2024年12月30日月曜日

【読了】伊藤正徳著『連合艦隊の最後 太平洋海戦史』(光人社NF文庫、新装版、2004年4月)

 伊藤正徳(いとうまさのり、1889年10月18日-1962年4月21日)氏による一連の戦記物を読み始めました。敗戦後10年をへた時期(1955年8月)に書き出され、著者晩年の6年間(66~72歳)で一気に書き下ろされた11冊にも及ぶ連作で、学生の頃からいずれ読もうと思っているうちに時が過ぎていました。単行本の初出時期は以下のとおりです。

 1956年03月『連合艦隊の最後』
 1956年12月『大海軍を想う』
 1957年12月『軍閥興亡史 1』
 1958年05月『軍閥興亡史 2』
 1958年12月『軍閥興亡史 3』
 1959年09月『帝国陸軍の最後 第1 侵攻篇』
 1960年04月『帝国陸軍の最後 第2 決戦篇』
 1960年08月『帝国陸軍の最後 第3 死闘篇』
 1961年03月『帝国陸軍の最後 第4 特攻篇』
 1961年10月『帝国陸軍の最後 第5 終末篇』
 1962年06月『連合艦隊の栄光』

 どこから読み始めるべきか迷う中、やはりまずは第一作目と思い、数年前に改めて『連合艦隊の最後 太平洋海戦史』(光人社NF文庫、新装版、2004年4月)を購入していました。しかしいざ読もうとすると、小さすぎる活字が難となり、最初の数ページで挫折していました。

 最近、電子版『連合艦隊の最後』(グーテンベルク21、2022年8月)が出ていることを知り、ちょうど Kindle Unlimited を試そうか思案している時期だったので、一緒にダウンロードしてみたところ、これが大当たり。活字をいくらでも拡大できるので、目に優しく、楽々読み進めることができました。実際読んでみると、若干の美文調でところどころ読み慣れていない熟語が出てきたり、フリガナなしで大量の未知の人物名、地名が頻出するのに困りましたが、読んでいる端末で直接調べ、電子書籍に直接メモ書きできる機能もあって、紙の本なら感じていたであろうストレスが軽減されて、スムーズに読了することができました。

 ざっと調べてみると、紙の書籍としてこれまでに8回ほど再刊されているようです。

 ①伊藤正徳著
  『連合艦隊の最後』
  (文芸春秋新社、1956年3月◇330頁)

 ②伊藤正徳著
  『連合艦隊の最後』
  (ポケット文春571〔文芸春秋〕1968年6月◇261頁)

 ③伊藤正徳著
  『連合艦隊の最後』
  (角川文庫、1974年11月◇338頁)

④⑤伊藤正徳著
  『連合艦隊の最後 付・連合艦隊の栄光』
  (光人社、1980年12月◇366頁)
   ※1990年2月、新装版。

https://amzn.to/3BLNTmc

⑥⑦伊藤正徳著
  『連合艦隊の最後 太平洋海戦史』
  (光人社NF文庫、1993年7月◇367頁)
   ※2004年4月、新装版。

 ⑧伊藤正徳著
  『連合艦隊の最後 新版』
  (光人社、2000年11月◇313頁)

手元には⑤と⑦を置いてあります。グーテンベルク21と比べてみると、言い回しにわずかな違いがあって、恐らく①か②か③を底本にしたことによる差異だと思われます。グーテンベルク21は底本について何ら言及されていないので、今後確認でき次第、こちらに注記しようと思います。

  ***

 さて本書①が1956年3月に刊行される経緯について、伊藤氏は⑦「初版の序」の中に、「敗戦十年を経た八月十五日に、私は試みに、本書の題名で数回の海戦記を書いてみた。ところが、市井の反響は、私の四十年の記者経験中で最大のものを感じ、記者として退き下がることが出来なくなった。遂に、『時事新報』紙上に七十六回、引続き『産経時事』の紙上に四十一回の長篇を書いてしまった。書き続ける以上は、正確な史実に基き、綜合的に、解説と批判とを織り交ぜて、一つの描写を試みようと思い立った。いわば連合艦隊の伝記の終末篇を書くようなものだ」とありました(⑦の3・4頁。下線はブログ引用者による)

 今回、『時事新報』76回と『産経時事』41回(計117回)の初出に当たってみたいと思いましたが、戦後複雑に統廃合を重ねた各社新聞の情報がわかっていないと原本の情報にたどりつくのは意外に難しいことがわかり、断念。直接、東京の国立国会図書館に通って、マイクロフィルムをていねいに調べる必要があるようです。

 代わりに単行本の章立てと採録の節数を掲げておきます。

  第一章 艦隊成るまで  【8節】
  第二章 真珠湾の回想  【5節】13
  第三章 順風満帆の緒戦 【4節】17
  第四章 ミッドウェー海戦【5節】22
  第五章 ソロモン消耗戦 【10節】32
  第六章 マリアナ海戦  【8節】40
  第七章 レイテ海戦   【31節】71
  第八章 二つの特攻作戦 【9節】80
  第九章 結論(その一) 【8節】88
  第十章 結論(その二) 【6節】94

うまく117節となっていることを期待しましたが、単行本にまとめるうえである程度整理されているようです。もともと新聞の読者を意識して書かれていたからか、1話ごとにそれなりに読ませる内容になっていて、毎日数話ずつ読み進めているうちに、全話読み終えていました。

とりあえずもう1冊、『大海軍を想う』を読んでから、先に読んでいた世界の歴史にもどる予定です。

2024年11月25日月曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史16 第二次世界大戦』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史16 第二次世界大戦●一九三九~一九四五年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。冬の準備で忙しくなって来たところですが、もう1冊読み進められました。詳しく知っている分、個々に疑問を感じるところもありましたが、第二次世界大戦の大きな流れをわかりやすくまとめてあり、勉強になりました。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史16 第二次世界大戦●一九三九~一九四五年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 中国の国民革命と日中戦争
  ・中国国民党と中国共産党
  ・第一次国共合作
  ・柳条湖事件と満州事変
  ・盧溝橋事件と日中戦争の始まり

 第2章 ファシズムの台頭
  ・ヒトラーとナチス=ドイツ
  ・ヴェルサイユ体制の崩壊
  ・スペイン内戦とゲルニカ空襲
  ・ミュンヘン会議と宥和政策

 第3章 第二次世界大戦
  ・ポーランド侵攻―大戦の始まり
  ・パリ陥落
  ・ユダヤ人迫害とホロコースト
  ・独ソ戦開始

 第4章 太平洋戦争と大戦の終結
  ・日独伊三国同盟
  ・真珠湾攻撃
  ・大東亜共栄圏と抗日運動
  ・枢軸国の降伏


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 久保亨(くぼとおる。信州大学特任教授)
  第2章 北村厚(きたむらあつし。神戸学院大学准教授)
  第3章 北村厚(きたむらあつし。神戸学院大学准教授)
  第4章 久保亨(くぼとおる。信州大学特任教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕坂木原レム(さかきばられむ)
 〔シナリオ〕藤田毅()

2024年11月10日日曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史15 世界恐慌と民族運動』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史15 世界恐慌と民族運動●一九一九~一九三九年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。ほどよい大まかさで、時代の横の流れをつかむのに最適な内容でした。個々の内容はそれほど深く掘り下げていないので、辞書的な使い方には向かないと思いますが、大まかな時代の流れをざっくりつかみたい方には役立ちそう。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史15 世界恐慌と民族運動●一九一九~一九三九年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 パリ講和会議と国際協調
  ・パリ講和会議とヴェルサイユ体制
  ・国際連盟成立とワシントン会議
  ・ヴァイマル共和国とルール占領
  ・ロカルノ条約と不戦条約

 第2章 アメリカの繁栄と大戦後の西洋文化
  ・繁栄するアメリカの光と陰
  ・狂騒の一九二〇年代のパリ
  ・ホー=チ=ミンの独立運動
  ・植民地改革と差別意識

 第3章 世界恐慌とブロック経済
  ・世界恐慌とニューディール政策
  ・ブロック化する世界経済
  ・ヒトラーの台頭と日本の軍国化
  ・スターリンの独裁体制

 第4章 アジアの近代化と民族運動
  ・トルコ共和国の成立
  ・西アジアの近代化とパレスチナ問題
  ・ガンディーとインド独立
  ・東南アジアの民族運動


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 舘葉月(たてはづき。武蔵大学准教授)
  第2章 舘葉月(たてはづき。武蔵大学准教授)
  第3章 北村厚(きたむらあつし。神戸学院大学准教授)
  第4章 井坂理穂(いさかりほ。東京大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕くろにゃこ
 〔シナリオ〕藤田毅()

2024年11月2日土曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史14 第一次世界大戦とアジアの動向』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史14 第一次世界大戦とアジアの動向●一九〇〇~一九一九年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。間もなく、冬期講習に向けた準備が本格化するので、その前に第二次世界大戦までは読み終えたいと思い、多少ペースを上げています。あと2冊読んだら小休止する予定。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史14 第一次世界大戦とアジアの動向●一九〇〇~一九一九年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 辛亥革命と孫文
  ・光緒新政と革命運動
  ・辛亥革命と中華民国建国
  ・袁世凱と孫文
  ・モンゴル・チベット・新疆の動き

 第2章 第一次世界大戦の始まり
  ・パリ万国博覧会とベルエポック
  ・第一次世界大戦の勃発
  ・新兵器の登場
  ・ドイツの無制限潜水艦作戦

 第3章 ロシア革命とレーニン
  ・血の日曜日事件と立憲君主制
  ・二月革命と十月革命
  ・初めての社会主義国家の誕生
  ・スターリンの台頭

 第4章 アメリカの参戦と大戦の終結
  ・総力戦と戦時下の人々
  ・戦争捕虜たちの生活
  ・アメリカ参戦
  ・第一次世界大戦の終結


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
  第2章 舘葉月(たてはづき。武蔵大学准教授)
  第3章 池本今日子(いけもときょうこ。大東文化大学准教授)
  第4章 舘葉月(たてはづき。武蔵大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕四角のふち、とらこ。
 〔シナリオ〕藤田毅()

