2011年3月31日木曜日

『自助論』7章~金の知恵

日々好きな本を読んで、好きな音楽を聴いて、
庭先で花や野菜を育て、ほどほどに健康で、
ご先祖様の御霊を慰めつつ、家族ととともに生きていけたら、
いいな。

私に取ってのお金は、
そのために必要なものだと思います。



スマイルズ著、竹内均訳『自助論』
(三笠書房 知的生きかた文庫、2002年4月改訂新板)より。
※印は栗木によるコメントです。

7章 金の知恵

金をどのように扱うか?
 どのようにして金を手に入れ、貯え、使うか?
 これはわれわれが人生を生きぬく知恵を持っているかどうかの最大の試金石だ。
」165

※実際、無一文では何もできませんから、
 どうやって稼ぐのか、は、
 どうやって生きるのか、と、
 ほとんど同じ意味になって来ます。


金もうけや貯蓄、支出、金銭の授受や貸し借り、
 財産遺贈などが正しく行われているかどうかを見れば、
 その人の人格の完成度もおおよその見当がつくのである。

 (ヘンリー・テーラー『人生ノート』)166

※お金の問題をクリアできているかどうか、
 一人前と認めてもらえるかどうかの分かれ目。

 まだまだです。
 とりあえずがんばって働いて、
 いろんな問題をひとつずつ解決していきます。


『将来の利益のために現在の満足を犠牲にする』という克己の精神は、
 学ぼうとしてもそう簡単に身につくわけではない。
」168

※常に先を見つめる。
 だからうまくいく、とは限らないが、
 先を見つめて行動するのは基本だと思います。


勤勉、倹約、節制そして誠実という美徳を実践することだ。
 不自由に縛られた不満だらけの生活から抜け出すには、
 この四つの美徳を実行する意外に近道はない。

 (政治家ジョン・ブライト)170

※勤勉、倹約、節約、誠実という言葉は、
 一見、不自由さを思わせますが、
 実は、この言葉の向こう側にこそ、
 本当の自由が隠されている。


金を倹約して使うというのは、
 すぐれた人格者の基礎となる資質……
 すなわち分別や先見性や克己心を備えている証拠だ。
」172

※倹約は、子供のころから染みついているので、
 さほど困難には感じません。

 ただし、いろんなことに興味をもって、
 なんでも試したい、と思う性格でもあるので、

 欲望は限りないもの、
 と自分を言いくるめて、
 ほどほどのところで折り合いをつけるようにしています。

 両親に感謝します。


貯蓄は困窮に対する砦である。
 貯蓄によってわれわれは生活の足場を固められるし、
 暮らし向きが好転するまで希望を失わず快活に生きていける。
」173

※使わなければ貯まります。
 とくに若いうちや、
 新しくものごとを始めたときは、
 我慢するのが当然と思って、
 お金が貯まるのを待ちます。
 数年なら貯金だけでも生活できるくらい貯めておくと、
 いろんなことに余裕を持って取り組めるようになります。

 最初の我慢が肝心です。


常に困窮すれすれの生活にあえいでいるのは、
 奴隷の身の上にほとんど変わらない。
」173

※仕事が定まるまでに、
 ほんの十年ほど、浪人生活を送ったおかげで
 お金のないことがいかに苦しいことなのか、
 身にしみて知ることができました。
 よい経験をしました。が、
 もう一度そうしたいとは思いません。


人は誰でも、
 分相応の暮らしをするように工夫しなければならない。
 それは誠実な生き方の証でもある。
」174

※一生懸命生きましょう。
 どうせいつかは死ぬのですから、
 あとあと後悔しないように、
 できるかぎり誠実に生きようと思います。

ほんとうの敵は世間ではなく自分自身の中にいる。
 自分自身すら味方にできない人間に、
 誰があえて手を差し伸べたりするのだろうか?
」175

※自分に負けない。
 世の中の多くの問題は、
 ほんとうは自分の中の問題であることが多い。

 周りが何をいっても、
 自分がそれでよければ何も問題ではない。

 自分の中に基準を持って、
 ブレない人間になりたい。


人から借金しなければ手に入らないような楽しみなど、
 絶対に求めてはならない。
 断じて金を借りるな。
 借金は人を堕落させる。

 (画家ヘイドン)177

※借金は悪、という認識を忘れない。
 とくに自分の欲望をかなえるための借金は
 絶対にしない。

 そのことは、親から子へ、
 一番伝えておかないといけないことでしょう。


貧乏は幸福を脅かす大敵だ。
 それは自由を破壊し、時には美徳をも麻痺させる。
 つましい生活さえできれば、心には平安が訪れ、他人にも恩恵を与えられる。
 自らにも救いが必要な人間に他人を救えるわけがない。
 十分な貯えを得て初めて、人にそれを分け与えられるのだ。

 (サミュエル・ジョンソン)178

※貧乏にならない努力をする。
 人の欲は限りのないものなので、
 分相応をわきまえる。

 貧乏であれば、
 絶対に不幸になるわけではないし、
 貧乏な中で、幸せな生活を保つことは
 そんなに困難なことでもありません。

 とはいえ、あえて自分から
 貧乏な生活を選ぶ必要はないわけですし、
 実際、ふつうの生活すら維持できない程の貧乏は、
 若い一時期をのぞいて、
 できるだけしない方がいいでしょう。

 ほどほどの生活を維持していけるくらいの
 収入と貯蓄が維持できるように、
 自分の人生を考えておきたいものです。


小銭に気をくばれば大金はおのずと貯まる
勤勉は幸福の母
労苦なければ益もなし
楽をするには汗をかけ
働き者に福がくる
浮世はがまんと努力しだい
(世界各国のことわざ)185

怠け者よ、アリのところへ行け。そしてそのやり方から知恵を学べ
正直者の勤勉な手は富をつくり出す
黄金よりも知恵を求めよ。知恵はルビーにまさる。
 この世に望み得るすべてでさえ、知恵には比ぶべくもない。

 (ソロモンの箴言)186

まともな仕事を持っていれば、恥入る必要などない。
 正業に就いていない人間こそが恥を知るべきなのだ。

 (フラー)188

※働こう。
 仕事を選り好みするのでなく、
 縁のあった仕事で力いっぱいがんばってみる。

 ただそうはいっても、
 いろいろとこだわりのあるのが人間なので、
 自分の興味のあることで仕事ができるとは限りません。

 そういう現実とどう向き合うか、
 現実に壁に当たってみると、
 それほど簡単に割り切れるものでないことも事実でしょう。

 それでも、
 もう働かなくたっていいや、
 というところには逃げない。


最高の快楽や富、権力、地位、栄誉や名声を得たとしても、
 それは人生における最大の成功ではない。
 むしろ、最高の人間性を獲得し、
 他人の役に立つ仕事に打ちこみ、
 人間としての義務を果たしていくことこそ、
 いちばん立派な生き方なのだ。
」194

※これならば、と思える仕事に出会えて、
 その仕事に打ち込んで、
 ほどほどのお金を稼ぐことができたなら、
 それは確かに、この上なく幸せなことだと思います。

 人生仕事がすべてではありませんが、
 仕事が人生の大部分を占めていることも確かです。

 どんな仕事について、
 どのようにお金を稼いで、
 どのように生活を維持していくのか、
 ということについて、

 わりと早い時期から、
 いろいろと考え、
 体験させる機会があってもいいような気がしています。

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