞くと、
確かに多少、構成面で甘く感じられるところもあったのですが、
軽めに楽しめる恋愛小説として、
個人的には十分満足しました。
中野氏の訳文は、
とてもよくこなれており、
ふつうの現代小説を読むように、
すらすら読み進めることができました。
中野氏は全6作ある長編をすべて翻訳されていますので、
ぜひ他の作品にも挑戦していこうと思います。
※Wikipediaの「ジェーン・オースティン」「ノーサンガー僧院」を参照。
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