2024年10月29日火曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史13 帝国主義と抵抗する人々』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史13 帝国主義と抵抗する人々●一八九〇~一九一〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。このあたりになると、何やかやと個人的に学んできたところなので、断片的な知識がつながって、楽しく読み進めることができました。この中で、イスラム史だけまったく疎いのですが、1章だけならそれなりについていけました。東南アジアの独立について1章を割いているのは新鮮な印象でした。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史13 帝国主義と抵抗する人々●一八九〇~一九一〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 ヨーロッパの帝国主義
  ・イギリスの帝国主義
  ・植民地化されるアフリカ
  ・列強の植民地を巡る対立
  ・広がる社会主義運動

 第2章 西アジアのイスラーム改革運動
  ・アフガーニーのイスラーム改革運動
  ・エジプトのウラービー運動
  ・パン=イスラーム主義へ
  ・イランのタバコ=ボイコット運動

 第3章 列強の中国分割と日露戦争
  ・列強の租借地獲得競争
  ・戊戌の変法の挫折と義和団事件
  ・日露戦争
  ・日本の韓国併合

 第4章 東南アジア・インドの民族運動
  ・ホセ=リサールとフィリピン革命
  ・オランダのインドネシア支配
  ・ベンガル分割とインド国民会議
  ・ファン=ボイ=チャウとドンズー運動


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
      弓削尚子(ゆげなおこ。早稲田大学教授)
  第2章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
  第3章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
  第4章 岡田泰平(おかだたいへい。東京大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕槻月沙江(きづきさえ)
 〔シナリオ〕藤田毅()


2024年10月20日日曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史12 ヨーロッパ再編とアメリカの台頭』(2021年2月)

    羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史12 ヨーロッパ再編とアメリカの台頭●一八六〇~一八九〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。近代史は個人的に興味があって、いろいろ学んできたからか、最期まで読み進めることができました。歴史を「横」に学ぶ試みは、さまざまな地域史が細切れに出てくるので、集中が途切れるもどかしさと隣合わせなのですが、イスラム史などふだん興味のない地域の歴史でも、知らないうちに少しずつ学ぶことできるのは大きなメリットだと思いました。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史12 ヨーロッパ再編とアメリカの台頭●一八六〇~一八九〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 膨張するアメリカと南北戦争
  ・先住民の追放
  ・ゴールドラッシュ
  ・南北戦争と奴隷解放宣言
  ・世界最大の工業国へ

 第2章 イタリアとドイツの統一
  ・イタリア統一運動と教皇の裏切り
  ・イタリア王国の成立
  ・鉄血宰相ビスマルク
  ・プロイセンによるドイツ統一

 第3章 三帝国、それぞれの近代化
  ・ロシアの南下政策と大改革
  ・多民族国家オーストリアの混乱
  ・オスマン帝国の苦悩とタンジマート
  ・バルカン半島と三帝国の思惑

 第4章 清の改革とアジアを揺るがす日本
  ・同治帝と西太后
  ・同治の中興と洋務運動
  ・清と日本、それぞれの近代化
  ・日本の朝鮮進出と日清戦争


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 矢口祐人(やぐちゆうじん。東京大学教授)
  第2章 大西克典(おおにしかつのり。川村学園女子大学准教授)
      弓削尚子(ゆげなおこ。早稲田大学教授)
  第3章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
  第4章 豊岡康史(とよおかやすふみ。信州大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕堤利一郎(つつみりいちろう)
 〔シナリオ〕藤井三打(ふじいさんだ)、堀慎二郎(ほりしんじろう)

2024年10月14日月曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史11 ヨーロッパの自由主義とアジアの動揺』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史11 ヨーロッパの自由主義とアジアの動揺●一八三〇~一八六〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。どの章も一度は何かで学んだことのある内容だったので、興味深く読み進めることができました。内容的には、高校で学ぶ世界史をやさしく読み解いた感じなので、どちらかといえば、大人が手軽に世界史を学び直すのに最適であるように感じました。ここから日本の幕末・明治維新に入りましたが、近現代史に10冊かけているのは珍しく、次を読むのが楽しみです。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史11 ヨーロッパの自由主義とアジアの動揺●一八三〇~一八六〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 ヨーロッパの進出に揺れる清
  ・三角貿易の拡大とアヘンの密輸
  ・アヘン戦争
  ・太平天国の反乱
  ・日本の開国と明治維新

 第2章 ウィーン体制と諸国民の春
  ・ウィーン体制下のヨーロッパ
  ・ブルジョワジーの台頭と労働者
  ・二月革命と「諸国民の春」
  ・ナポレオン三世の第二帝政

 第3章 科学の発展が変える社会
  ・プロイセンの教育改革
  ・自然科学の発展
  ・ダーウィンと『種の起源』
  ・人文学・社会科学の成立

 第4章 インド大反乱
  ・イギリスによるインド植民地化
  ・インド大反乱とムガル帝国の滅亡
  ・インド国民会議の誕生
  ・東南アジアへ進出するヨーロッパ


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 豊岡康史(とよおかやすふみ。信州大学准教授)
  第2章 弓削尚子(ゆげなおこ。早稲田大学教授)
  第3章 岡本拓司(おかもとたくじ。東京大学教授)
      ・藤井三打(ふじいさんだ)
  第4章 井坂理穂(いさかりほ。東京大学准教授)
      ・堀慎二郎(ほりしんじろう)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕さのかける
 〔シナリオ〕藤井三打、堀慎二郎

2024年10月11日金曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史10 革命が世界を変える』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史10 革命が世界を変える●一七五〇~一八五〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。4分の3はヨーロッパとアメリカの歴史で、残りは中国史。個人的に、個々によく知っている分野だったからか、横の流れが一気につながって、面白く読み進めることができました。マンガだけでおおむね完結するように描かれているので、大きな流れをざっとつかみたい時には有効でした。

 内容的には、小6の歴史、中学の歴史ではほとんど出てこないものばかり。高校の世界史をかなり優しくして20巻のマンガで描いた作品だと思えば、よく出来た企画だと思います。冬に仕事が忙しくなる前に、もう数巻読んでおきたいので、すぐ次に進みます。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史10 革命が世界を変える●一七五〇~一八五〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 アメリカ独立革命
  ・北アメリカの十三植民地
  ・ボストン茶会事件
  ・アメリカ合衆国の誕生
  ・西部の発展

 第2章 フランス革命とナポレオン
  ・アンシャン=レジームの崩壊
  ・国王の処刑と第一共和政
  ・皇帝ナポレオン
  ・中南米諸国の独立運動

 第3章 世界を変えた産業革命
  ・技術革新と大量生産
  ・蒸気機関の発展
  ・資本家と労働者
  ・世界の工場イギリス

 第4章 清の隆盛
  ・雍正帝の政治
  ・最大領土を誇る乾隆帝の栄華
  ・清の社会と文化
  ・日本の長崎貿易

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 鰐淵秀一(わにぶちしゅういち。明治大学専任講師)
  第2章 鰐淵秀一(わにぶちしゅういち。明治大学専任講師)
  第3章 鰐淵秀一(わにぶちしゅういち。明治大学専任講師)
  第4章 杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕上地優歩(うえじゆうほ)、高橋功一郎(たかはしこういちろう)、日野入緒(ひのいりお)
 〔シナリオ〕こぐれ京(きょう)

2024年10月4日金曜日

【読了】さいとうたかお著『マンガ日本の古典20 太平記 下』(中央公論社、1996年5月)

   さいとうたかお著『マンガ日本の古典20 太平記 下』(中央公論社、1996年5月◇272頁)を読みました。下巻は、

  第十八章 叡山攻防戦ノ事
  第十九章 義貞ノ北国落チノ事
  第二十章 一天両帝、南北京也ノ事
  第二十一章 義貞ノ死、先帝崩御ノ事
  第二十二章 塩冶判官讒死ノ事
  第二十三章 四条縄手ノ合戦ノ事
  第二十四章 観応ノ擾乱ノ事

の七章構成。中巻から続く話の複雑さに、まだすっきりわかったとは言いかねる状態ですが、独特の迫力、魅力を感じることはできました。最初のきっかけとしては十分でしょう。少し時間を置いてから再読しようと思います。『平家物語』よりも独特の毒のある作品のように感じたので、時間をかけて近づいた方が良いでしょう。

 入門編として気になっているのは、同じくマンガ版の横山まさみち著『太平記(一~六)』(講談社、1990年8月~1991年5月)と、現代語訳による平岩弓枝著『太平記』(講談社〔少年少女古典文学館14〕1994年7月)です。近々手に入れる予定。



さいとうたかお著
『マンガ日本の古典20 太平記 下』
(中央公論社、1996年5月◇272頁)



さいとうたかお著
『マンガ日本の古典20 太平記 下
(中公文庫、2000年10月◇272頁)



さいとうたかお著
『ワイド版 マンガ日本の古典20 太平記 下
(中央公論社、2021年3月◇276頁)

2024年10月3日木曜日

【読了】さいとうたかお著『マンガ日本の古典19 太平記 中』(中央公論社、1995年11月)

  先週に続いて、さいとうたかお著『マンガ日本の古典19 太平記 中』(中央公論社、1995年11月◇270頁)を読みました。『平家物語』に比べると複雑でわかりにくい印象。とくに話が後半に入ると、話の主役がどこにいて、どちら方についているのか、わけがわからなくなって来ました。ただ元々複雑でわかりにくい時代ではあるので、『太平記』という文学作品を味読するところから、この時代に入っていくのはありかなと思いました。

