ジャヤ・チャリハ&エドワード・レ・ジョリー編、いなます みかこ訳
『マザー・テレサ 日々のことば』
(女子パウロ会、2009年11月。初出は2000年6月)より。
※印は栗木によるコメントです。
◆3月4日
「もしほんとうに愛したいのなら、
ゆるすことを学ばなければなりません。
ゆるし、そして、ゆるしを請うこと。
責めるのではなく、ゆるしますと言うこと。
まず和解し、一致しましょう、
他の人たちとではなく、まず自分と。
それは、自分の中に清い心を持つことから始まります。
清い心は、
他の人々の中におられる神を見ることができるからです。
わたしたちは、神の愛を輝かさなければなりません。」76
※平穏な心は、ゆるすことから。
心の怒りは、ゆるすことで穏やかになります。
ゆるせるかどうかは、
基本的に、自分の心の問題です。
自分が、ゆるせるかどうかは、
相手が決めることではありません。
平穏な心、
穏やかな日常を手に入れるために、
ゆるせるのかどうか、
状況によっては、
すぐにゆるせないこともあるでしょう。
とはいえ、
平穏な心は、
自分の努力によってかなりの部分
手に入れられることを知っておきたいです。
◆3月5日
「だれでも、あなたのところにきた人が、
前よりもっと気分よく、
もっと幸せな気持ちで帰ることができるように。
あなたの顔やまなざし、あなたのほほえみに、
親切を見ることができますように。
喜びは、わたしたちのまなざしに、
ことばや振る舞いにあらわれます。
それは決して隠すことはできません。
それは外に作用します。
喜びは、とても伝わりやすいものなのですよ。」77
※喜びを大切にし、
喜びに包まれた生活を送りたい。
それはわたしの顔に、
まなざしにすぐに現れるものです。
疲れていると、
どうしても笑顔がへってしまいますから、
なんだか笑えないな、
と思ったら、それをふつうだと思わないで、
にっこり微笑むことができるように、
たっぷり休息をとって、
体を休めるように心がけたいです。
わたしと出会う人たちにとって、
何となく明るく朗らかな雰囲気を伝えられるように、
日々元気でいたいものです。
◆3月9日
「『あなたの目を開いて、その目でしっかり見てください。』
飢えは、食べ物がないことだけではありません。
今この世界には、
愛を知らないことの〈飢え〉、
神のみ言葉への〈飢え〉があります。
裸なのは、着る物についてだけではありません。
裸であるということは、
人間としての尊厳を失うことなのです。
清らかさという美しい人間の徳を失うことなのです。
これらのことは、
今日の世界でとても間違って使われています。」81
※心の飢え、とは、
愛情への飢えなんですよ、
とハッキリ言っていただくと、
ああそうか、と納得できます。
愛情を欠いた人間は、
心がはだかの状態におかれているから、
人間の尊厳すら失っているのだ、
とまで言われると、
ことの重大さに気がつかされます。
人が自分のよい側面を出していくためには、
自分の心がほどほどに、
愛情で満たされている必要がある、
ということです。
愛情ほど、
大切なものはない、
ということです。
◆3月19日
「もし、あなたが謙虚であるなら、
何ごともあなたの心を汚さないでしょう。
もし、あなたが聖人であるなら、
神に感謝しなさい。
もし、あなたが罪人であるなら、
そのままでいてはいけません。」93
※謙虚が、
すべての基本であること。
それは学校では、
あまり教えられないことかもしれません。
勉強にせよ、部活動にせよ、
人より抜きん出ることを求められることが
多かったようです。
謙虚であることによって、
何より、自分の心を冷静にながめて、
正しい判断を下すことができます。
謙虚であることの重要性は、
恐らく家庭の中で、
しっかり植えつけておかなければならないことでしょう。
◆3月27日
「もし、ほんとうに祈りたいのなら、
まず聴くことを学ばなければなりません。
心の静けさの中で神は語りかけられるのです。
そして、その静けさがわかり、神を聴くことができるには、
清い心が必要なのです。
さあ、わたしたちに語りかけられる神に耳を傾けましょう。
まず聴くことができなければ、
神との関係ができなければ、
神に話しかけることはできません。
心が深く神に満たされると、
自然と言葉や思いが、わき出てくるのです。」101
※祈ることは、
つい願うことだと勘違いしがちですが、
神さまにあれもこれもとお願いするのは、
お祈りではありません。
静かに自分の心の声に耳を傾けることが、
祈ることだと思います。
まず聴くこと。
それが大切です。
とはいえ、
知らない誰かが、
突然語りかけてくるわけではありません。
自分の心の静けさを、
よく感じとることが、
心の声を聴くことなんだ、と思います。
そしてしばらく、
そうした静けさに心をただよわせていると、
自ずから、いろいろな答えが見つけ出されて来るものです。
◆3月29日
「自分自身を知ると、
ひざまずきたいような気持ちになります。
そしてそれは、
愛するために、まさに必要なことなのです。
神を知ることは、愛を与え、
自分を知ることは、謙虚さを与えます。」103
※自分自身の、
無力を知ること。
限界を知ること。
冷静になれば、
この広い世界のなかで、
自分が無力であることは明らかでしょう。
限界がすぐそこにあることもわかります。
謙虚な心とは、
世界のありのままの現実を、
自分でよく感じとるところから生まれるのです。
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