 中巻は、

  第十章 帝ノ京還幸ノ事
  第十一章 公家一統ノ政道ノ事
  第十二章 兵部卿親王ノ流刑ノ事
  第十三章 中前代ノ蜂起ノ事
  第十四章 新田、足利ノ確執ノ事
  第十五章 朝敵征討軍ノ下向ノ事
  第十六章 将軍ノ都落ノ事
  第十七章 正成兄弟ノ討死ノ事

の八章構成。初版の単行本で読みました。値段さえ気にならなければ、ワイド版が一番読みやすそうです。



さいとうたかお著
『マンガ日本の古典19 太平記 中』
(中央公論社、1995年11月◇270頁)



『マンガ日本の古典19 太平記 中』
(中公文庫、2000年10月◇272頁)



『ワイド版 マンガ日本の古典19 太平記 中』
(中央公論社、2021年3月◇276頁)

2024年9月29日日曜日

【読了】さいとうたかお著『マンガ日本の古典18 太平記 上』(中央公論社、1995年6月)

 先日読んだ横山光輝版『平家物語』に続いて、さいとうたかお版『太平記』を読み進めていきます。活字版なら恐らく数ヶ月かかるところ、1冊数日で読み終わるのはマンガの良いところです。マンガで目からも理解できる分、活字のみよりも頭に残りやすいように思われます。自分にとっては『太平記』のほうが『平家物語』よりも馴染みが薄い作品なのですが、飽きる間もなくまずは1冊読み終えました。

 上巻は、

  第一章 北条氏討伐計画ノ事
  第二章 正中ノ変ノ事
  第三章 資朝、俊基ノ斬罪ノ事
  第四章 笠置落城ト武将楠ノ事
  第五章 先帝ノ遷幸ト妖兆ノ事
  第六章 大塔宮ト正成再挙ノ事
  第七章 千早城ノ合戦ノ事
  第八章 義貞・高氏、謀叛ノ事
  第九章 鎌倉幕府滅亡ノ事

の九章構成。以前から中公文庫版を持っていましたが、五十過ぎには活字が小く読みづらかったので、初版の単行本を手に入れて読みました。横山版『平家物語』よりも緻密な印象で、初心者にはもってこいの内容でした。


 
さいとうたかお著
『マンガ日本の古典18 太平記 上』
(中央公論社、1995年6月◇270頁)



さいとうたかお著
『マンガ日本の古典18 太平記 上』
(中公文庫、2000年9月◇272頁)



さいとうたかお著
『ワイド版 マンガ日本の古典18 太平記 上』
(中央公論社、2021年3月◇276頁)

2024年9月27日金曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史9 ヨーロッパの世界進出』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史9 ヨーロッパの世界進出●一六〇〇~一七九〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。このあたりからは多少知っている時代に入るので、楽しく読み進めることができました。それでも複雑に入り組んだ第1章など、1回読むだけでスッと整理された状態で頭の中に入ったかというと、まだ心もとない。でも数回繰り返し読めば大枠を理解できそうな、期待感を抱かせる内容でした。

 内容的に、高校の世界史でしか習わないことが大多数なので、歴史嫌いの小中学生には受け入れられないかもしれませんが、歴史好きの小中学生にはお薦めのシリーズだと思います。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史9 ヨーロッパの世界進出●一六〇〇~一七九〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 絶対王政と激化する覇権争い
  ・オランダの黄金時代
  ・イングランド初の革命
  ・フランス絶対王政
  ・イギリス議会政治の確立

 第2章 東インド会社、アジアへ
  ・東インド会社の始まり
  ・東インド会社の交易
  ・イギリスとフランスの覇権争い
  ・イギリスのインド支配

 第3章 アメリカ植民地と奴隷貿易
  ・砂糖生産の拡大
  ・奴隷貿易とプランテーション
  ・カリブ海の海賊たち
  ・アメリカ植民地を巡る戦い

 第4章 ロシア帝国の発展
  ・モスクワ大公国の成長と発展
  ・ロマノフ朝の始まり
  ・ピョートル大帝の大改革
  ・エカチェリーナ二世の統治

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)
      ・山本妙子(やまもとたえこ。国際基督教大学助教)
  第2章 井坂理穂(いさかりほ。東京大学准教授)
      ・鈴木英明(すずきひであき。国立民族学博物館准教授)
  第3章 松尾俊輔(まつおしゅんすけ。東京大学助教)
  第4章 池本今日子(いけもときょうこ。大東文化大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕飯尾よーへい、さくら
 〔シナリオ〕阿倍さかな、加納新太(かのうあらた)

2024年9月18日水曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史8 変化するユーラシア諸帝国』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史8 変化するユーラシア諸帝国●一五五〇~一七二〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。個人的にはイスラム方面の歴史にほとんど縁がないので、新たな気持で学ぶにはギリギリついていける内容で、断片的に知っている中国史、ヨーロッパ史と合わせて、集中を切らさず読み切ることができました。大人が初級編から学び直すのに最適なサイズ感で、忙しい仕事の合間に持続して読み進めることができています。


羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史8 変化するユーラシア諸帝国●一五五〇~一七二〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 オスマン帝国とムスリム諸王朝
  ・オスマン帝国の誕生と拡大
  ・スレイマン一世と帝国の隆盛
  ・栄えるサファヴィー朝
  ・インドの覇者ムガル帝国

 第2章 ヨーロッパを巻き込む三十年戦争
  ・スペイン黄金時代とフェリペ二世
  ・オランダ独立戦争とイングランド
  ・カトリック対プロテスタント
  ・ヨーロッパ初の大戦、三十年戦争

 第3章 明の滅亡と清帝国
  ・中国東北の女真、国号を清に
  ・李自成の乱と明の滅亡
  ・反清勢力 鄭成功と呉三桂
  ・清帝国の拡大と康熙帝

 第4章 オーストリアとプロイセン
  ・ハプスブルク家の勢力拡大
  ・プロイセン王国の成立
  ・大公マリア=テレジアの治世
  ・啓蒙思想と君主たち

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
  第2章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)
      ・山本妙子(やまもとたえこ。国際基督教大学助教)
  第3章 杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)
  第4章 大西克典(おおにしかつのり。川村学園女子大学准教授)
      ・弓削尚子(ゆげなおこ。早稲田大学教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕城咲綾(しろさきあや)、みずなともみ
 〔シナリオ〕阿倍さかな、加納新太(かのうあらた)

2024年9月14日土曜日

【読了】横山光輝著『マンガ日本の古典12 平家物語 下』(中央公論社、1996年3月)

    横山光輝(よこやまみつてる。1934.6~2004.4)著『マンガ日本の古典12 平家物語 下』(中央公論社、1996年3月◇272頁)を読みました。下巻には、

  「木曾義仲上洛」※巻第八「山門御幸」「名虎」
  「太宰府落ち」※巻第八「太宰府落」「緒環」
  「平家反攻」 ※巻第八「太宰府落」「水島合戦」、(六「祇園女御」)
  「法住寺合戦」※巻第八「鼓判官」「法住寺合戦」
  「義仲の最期」※巻第九「生ずきの沙汰」「宇治川先陣」「河原合戦」「木曾最期」
  「一の谷合戦」※巻第九「三草勢揃」「三草合戦」「老馬」「坂落」「越中前司最期」「重衡生捕」「敦盛最期」、十「首渡」「内裏女房」「請文」「海道下」「維盛出家」「藤戸」、(七「忠度都落」、八「名虎」)
  「屋島の合戦」※巻第十一「逆櫓」「勝浦付大坂越」「那須与一」「弓流し」
  「平家滅亡」 ※巻第十一「鷄合壇浦合戦」「遠矢」「先帝身投」「能登殿最期」

の8章が収録されていました。本来10冊くらいの分量で描くべきところ、3冊に圧縮してあるので、あらすじのみをざっと把握するのに最適な内容でした。作品の魅力は十分に感じられたものの、個々の人物を詳しく掘り下げる紙面が足りないからか、この顔は誰なのかを多少悩むところもあり、今後どなたかがより詳しく描き上げた新たなマンガ版を読んでみたくなりました。

横山版をもう数回読んたあとは、吉村昭氏の現代語訳に挑戦しようと思っています。


横山光輝 著
『マンガ日本の古典12 平家物語 下』
(中央公論社、1996年3月◇272頁)


横山光輝 著
『マンガ日本の古典12 平家物語 下』
(中公文庫、2000年3月◇274頁)


横山光輝 著
『ワイド版 マンガ日本の古典12 平家物語 下』
(中公文庫、2020年11月◇274頁)

2024年9月9日月曜日

【読了】横山光輝著『マンガ日本の古典11 平家物語 中』(中央公論社、1995年9月)

   横山光輝(よこやまみつてる。1934.6~2004.4)著『マンガ日本の古典11 平家物語 中』(中央公論社、1995年9月◇272頁)を読みました。上巻を読んだら止まらなくなり、すぐに中巻まで読み終えました。中巻には

  「牒状」    ※巻第四「山門牒状」「南都牒状」
  「平等院の合戦」※巻第四「永僉議」「大衆揃」「橋合戦」「宮御最期」
  「福原遷都」  ※巻第四「三井寺炎上」、五「都遷」
  「水鳥の羽音」 ※巻第五「早馬」「富士川」「五節之沙汰」
  「南都炎上」  ※巻第五「都帰」「奈良炎上」、六「新院崩御」
  「清盛死去」  ※巻第六「廻文」「飛脚到来」「入道死去」
  「倶梨迦羅落し」※巻第六「横田河原合戦」、七「北国下向」「火打合戦」「願書」「倶梨迦羅落」
  「平家都落ち」 ※巻第七「主上都落」「福原落」(八「山門御幸」)

の八章が収録されていました。恐らく原典通りの『平家物語』を描こうと思えば、この数倍の分量が必要になるはずなので、どうしても粗筋のみをさっと通り過ぎていく感じになりますが、全体的な流れをとりあえずつかむのには、これくらいが最適のようにも思えます。

中公文庫本も持っていますが、五十過ぎの目には文字が小さかったので、初版の単行本を手に入れて、そちらで読みました。


横山光輝 著
『マンガ日本の古典11 平家物語 中』
(中央公論社、1995年9月◇272頁)


横山光輝 著
『マンガ日本の古典11 平家物語 中』
(中公文庫、2000年2月◇274頁)


横山光輝 著
『ワイド版 マンガ日本の古典11 平家物語 中』
(中公文庫、2020年11月◇273頁)

2024年9月8日日曜日

【読了】横山光輝著『マンガ日本の古典10 平家物語 上』(中央公論社、1995年1月)

  横山光輝(よこやまみつてる。1934.6~2004.4)著『マンガ日本の古典10 平家物語 上』(中央公論社、1995年1月◇264頁)を読みました。いずれは原文で楽しみたいと思いつつ、まずはマンガでさっとあらすじを頭に入れておくのもいいかな、と、前から買い置きしてあった「マンガ日本の古典」シリーズから『平家物語』と『太平記』と『吾妻鏡』の三作品を読み進める予定。

 上巻には
  「平家の台頭」
  「我が世の春」※巻第一「殿下乗合」「鹿谷」
  「御輿振り」 ※巻第一「俊寛沙汰 鵜川軍」「御輿振」
  「陰謀発覚」 ※巻第二「西光被斬」「小教訓」「教訓状」「烽火之沙汰」
  「法皇幽閉」 ※巻第三「赦文」「医師問答」「法印問答」「法皇被流」
  「大乱の前兆」※巻第四「厳島御幸」「源氏揃」「競」「信連」
の六章を収録。昔読んだときは、顔が皆同じようにみえて途中で読むのを止めていたのですが、じっくり眺めていると違いがわかってきて、今回は一気に読み進めることができました。中公文庫版をずっと手元に置いてあったのですが、文字の小ささにギブアップ。初版の単行本のほうを手に入れて読みました。


横山光輝 著
『マンガ日本の古典10 平家物語 上』
(中央公論社、1995年1月◇264頁)



横山光輝 著
『マンガ日本の古典10 平家物語 上』
(中公文庫、2000年1月◇266頁)



横山光輝 著
『ワイド版 マンガ日本の古典10 平家物語 上』
(中公文庫、2020年11月◇267頁)


2024年9月5日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史7ひとつながりになる世界』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史7 ひとつながりになる世界●一四〇〇~一六〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。夏期講習の忙しさと夏の猛暑にやられて、ひと月空いてしまいましたが、また読み進めていきます。第7巻は、個人的にそれなりに知っている地域と歴史なので、世界史としてバランスよく構成されていることが伝わってきました。大人の学び直しにはちょうど良いかと。

 歴史に馴染みのない小中学生にとってどうなのかは、反応が知りたいところですが、歴史に興味のない子は、漫画であろうとまず手に取らないはずなので、歴史好きのお子さんがさらに知見を深めるためのシリーズだと思えば、大成功かなと思えてきました。



 第1章 明の盛衰とアジアの海
  ・紅巾の乱と朱元璋の明建国
  ・鄭和の南海遠征
  ・北虜南倭 ― モンゴルと倭寇
  ・明代の文化

 第2章 ルネサンスと宗教改革
  ・花開くルネサンス
  ・宗教改革の幕開け
  ・プロテスタントの広がり
  ・カトリックの自己改革と海外布教

 第3章 アジアの海に来たヨーロッパ人
  ・ガマ出航 ― 新たな航路を求めて
  ・インド到達
  ・ポルトガル人のアジア参入
  ・ポルトガルの海上交易帝国

 第4章 ヨーローッパのアメリカ大陸進出
  ・スペイン王国成立とレコンキスタ
  ・コロンブスの航海
  ・中南米の征服と植民地化
  ・「太陽の沈まぬ帝国」

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
      ・杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)
  第2章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)
      ・山本妙子(やまもとたえこ。国際基督教大学助教)
  第3章 鈴木英明(すずきひであき。国立民族学博物館准教授)
  第4章 松尾俊輔(まつおしゅんすけ。東京大学助教)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕坂木原レム(さかきばら)、ゆづか正成(まさなり)
 〔シナリオ〕こぐれ京(きょう)

2024年8月12日月曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記 6・7』(青林堂、2014年8月・2019年2月)

  久松文雄(ひさまつふみお。1943-2021)著『まんがで読む 古事記』第6・7巻(青林堂、2014年8月・2019年2月)を読みました。全7巻の刊行年月を掲げておきます。

  第1巻(青林堂、2009年8月◇207頁)
  第2巻(青林堂、2010年4月◇249頁)
  第3巻(青林堂、2011年4月◇206頁)
  第4巻(青林堂、2012年7月◇216頁)
  第5巻(青林堂、2014年1月◇212頁)
  第6巻(青林堂、2014年8月◇173頁)
  第7巻(青林堂、2019年2月◇126頁)※漫画本文は78頁迄。

第6巻の章立ては次の通り。


久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記6』
(青林堂、2014年8月◇173頁)

 第三十八章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
 第三十九章 妬み深い大后と黒比売(くろひめ)
 第 四 十 章 皇后の家出
 第四十一章 仁徳天皇と八田若郎女(やたのわきいらつめ)
 第四十二章 女鳥王(めどりのおう)と速総別王(はやぶさわけのみこ)
 第四十三章 雁(かり)の卵
 第四十四章 枯野(からの)の歌
 第四十五章 履中天皇(りちゅうてんのう)と墨江中王[前編]
 第四十六章 履中天皇と墨江中王(すみのえのなかつみこ)[後編]
 第四十七章 反正天皇(はんぜいてんのう)
 第四十八章 允恭天皇(いんぎょうてんのう)の氏姓制度の改革
 第四十九章 木梨之軽王(きなしのかるのみこ)と軽大郎女
 第 五 十 章 木梨之軽王と軽大郎女(かるのおおいらつめ)の悲恋
 第五十一章 安康天皇(あんこうてんのう)と目弱王
 第五十二章 目弱王(まよわのみこ)の乱[前編]
 第五十三章 目弱王(まよわのみこ)の乱[中編]
 第五十四章 目弱王(まよわのみこ)の乱[後編]


最終巻、第7巻の章立ては次の通り。


久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記7』
(青林堂、2019年2月◇126頁)

 第五十五章 雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)
 第五十六章 意富祁王(おほけのみこ)と袁祁王(をけのみこ)
 第五十七章 顕宗天皇(けんぞうてんのう)
 第五十八章 仁賢天皇(にんけんてんのう)から安閑天皇(あんかんてんのう)
 第五十九章 宣化天皇(せんかてんのう)
 第 六 十 章 欽明天皇(きんめいてんのう)
 第六十一章 敏達天皇(びだつてんのう)
 第六十二章 用明天皇(ようめいてんのう)
 第六十三章 崇峻天皇(すしゅんてんのう)/推古天皇(すいこてんのう)

 久松文雄インタビュー
 まんがで読む 古事記 ダイジェスト版


おおむね第1・2巻が『古事記』上巻、第3・4・5巻が『古事記』中巻、そして第6・7巻が『古事記』下巻に相当するようです。第6巻では、
 ⑯仁徳天皇(にんとくてんのう)
 ⑰履中天皇(りちゅうてんのう)
 ⑱反正天皇(はんぜいてんのう)
 ⑲允恭天皇(いんぎょうてんのう)
 ⑳安康天皇(あんこうてんのう)
の5代の天皇について語られていました。第7巻では、
 ㉑雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)
 ㉒清寧天皇(せいねいてんのう)
 ㉓顕宗天皇(けんぞうてんのう)
 ㉔仁賢天皇(にんけんてんのう)
 ㉕武烈天皇(ぶれつてんのう)
 ㉖継体天皇(けいたいてんのう)
 ㉗安閑天皇(あんかんてんのう)
 ㉘宣化天皇(せんかてんのう)
 ㉙欽明天皇(きんめいてんのう)
 ㉚敏達天皇(びだつてんのう)
 ㉛用明天皇(ようめいてんのう)
 ㉜崇峻天皇(すしゅんてんのう)
 ㉝推古天皇(すいこてんのう)
の13代の天皇について語られていました。

原文だと、㉔仁賢天皇以降の10代は系譜が記されているだけなので、マンガの方も終わりが近づくにつれて、あまり丁寧には描かれなくなった印象でした。最後の系譜についても、血縁関係が詳しくわかるように系図化したり、もうひと工夫あっても良かったのでは、と思いました。

ただ最終巻はそれまでと比べて、分量(78頁)が圧倒的に少なく、無理やり急いで終わらせたようにも感じられました。元はこの2倍くらいの分量で描く予定であったものの、体調面などから早めに切り上げざるを得なかったのかもしれません。久松氏はこの2年後、2021年4月に病気のため亡くなっています。

10年の長期にわたる執筆であったためか、若干統一感を欠くところもありましたが、『古事記』全編初めてのマンガ化の試みは、おおむね楽しく飽きずに読み進めることができました。しばらく時間を置いてから、再読しようと思います。

今後より精緻なマンガ版『古事記』が出て来てくれることにも期待したいです。『古事記』の豊かな世界観を伝えるのに、マンガは最適な表現手段だと思いました。


これから秋にかけては年初の計画通り、

横山光輝(よこやまみつてる)
『マンガ日本の古典 平家物語 上・中・下』
(中央公論社、1995年1・9月、96年3月)


さいとうたかお著
『マンガ日本の古典 太平記 上・中・下』
(中央公論社、1995年6・11月、96年5月)

を読み進める予定です。


2024年7月28日日曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史6 モンゴル帝国と東西交流』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史6 モンゴル帝国と東西交流●一二〇〇~一四〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。この辺りは、自分にとってさほど馴染みのある地域ではないのですが、それなりに興味をもって楽しく読み進めることができました。小中学校の教科書ではほとんど聞かない話ばかりなので、歴史に興味のないお子さんが惹き込まれるかは未知数ですが、ハマる子には楽しい読み物になるのでは、と思いました。



 第1章 チンギス=ハンとモンゴル帝国
  ・テムジン(チンギス=ハン)誕生
  ・モンゴル諸部族の統一
  ・モンゴル帝国成立
  ・帝国の拡大と後継者争い

 第2章 ユーラシア大陸の東西文化の交流
  ・フビライ、元を建てる
  ・元に仕えたマルコ=ポーロ
  ・日本や東南アジアへの遠征
  ・東西文化の交流

 第3章 ムスリム諸政権の興亡
  ・三つのカリフ政権
  ・サラディンと十字軍の戦い
  ・モンゴル侵入とアッバース朝滅亡
  ・ティムール朝の繁栄

 第4章 十字軍と中世都市
  ・十字軍の始まり
  ・ローマ教皇の権威の高まり
  ・中世都市と市民の暮らし
  ・百年戦争とジャンヌ=ダルク

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)
  第2章 杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)
  第3章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第4章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕河伯りょう(かわかみ)、小林たつよし
 〔シナリオ〕こぐれ京(きょう)

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記5』(青林堂 2014年1月)

 久松文雄(ひさまつふみお。1943-2021)著『まんがで読む 古事記』第5巻(青林堂)を読みました。同巻の奥付には「平成23年(2011)4月22日」の刊行とありますが、全7巻の奥付をみると、
  第1巻(青林堂、2009年8月)
  第2巻(青林堂、2010年4月)
  第3巻(青林堂、2011年4月)
  第4巻(青林堂、2012年7月)
  第5巻(青林堂、2011年4月
  第6巻(青林堂、2014年8月)
  第7巻(青林堂、2019年2月)
とあって、第5巻のみ、第4巻より前、第3巻と同時に刊行されていました。しかし同じ著者なのに、わざわざ順番を前後させて刊行する理由もなく、第5巻の奥付が誤っている可能性を疑い、国立国会図書館やAmazonの検索データをみると「2014年1月」刊行となっていました。ほかの資料も参照する必要がありますが、とりあえず第5巻の奥付にはミスがあり、実際は「2014年1月」の刊行だったと推測しておきます。

 第4巻では、⑫景行天皇(けいこうてんのう)の時代の続きとして倭健命(やまとたけるのみこと)の後半生が語られたのち、⑬成務天皇(せいむてんのう)、⑭仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)と神功皇后(じんぐうこうごう)、⑮応神天皇(おうじんてんのう)と続き、最後に⑯仁徳天皇(にんとくてんのう)の半生が語られています。


久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記5』
(青林堂、2014年1月◇212頁)

 第 三十 章 東方十二ヵ国平定への道
 第三十一章 大和の国はまほろば
 第三十二章 神功皇后(じんぐうこうごう)の新羅(しらぎ)遠征
 第三十三章 応神天皇(おうじんてんのう)と三人の皇子たち
 第三十四章 大山守命(おおやまもりのみこと)の謀反
 第三十五章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
 第三十六章 天之日矛(あめのひぼこ)
 第三十七章 秋山之下氷壮夫(あきやまのしたびおとこ)と春山之霞壮夫(はるやまのかずみおとこ)

このあたりからは次第に知った話が多くなって来ますが、学校の教科書ではほぼ見た記憶がないので、興味深い気持ちで読み進めることができました。

2024年6月27日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史5 宗教が支える社会』(2021年2月)

    羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史5 宗教が支える社会●八〇〇~一二〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。個人的にそれほど馴染みのある時代ではなかったので、その分大変勉強になりました。大人が学ぶ場合でも、導入はやさしい方がありがたい。歴史は文章だけで語られるよりも、目で見て初めて理解できる部分も大きいので、歴史の勉強をマンガから始めるのは「あり」だと思いました。



 第1章 カール大帝とキリスト教の拡大
  ・フランク王国の発展
  ・ローマ=カトリック教会
  ・王国の分裂とノルマン人の侵入
  ・叙任権闘争とカノッサ事件

 第2章 アッバース朝の繁栄
  ・ウマイヤ朝の衰退
  ・アッバース朝の成立
  ・円城都市バグダートの繁栄
  ・ブワイフ朝とセルジューク朝

 第3章 東南アジアの海と交易
  ・海を渡るムスリム商人
  ・マラッカ海峡と港市国家
  ・アンコール=ワット
  ・東南アジア諸島部の交易と文化

 第4章 文治主義で栄える宋
  ・宋を建国した趙匡胤
  ・文治主義と科挙
  ・王安石と司馬光
  ・靖康の変と宋の衰退

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第2章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第3章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第4章 王 雯璐(東京大学東京カレッジ特任研究員)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕白井三二朗(しらいさんじろう)
 〔シナリオ〕加納新太(かのうあらた)

2024年6月23日日曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記4』(青林堂 2012年7月)

  久松文雄(ひさまつふみお。1943-2021)著『まんがで読む 古事記』第4巻を読みました。⑪垂仁天皇(すいにんてんのう)と⑫景行天皇(けいこうてんのう)のお話です。後半の大部分は倭健命(やまとたけるのみこと)の半生が物語られていました。これまで断片的に知っていたお話を、一つの大きな流れの中に位置づけることが出来ました。随分昔のお話であることを思えば、自分にとって惹きつけられる魅力をもった作品であることを再確認しました。

(青林堂、2012年7月◇216頁)
久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記4』

 第二十五章 垂仁天皇(すいにんてんのう)ともの言わぬ皇子(おうじ)
 第二十六章 景行天皇(けいこうてんのう)と小碓命(おうすのみこと)
                    (倭健命)(やまとたけるのみこと)
 第二十七章 九州熊曾(くまそ)への苦難の道のり
 第二十八章 熊曾健(くまそたける)兄弟の討伐
 第二十九章 父王(天皇)との再開


※第1・2巻で感じたルビの少なさは、第3巻以降、大きく改善されており、誰にも読みやすくなっています。ただ総ルビではないので、小学生高学年くらいからでないと、難しく感じるように思います。

2024年6月20日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史4 唐・シルク=ロードとイスラーム教の発展』(2021年2月)

    羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史4 唐・シルクロードとイスラーム教の発展●四〇〇~八〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。



 第1章 ゲルマン系諸部族の大移動
  ・ゲルマン系諸部族の勢力拡大
  ・西ローマ帝国の滅亡
  ・フランク王国の台頭
  ・東ローマ帝国の発展

 第2章 イスラーム教の誕生
  ・ムハンマドとイスラーム教
  ・正統カリフ時代
  ・スンナ派とシーア派
  ・ウマイヤ朝の隆盛

 第3章 陸と海を結ぶシルク=ロード
  ・世界をつなぐシルク=ロード
  ・ユーラシアを結ぶソグド人
  ・玄奘、仏法を求めてインドへ
  ・遣唐留学生 阿倍仲麻呂

 第4章 隋から唐へ
  ・隋の興亡と唐の建国
  ・太宗による貞観の治
  ・国際都市 長安
  ・玄宗と楊貴妃

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 長谷川敬(はせがわたかし。慶應義塾大学准教授)
  第2章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第3章 赤木崇敏(あかぎたかとし。東京女子大学准教授)
  第4章 赤木崇敏(あかぎたかとし。東京女子大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕ゆたか
 〔シナリオ〕阿倍さかな


 各章ごとに、ヨーロッパ史、イスラム史、アジア史等を並行して物語っていくので、歴史の「横」のつながりを意識することができますが、その分複雑に入り組んでくることは避けられず、一度読んだだけでは混乱する人も多いように感じました。これまで常識的には、それぞれの地域の歴史を「縦」に学ぶことが優先されてきたはずなので、はじめから「横の世界史」を学ぶという新しい試みが成功するかどうかには、若干懐疑的です。

 ただ色々な地域の歴史を学んだ後で、こうした「横」のつながりを意識していくことは大変有意義で、新たな視点を感じながら読み進めることができました。

2024年6月15日土曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記3』(青林堂 2011年4月)

  『まんがで読む 古事記』第3巻を読みました。前半は神武天皇(じんむてんのう)。後半は綏靖天皇(すいぜいてんのう)から垂仁天皇(すいにんてんのう)までのお話でした。小中高の歴史だと、このあたりの天皇は省略されていてあまり馴染みがないので、新鮮な気持ちで読むことができました。(第1・2巻では、神様の名前に初出例以外ほとんどルビを振っておらず、読みにくさを感じていたのですが、第3巻からは総ルビに近くなり、格段と読みやすくなりました。)

久松文雄(ひさまつふみお)
『まんがで読む 古事記3』
(青林堂、2011年4月◇206頁)

 第 十九 章 神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)の東征(とうせい)
 第 二十 章 神武天皇(じんむてんのう)
 第二十一章 神武天皇のお后(きさき)探し
 第二十二章 綏靖天皇(すいぜい)以降八代
 第二十三章 崇神天皇(すじん) 四道将軍(しどうしょうぐん)を派遣する
 第二十四章 垂仁天皇(すいにん)と沙本毘古(さほびこ)の反乱


 ①神武天皇(じんむてんのう)
   神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)
 ②綏靖天皇(すいぜいてんのう)
   建沼河耳命(たけぬなかわみみのみこと)
 ③安寧天皇(あんねいてんのう)
   師木津日子玉手見命(しきつひこたまでみのみこと)
 ④懿徳天皇(いとくてんのう)
   大倭日子鉏友命(おおやまとひこすきとものみこと)
 ⑤孝昭天皇(こうしょうてんのう)
   御真津日子訶恵志泥命(みまつひこかえしねのみこと)
 ⑥孝安天皇(こうあんてんのう)
   大倭帯日子国押人命(おおやまとたらしひこくにおしひとのみこと)
 ⑦孝霊天皇(こうれいてんのう)
   大倭根子日子賦斗邇命(おおやまとねこひこふとにのみこと)
 ⑧孝元天皇(こうげんてんのう)
   大倭根子日子国玖琉命(おおやまとねこひこくにくるのみこと)
 ⑨開化天皇(かいかてんのう)※孝元天皇三男。
   若倭根子日子大毘毘命(わかやまとねこひこおおびびのみこと)
 ⑩崇神天皇(すじんてんのう)
   御真木入日子印恵命(みまきいりひこいにえのみこと)
 ⑪垂仁天皇(すいにんてんのう)
   伊久米伊理毘古伊佐知命(いくめいりびこいさちのみこと)

2024年6月6日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史3 秦・漢とローマ/古代の大帝国』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史3 秦・漢とローマ ― 古代の帝国●紀元前二〇〇~紀元後四〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。


 第1章 西アジアと南アジアの王朝の興亡
  ・群雄割拠の西アジア
  ・ササン朝ペルシアの誕生
  ・古代インド王朝の興隆
  ・インド古典文化の形成

 第2章 秦漢帝国、再び乱世へ
  ・秦帝国の中国統一
  ・第二の覇者、漢王朝
  ・三国時代の到来
  ・魏晋南北朝時代の動乱

 第3章 繁栄するローマ帝国
  ・都市国家ローマの発展
  ・三頭政治とカエサルの台頭
  ・初代ローマ皇帝アウグストゥス
  ・ローマ人の暮らし

 第4章 キリスト教と衰えるローマ帝国
  ・イエスの誕生
  ・迫害を受けるキリスト教
  ・ローマ帝国の動揺
  ・キリスト教の国教化と帝国の分裂

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 堀田和義(ほったかずよし。岡山理科大学准教授)
  第2章 王 雯璐(東京大学東京カレッジ特任研究員)
  第3章 長谷川敬(はせがわたかし。慶應義塾大学准教授)
  第4章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕柳沼行(やぎぬまこう)
 〔シナリオ〕阿倍さかな

断片的に知っていた話が1つにつながって、大きな流れが出来上がっていく様を楽しむことができました。知らない地域の歴史は、いくら初学者向けでも、はじめて聞く名前が目白押しになるので、世界史にまったく興味のない人が最後まで読み切れるのかわかりませんが、世界史をバランスよく学びたい、という意思が定まっている人には、よくできた内容だと思います。いずれ高校の世界史で触れられる内容を、ダイジェストで見ていく感じです。

2024年6月2日日曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記2』(青林堂 2010年4月)

 『まんがで読む 古事記』第1巻に続いて第2巻を読みました。マンガでイメージから入ると、大まかなストーリーがまず頭に入ってくるので、これまで個別に知っていたお話がつながって、ああこんな流れだったのかと今更ながら感銘を受けました。


久松文雄著
『まんがで読む 古事記2』
(青林堂、2010年4月◇249頁)

 第 十 章  稲羽の素兎(いなばのしろうさぎ)
 第十一章 大穴牟遅神(おおなむじのかみ)の受難
 第十二章 根之堅州国(ねのかたすくに)
 第十三章 神語(かみがたり)
 第十四章 海から来る神
 第十五章 国譲り
 第十六章 葦原中つ国(あしはらなかつくに)の平定
 第十七章 天孫邇邇芸命(てんそんににぎのみこと)の天降り
 第十八章 海幸(うみさち)と山幸(やまさち)

1点困ったのがたくさん出てくる神様の名前(漢字)! 文中で最初に出てくる時は、さすがにルビを振ってあるのですが、その後はほぼ漢字だけなので、慣れるまで何度も前のページに戻って読み方を確かめる必要がありました。途中から再読に備えて、読めない神様の名前に鉛筆でルビを振っていったら、しだいに馴染んで読めるようになって来ました。『古事記』にそれなりに興味のある方でなければ、この面倒くささには耐えられないかもしれません。内容的には小学生からで十分読めるだけに、総ルビでないのが惜しいです。

2024年5月26日日曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史2 古代社会と思想家たち』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史2 古代社会と思想家たち●紀元前六〇〇~紀元元年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。

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 第1章 古代ギリシアとアレクサンドロス
  ・エーゲ文明の発生
  ・ポリスの誕生 アテネとスパルタ
  ・古代ギリシアの哲学者たち
  ・アレクサンドロス大王の東方遠征

 第2章 古代インドの宗教と思想
  ・仏教の誕生
  ・ジャイナ教の誕生
  ・マウリヤ朝アショーカ王と仏教
  ・マヌ法典

 第3章 古代中国の諸子百家
  ・周の東遷から春秋・戦国時代へ
  ・儒学の祖 孔子
  ・諸子百家
  ・秦の商鞅の変法

 第4章 古代ローマの文化と思想
  ・花開くヘレニズム時代の文化
  ・哲学者セネカと皇帝ネロ
  ・大プリニウスと小プリニウス
  ・ローマの文化

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 長谷川敬(はせがわたかし。慶應義塾大学准教授)
  第2章 堀田和義(ほったかずよし。岡山理科大学准教授)
  第3章 王 雯璐(東京大学東京カレッジ特任研究員)
  第4章 長谷川敬

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕備前やすのり
 〔シナリオ〕阿倍さかな、藤田毅

世界の諸地域の歴史をバランスよく配置して、並行して語り進めていくスタイルで、それなりに面白く読み進めることができました。ただ各地域の歴史が細切れになって出てくるので、初心者だとわかりにくく、混乱してしまうかもしれないと思いました。小学生向けというよりも、高校の世界史入門としてよく出来ているのでは。

2024年5月16日木曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記1』(青林堂 2009年7月)

  久松文雄(ひさまつふみお)著『まんがで読む 古事記』(全7冊。青林堂、2009年7月~2019年2月)を読み始めました。『古事記』の全体像をざっとつかみたいと思って、現代語訳などを調べていた時に、全7巻で『古事記』全編を漫画化したという本作に目が止まりました。『古事記』のマンガ版はいくつか出ていますが、全7冊というのは恐らく最長。マンガでかなり詳しいところまで把握できるなら、読まない手はないと思い、7冊まとめて購入しました。

 第1巻を読んで、予想よりしっかりと原典に忠実に漫画化しているので、いいとこ取りでない『古事記』全編のストーリーを把握するのに最適な作品だと思いました。内容的には小学校低学年くらいからでも十分読めそうなのですが、惜しむらくは総ルビではないので、小学生だと読めない漢字がある程度出てきそうです。もともと中高生から大人に向けて描かれていたのかもしれません。

 また神様の読み方は独特なので、さすがにフリガナは振ってあるのですが、同じ章のなかに二度三度、同じ神様が出てくる時は、最初だけフリガナを振って、残りは漢字の表記のみなので、神様の名前に馴染んでくるまでは、この神様はなんと読むのだろうと多少頭を悩ませました。それでも恐らく初めて全編を面白く、興味を持って読み通せそうな気がしています。

 とりあえず1冊読み終えたので、第1巻の目次を示しておきます。


 序章 天と地の始まり
 第二章 国生み
 第三章 神々の誕生
 第四章 黄泉の国へ
 第五章 禊ぎ祓い
 第六章 須佐之男命
 第七章 誓約の勝負
 第八章 天の岩屋戸
 第九章 八俣の大蛇

2024年5月13日月曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史1 人類誕生と古代の王国』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史1 人類誕生と古代の王国●七〇〇万年前~紀元前六〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。全巻読み終えるのを待っていると、しばらく先のことになりそうなので、一巻ごとに報告していきます。


 第1章 人類の始まり
  ・直立歩行と道具の使用
  ・旧人と新人
  ・ラスコーの洞穴絵画
  ・定住の始まり

 第2章 都市の誕生
  ・農耕と牧畜の開始
  ・神殿を中心とする大集落の形成
  ・文字の誕生
  ・街から都市へ

 第3章 古代オリエント文明
  ・メソポタミアの都市国家
  ・エジプトのファラオたち
  ・シリア・パレスチナ地方の人々
  ・アカイメネス朝ペルシア

 第4章 古代インド文明・古代中国文明
  ・インダス文明
  ・バラモン教と四つのヴァルナ
  ・甲骨文字と青銅器
  ・殷の紂王と周の武王

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小泉龍人(こいずみたつんど。メソポタミア考古学研究所代表)
  第2章 小泉龍人
  第3章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第4章 堀田和義(ほったかずよし。岡山理科大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。1964- スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕亜円堂(あえんどう)
 〔シナリオ〕藤田毅


総ルビなので小学生から読めますが、高校の世界史入門くらいの内容を備えているので、中3くらいまでに馴染んでいると、高校の世界史に自信を持って臨めそうです。小中学生に戻ったピュアな心持ちで、全巻目を通していこうと思います。

2024年5月6日月曜日

【読了】石ノ森章太郎著『新装版マンガ 日本の歴史』(全27巻)

 2020年11月から2022年6月にかけて全27巻で刊行された石ノ森章太郎(1938-98)著『新装版 マンガ 日本の歴史』(中公文庫)を読み終えました。1冊なら数日あれば読み終わりますが、27冊となると数冊読んではしばらくお休みするのを繰り返していたので、全部読み終わるのに1年半ほどかかりました。古代編3から現代編3まで順に読み進め、最後まで残してあった原始編1・2と古代編1・2の4冊を、ゴールデンウィーク中に読了しました。

 もとは1989年10月から1994年6月にかけて、全55巻で中央公論社から刊行されました。ちょうど自分が大学に入る頃だったので、一人で日本史のすべてを描き切る、という心意気に感銘を受け、はじめの数冊のみ購入しました。しかし単行本でまずまずの値段だったのと、5年8ヶ月もかけて一つの作品を読み進める気の長さについて行けなくなり、途中で読むのを止めました。その後、1997年3月から1999年5月にかけて中公文庫から再刊されましたが(全55巻)、このときも余りの冊数に圧倒されて、気になりつつも読まずに終わりました。

 今回は旧版の2巻を1巻に仕立て直した27巻の構成で、これなら読み切れるかもと思い、馴染みのある古代編3から順番に読み進めていきました。数冊読んで、マンガだけで描き切るには、これだけの巻数を費やしてもなお限界があることを痛感しました。しかし、日本史全体のイメージを映像でざっとつかむのには有効だと思い、気長に読み進めました。各時代ごとに、大学の先生方が原案を執筆しているので、石ノ森氏独自の史観が際立つというよりは、良くも悪くも戦後の歴史学の成果を穏当なバランスで知ることができる、優れた企画だと思いました。


 とりあえず第1巻と第27巻のみ、書誌データを記しておきます。

石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)著
『新装版 マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と邪馬台国』
(中公文庫、2020年11月◇431頁)
 ※裏表紙に「原案執筆・義江彰夫」とある。
 ※巻末に、義江彰夫「時代概説1 民衆と神祭り」、
      義江彰夫「時代概説2 弥生文化の多様性」、
      佐藤信「解説」を載せてある。

巻末に、以下の2冊を合本したと明記あり。

 『マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と稲作を始める倭人』
 (中公文庫、1997年3月◇212頁)

 『マンガ 日本の歴史2 邪馬台国と卑弥呼のまつりごと』
 (中公文庫、1997年3月◇212頁)

この2冊のさらに元となった単行本は以下の通り。

 『マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と稲作を始める倭人』
 (中央公論社、1989年11月◇221頁)

 『マンガ 日本の歴史2 邪馬台国と卑弥呼のまつりごと』
 (中央公論社、1989年12月◇237頁)


石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)著
『新装版 マンガ 日本の歴史27 太平洋戦争から高度成長時代まで』
(中公文庫、2022年6月◇679頁)
 ※裏表紙に「原案執筆・伊藤隆」「解説・武田知己」とある。
 ※巻末に、石ノ森章太郎「完結にあたって」
      伊藤隆「時代概説53〈大東亜共栄圏〉構想」、
      伊藤隆「時代概説54 占領下の日本」、
      伊藤隆「時代概説55「経済大国」 への軌跡」、
      武田知己「解説」を載せてある。

巻末に、以下の3冊を合本したと明記あり。

 『マンガ 日本の歴史53 日中戦争・太平洋戦争』
 (中公文庫、1999年4月◇228頁)

 『マンガ 日本の歴史54 占領から国際社会へ』
 (中公文庫、1999年4月◇222頁)

 『マンガ 日本の歴史55 高度成長時代』
 (中公文庫、1999年5月◇221頁)

この3冊のさらに元となった単行本は以下の通り。

 『マンガ 日本の歴史 現代篇5 日中戦争・太平洋戦争』
 (中央公論社、1994年4月◇203頁)

 『マンガ 日本の歴史 現代篇6 占領から国際社会へ』
 (中央公論社、1994年5月◇203頁)

 『マンガ 日本の歴史 現代篇7 高度成長時代』
 (中央公論社、1994年6月◇204頁)


2024年5月5日日曜日

Evernote 騒動(Word文書化/Google Drive への移行)

 昨年12月、論文の草稿を推敲しようと Evernote を開いてみたところ、急なルール変更に気がつきました。今書きかけの原稿はそのまま使えるものの、有料化しない限り、新しいファイルを作ることが出来なくなってしまいました。長らく無料で使わせてもらって来たので、多少お支払いするのはやむを得ないかな、と一度は考えました。しかしまずまずの価格設定なのと、ここ数年、文書を読み込むまで時間が結構かかり、使い勝手が良いとは言えなくなっていたので、移行を前提に10年分の文書を8分の1ほどに整理することにしました。

 メールやブログの草稿を Evernote で書いていたため、何を捨てるかの選択は迷いませんでした。しかし、クラウド上の文書を読み出して削除するのに意外と時間がかかり、大変な作業となりました。それで十分に軽くなるなら Evernote のまま有料化する選択肢もあったのですが、大幅に文書数を減らしても、相変わらず読み込みに時間がかかり、快適とはいいがたい状況だったので、仕方なくEvernote の継続使用を諦めることにしました。

 すべてをWord文書に変換してデスクトップ上に保存したいと思ったのですが、 Evernote には直接 Word文書に変換する機能がついていなかったので、Evernote からいったんHTML文書に変換したあと、改めてWord文書へと変換することにしました。4月中に何とかすべてをWord文書に変換し、デスクトップ上に保存することができました。これからもう少し整理してから、Google Drive 上に保存し直そうと思います。

 そんなこんなで、長らく論文執筆に使っていた Evernote の使用を止めたという報告でした。十年以上前からのメモ書きをたくさん読み返せたので、いろいろと新鮮な発見がありました。論文のアイデアを、今後はどうやって書き溜めていくべきなのか、大きな問題が残っているのですが、Evernote を使ってそれほど大きな成果を出せていたわけでもないので、いろいろな可能性を楽しみながら試行錯誤を続けていきます。


2024年1月5日金曜日

ヴェルヌ著『二年間の休暇 (十五少年漂流記)』日本語訳の変遷 (3)

 ◆思軒訳『十五少年』現代語訳の時代(その二、1920年代

   ④霜田史光「十五少年漂流物語」(1924)
         →『十五少年漂流記』(1925)
   ⑤長門峡水「〈冒険奇譚〉十五少年孤島探検」(1926 )
   ⑥奥野庄太郎『十五少年漂流記』(1927→1930)

 
 1920年代に確認できた思軒訳『十五少年』にもとづく現代語訳は④⑤⑥の3点である。

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④霜田史光(しもたしこう。1896-1933)「十五少年漂流物語」(『金の星』第6巻3~12号、1924年3~12月。※未完)。単行本は連載終了後、ジユウール・ヴエルヌ 著/霜田史光訳述/寺内萬治郎(てらうちまんじろう。1890-1964)装幀・挿画『十五少年漂流記』(金塔社、1925年2月◇269頁)として刊行。その後『少年文学名著選集1 十五少年漂流記』(金の星社、1926年12月◇269頁)として再刊。 

  1点目は、霜田史光(しもたしこう)による編訳である。はじめに「十五少年漂流物語」という題名で、雑誌『金の星』(金の星社)第6巻3~12号(1924年3~12月に計10回掲載されたが、原著でいう第28章の途中までで中断。最終号(24年12月)の末尾には、「まだ話の終らない内に遂に十二月号となつて了ひました。で、止むなくこゝで一段落して、後は近日、本社から出版する単行本に掲載いたします。悪からずお赦しを願ひます。(記者)」と記された。その2ヶ月後、1925年2月金塔社から刊行されたのが、霜田史光『十五少年漂流記』であった。『十五少年漂流記』を単行本の書名として用いた初例がこれである。その後、金の星社『少年文学名著選集1 十五少年漂流記』1926年12月)としても再刊されている。

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長門峡水(ながときょうすい。?-?)「〈大冒険奇譚〉十五少年孤島探検」(『少年少女譚海』博文館、第7巻2・3号、1926年2・3月)※未完。 
 2点目は、長門峡水(ながときょうすい)による編訳「〈大冒険奇譚〉十五少年孤島探検」である。博文館の雑誌『少年少女譚海』第7巻2・3号1926年2・3月に2回掲載された。第2号に「第一回」「第二回」、第3号に「第三回」が掲載され、原著でいう第1・2・3章が抄訳されている。「第四回」以下が発表された形跡はない。ただ第2号の本文冒頭には「この物語は、長門峡水氏が特に譚海愛読者の為に全力を尽してかいて下すつたもので、全篇悉く熱血のみなぎつてゐるものです。どうぞ第一回より熱心におよみ下さらんことを切望します」と、また巻末の編輯だよりには「本号より発表します長門峡水氏の『十五少年孤島探検』は、同君が特に譚海愛読者の為めに苦心の熱筆を振はれたので二百枚以上の長篇物語で、第一回より最後迄、息もつけぬ面白いものです。(下略)」とある。さらに第3号の本文末尾には「(つゞく)」と、また巻末の編輯だよりには「『加藤十勇士』や『八郎為朝』、『十五少年孤島探検』の物語は次号から回を進むにつれてますヽヽ痛快に面白くなります」とある。これらの事から、本来はより長期にわたる連載を予定していたものの、何らかの理由で急遽最初の2・3号のみで打ち切りとなったことがわかる。長門峡水というペンネームで発表された作品がこれしか見当たらないことから、打ち切りの理由など今のところ詳しくは不明という他ない。
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⑥奥野庄太郎(おくのしょうたろう。1886-1967)編、丹宗律光(たんしゅうりっこう)装画『〈学習室文庫〉十五少年漂流記』(中文館書店1927年10月◇74頁)。編者名を伏せたまま、『学校家庭文庫4 ロビンソン物語 外二編』(九段書房、1927年10月◇206頁)のなかに「十五少年漂流記」と題して収録(136-206頁)。その後、奥野庄太郎著『東西童話新選 文の巻』(中文館書店、1930年9月◇488頁)のなかに「十五少年漂流記」と題して収録(2~73頁)。
 3点目は、奥野庄太郎(おくのしょうたろう)による編訳『〈学習室文庫〉十五少年漂流記』中文館書店1927年10月ある。こちらは同年同月に、奥野氏の名をふせたまま『学校家庭文庫4 ロビンソン物語 外二編』(九段書房、1927年10月のなかに「十五少年漂流記」と題して収録されている。その後、奥野庄太郎著『東西童話新選 文の巻』(中文館書店、1930年9月のなかに「十五少年漂流記」と題して収録された。同冊にはそのほか「クオレ物語」「トムソーヤ物語」「なるほど物語」「オルレアンの少女」「指輪の持主」「小公子」「ダンテ物語」の7話(計8話)が収録された。巻頭の「はしがき」に、「此の本のお話は最初『学習室文庫』のものとして書いたのですが、その本は日本の多くのお子供様方から歓迎され既に一万部を売り尽したのです。そして更に装幀の立派なものが欲しいといふ要求がありますので、前記のごとく同文庫中から選抜したものです」と、出版の経緯が記されている。

2024年1月3日水曜日

ヴェルヌ著『二年間の休暇 (十五少年漂流記)』日本語訳の変遷 (2)

◆森田思軒訳『十五少年』の成立

 フランスの小説家 ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne, 1828-1905)が1888年に執筆した小説Deux Ans de Vacances  (二年間の休暇)は、雑誌『Le Magasin d’éducation et de récréation (教育娯楽雑誌)』の第553~576号(1888-1/1~12/15)に掲載されたのち、単行本はJ・へッツェル社(J.Hetzel )から、1888年6月18日と11月8日に2分冊(351+342頁)の普及版が、同年11月19日に1冊(469頁)の豪華版(挿絵92枚)が刊行された。

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森田思軒(もりたしけん、1861~1897)「〈冒険奇談〉十五少年」(『少年世界』博文館、第2巻5~19号、1896年3~10月)。単行本は十五少年』(博文館、1896年12月◇292頁)として刊行。
 本邦初訳は、森田思軒(もりたしけん、1861~1897)氏によって行われた。森田氏は1896年に雑誌『少年世界』第2巻5~19号(博文館、1896年3~10月)に〈冒険奇談〉十五少年と題して15回に分けて連載したのち、同年12月に十五少年と題した単行本を刊行した(博文館、1896年12月◇292頁)。雑誌掲載時の表題と巻号、発行年月日を整理しておく。

  「〈冒険奇談〉十五少年/思軒居士/第一回」(第2巻5号、1896-3/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/思軒居士/第二回」(同巻6号、同-3/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第三回」(同巻7号、同-4/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第四回」(同巻8号、同-4/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第五回」(同巻9号、同-5/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第六回」(同巻10号、同-5/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第七回」(同巻11号、同-6/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第八回」(同巻12号、同-6/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第九回」(同巻13号、同-7/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第十回」(同巻14号、同-7/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第十一回」(同巻15号、同-8/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第十二回」(同巻16号、同-8/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第十三回」(同巻17号、同-9/1)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第十四回」(同巻18号、同-9/15)
  「〈冒険奇談〉十五少年/森田思軒/第十五回」(同巻19号、同-10/1)

 単行本『十五少年』への例言に「是篇は仏国ジユウールスヴエルヌの著はす所『二個年間の学校休暇』を、英訳に由りて、重訳したるなり」とあるところから、森田訳がフランス語原本ではなく英訳本からの重訳であったことは初めから知られていた。しかし英訳本テキストについての細かい情報を欠いていたため、森田氏がどの英訳本を見たのかは長らく不明とされた。半世紀以上をへた1950年、波多野完治(はたのかんじ、1945-2001)氏によって、森田訳の英訳本テキストが確定された。森田氏が用いたのは、フランス語原本の刊行から3ヶ月後、1889年2月16日に、A Two Years Vacation  (二年間の休暇)と題し、アメリカの 「George Munro」 社から「Seaside Library Pocket Edition 」 の1冊として刊行された英訳本である(全1冊260頁)。
 
★思軒訳『十五少年』は、戦前において『現代日本文学全集33 少年文学集』(改造社、1928年3月◇566頁)、『明治大正文学全集8 黒岩涙香・森田思軒』(春陽堂、1929年3月◇756頁)に再録された他、岩波文庫(1938年10月)にも収録された。戦後においては『明治文学全集95明治少年文学集』(筑摩書房、1970年2月◇472頁)、『日本児童文学大系2 若松賤子集・森田思軒集・桜井鴎村集』(ほるぷ出版、1977年11月◇510頁)、長山靖生(ながやまやすお)編『少年小説大系13 森田思軒・村井弦斎集』(三一書房、1996年2月◇641頁)等に再録された。


◆思軒訳『十五少年』現代語訳の時代(その一、1910年代)

  ②葛原【凵+茲】女屋秀彦『〈絶島探検〉十五少年』(1916)
    →葛原【凵+茲】『十五少年絶島探検』(1923)
  ③富士川海人「十五少年の漂流」(1918?-1921? )
      ※「〈十五少年〉漂流記」の初見

 1896年に思軒訳『十五少年』が刊行されてから1950年代に入るまでは、ヴェルヌが執筆したフランス語原本が入手困難であったばかりか、思軒が参照した英訳本も所在不明になっていたため、時代に合わせた新訳を提供しようとすると、漢文調の思軒訳をもとに現代語に訳しなおすしかなかった。よってこれからしばらく、「思軒訳『十五少年』現代語訳の時代」と称し、各年代ごとに今回確認できた範囲の現代語訳を紹介していきたい。

 1910年代に確認されたのは、②③の2点である
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②葛原【凵+茲】(くずはらしげる。1886-1961)女屋秀彦(おなやひでひこ)『〈絶島探検〉十五少年物語』(博文館、1916年9月◇458頁)。のちに葛原【凵+茲】『十五少年絶島探検』(博文館、1923年3月◇458頁)として再刊。
 思軒訳にもとづく最初の現代語訳は、葛原【凵+茲】(くずはらしげる)女屋秀彦(おなやひでひこ)『〈絶島探検〉十五少年物語』(博文館、1916年9月)である。同書はその後『十五少年絶島探検』(博文館、1923年3月)と改題し、葛原一人の単著として再刊された。この再刊版のほうは国立国会図書館デジタルコレクションに公開されている。そちらを参照すると、再刊版には、葛原氏の自序「『十五少年絶島探検』新訳偶感」と、再刊に寄せた一文「嬉しい事です」が添えられている。後文の冒頭には「七年前に此の本を訳した頃と、今とをくらべて」と、また末尾には「尚、この本を出すについて、女屋秀彦君の御好意を感謝致します」とある。1916年に刊行された共著版のことは、再刊版の巻頭に言及がある以外、他書への引用も見当たらず、各種検索にもなかなか出て来なかったが、坪谷善四郎編『博文館五十年史 年表』(博文館、1937年6月)の大正5年9月の項に「〈絶島探検〉十五少年物語葛原【凵+茲】・女屋秀彦」、大正12年3月の項に「十五少年 絶島探検葛原【凵+茲】」とあるのを確認した。そのほか2023年現在、北海道立図書館と大阪府立中央図書館〈国際児童文学館〉に所蔵されているのも確認できた。
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富士川海人「十五少年の漂流」(『海国少年』海国少年社、第4巻8号〔1920年10月〕、第5巻10・11号〔1921年10・11月〕等)※未完。
 1910年代でもう一つ興味深い作品として、富士川海人「十五少年の漂流」というものがある。1917年から1922年にかけて海国少年社から発行された雑誌『海国少年』に、「シユール・ベルヌ作/富士川海人訳」の「十五少年の漂流」という作品が連載されている〔★〕。富士川海人の作品は「十五少年の漂流」以外まったく確認できない。雑誌『海国少年』の大半は所在不明であるが、国立国会図書館デジタルコレクションに5冊分の情報が公開され、そのうち3冊に「十五少年の漂流」が掲載されている。

    ◯第4巻8号(1920年10月)
     「69 有用な植物の発見」「70 深夜に猛獣の来襲」
    ◯第5巻8号(1921年8月)※掲載なし。
    ◯第5巻9号(1921年9月)※掲載なし。
    ◯第5巻10号(1921年10月)
     「87 新太守」「88 湖上のスケート」
    ◯第5巻11号(1921年11月)
     「〈十五少年〉漂流記の漂流(※予定の原稿を落とすことへの釈明文。)

4巻8号(1920年10月)に69・70章、5巻10号(1921年10月)に87・88章が掲載されている。5巻8・9号と連続して掲載がなく、10号で再開されたと思ったら第11号に至って「〈十五少年〉漂流記の漂流」と題する原稿を落とす(漂流させる)ことへの釈明文を掲載している。このあと再開して最終章までたどりついたのか、88章までで中断されたのか気になるところであるが、現存する『海国少年』の詳しい調査をしていないので、今後の課題としたい。一点付け加えるなら、メアリ書房(福井県福井市)の目録に、
 「海国少年 大正7年12月号 第2巻12号 十五少年の漂流/富士川海人」
とあることから、1918年12月までに連載が始まっていたのは確実である。

 なお『海国少年』第5巻11号(1921年11月)に「「〈十五少年〉漂流記の漂流」とあるのが、この作品のことを「十五少年漂流記」と呼んだ初見であることにも注意しておきたい。ただし本来のタイトル(十五少年の漂流)を変更しようとしたというよりは、原稿を落とすことを「漂流」と言いたいがために、「十五少年の漂流の漂流」では意味がわからなくなるので、便宜的に「記」の字を補っただけであろうから、こちらは(一定の留保つきの)初見例としておきたい。
★『海国少年』の出版年については、田中久徳「旧帝国図書館時代の児童書―歴史と課題―」『参考書士研究』48号(1997年10月)の表8「戦前期の代表的児童雑誌の所蔵状況」を参照した。なお現存する本文の冒頭には、「十五少年の漂流/富士川海人」とあるのみなので、富士川氏単独の編著として発表されたようにも見えるが、『海国少年』5巻10号(1921年10月)裏表紙の目次に「十五少年の漂流(海洋小説)/シユールベルヌ作/富士川海人訳」とあることから、初めからベルヌ作品の翻訳として発表されていたことがわかる。今後「十五少年の漂流」初回発表分が発見されれば、森田思軒訳との関係など、より明確な編集意図がわかる可能性もあるので、気長に調査を続けたい。