2025年3月31日月曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第1・2・3帖「桐壺」「帚木」「空蟬」

 久しぶりに『源氏物語』を読み返そうと思い、Kindle Unlimited で探してみると、以前挫折した谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう)訳が全巻無料で読めることを知りました。今回は読めそうな気がして、少し読み進めてみましたが、やはり独特の難解さが気になって、読むのを止めてしまいました。いっそ原文でと思い、新潮日本古典集成『源氏物語』を古本で手に入れてみたところ、意外にそのままで楽しめることを知って驚きました。しかし、まだまだ読むのに現代語訳の3倍は時間がかかる状態でしたので、原文はしばらく先の楽しみに取っておくことにしました。

 現代語訳をいろいろ手に取ってみた中で、私にとって紫式部の天才的な文章の冴えを感じさせるのは、与謝野晶子(よさのあきこ)訳のみという結論に至り、久しぶりに再読することにしました。長編なので毎月読み終えた数帖をブログで報告していきます。3月は第一帖「桐壺(きりつぼ)」、第二帖「帚木(ははきぎ)」、第三帖「空蟬(うつせみ)」の三帖を読みました。「帚木」の前半が、自分にとってはそれほど面白い話と思えず、『源氏物語』を読むときの最初の壁になっていたのですが、ある程度ストーリーが頭に入ってきたからか、今回は何となく楽しみ方がわかったように感じました。

2025年3月30日日曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史20 現代文明とグローバル化』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史20 現代文明のグローバル化●一九九〇~二〇二〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。ようやく最終巻にたどりつきました。近年30年間に起こった事実を、穏当な語り口で大雑把にならべた印象で、自分が生まれ育ってきた時代を「歴史」として語ることの難しさを感じました。書かれた瞬間に再評価の対象となる「現代史」は、自分自身が生き証人でもある分、人の数だけ様々な語り口が成立しうるので、なるほど!と思わせるのはなかなか難しいと思いました。

 全巻を通して、文章や図表をもちいた解説は心持ち少なめで、マンガのみで世界史を語り尽くすことを目標としていたように感じました。事典的な使い方には向きませんが、「世界史」の取っかかりをつかむのに最適な企画でした。


羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史20 現代文明のグローバル化●一九九〇~二〇二〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 冷戦終結後の世界
  ・湾岸戦争
  ・中東和平の試み
  ・ユーゴスラヴィア内戦
  ・アパルトヘイトの終わり

 第2章 加速する人・モノ・カネの流れ
  ・WTO(世界貿易機関)の誕生
  ・チェチェン紛争
  ・グローバル経済
  ・反グローバリズム

 第3章 テロとの戦い
  ・9・11同時多発テロ
  ・イスラエルとパレスチナ
  ・リーマン=ショック
  ・中国の台頭

 第4章 世界と人々の未来
  ・東日本大震災
  ・アラブの春からシリア内戦へ
  ・揺れるEUとトランプ大統領誕生
  ・変化しつづける世界

 〔プロット執筆・監修〕
  第1・2・3・4章 紺野奈央
   寺田悠紀(てらだゆき。東京大学東京カレッジ特任研究員)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕樹生ナト(きおなと)
 〔シナリオ〕齊藤睦志(さいとうちかし。クラフトワークス)

2025年2月23日日曜日

【読了】角川まんがシリーズ『世界の歴史19 冷戦の終結と民主化運動』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史19 冷戦の終結と民主化運動●一九八〇~一九九〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。今月は大学と高校の入学試験、中学と高校の学年末試験が続いていたため、読書する時間はほとんど取れませんでしたが、何とか1冊読み終わりました。自分が生きてきた時代なのでいろいろ知っている気でいましたが、読めば初めて知ることもたくさん。良い勉強になりました。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史19 冷戦の終結と民主化運動●一九八〇~一九九〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 米ソ中心の世界秩序の崩壊
  ・軍縮と緊張緩和(デタント)
  ・レーガノミクスとアメリカ経済
  ・ゴルバチョフとペレストロイカ
  ・東欧革命とソ連の解体

 第2章 日米貿易摩擦とヨーロッパ経済
  ・ジャパン=バッシング
  ・プラザ合意と日本のバブル景気
  ・イギリス病とサッチャー首相
  ・日本のバブル崩壊と経済低迷

 第3章 アジアで高まる民主化運動
  ・朴政権と韓国経済の発展
  ・アジア諸国の開発独裁
  ・天安門事件
  ・東アジアの経済成長と通貨危機

 第4章 統合に向かうヨーロッパ
  ・シューマン=プラン
  ・ECの発足とEUへの進化
  ・イギリスのEC加盟
  ・ヨーロッパの経済停滞と地域統合


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第2章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第3章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)
  第4章 内田力(うちだちから。東京大学東洋文化研究所特任研究員)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕すずき孔(すずきこう)
 〔シナリオ〕青木健生(あおきたけお)

2025年1月28日火曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史18 冷戦と超大国の動揺』(2021年2月)

    羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史18 冷戦と超大国の動揺●一九五五~一九八〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。やっと自分が生まれた時代に入ってきました。個々に知っていたつもりでも、全体的な流れをバランスよく知っている訳ではないので、大まかな流れがわかりやすくまとめてあって、興味深く読み進めることができました。


羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史18 冷戦と超大国の動揺●一九五五~一九八〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 世界を揺さぶる超大国の対立
  ・スターリン批判と社会主義の動揺
  ・ベルリンの壁とキューバ危機
  ・キング牧師と公民権運動
  ・プラハの春と中ソ武力衝突

 第2章 中国 文化大革命と東アジアの発展
  ・中国の社会主義国家建設
  ・大躍進政策の失敗と毛沢東辞任
  ・日本・韓国・北朝鮮の経済成長
  ・文化大革命

 第3章 ベトナム戦争とアメリカの失敗
  ・南ベトナム独裁と解放民族戦線
  ・アメリカの介入 ― 北爆開始
  ・反戦運動とニクソンの外交交渉
  ・ベトナム戦争の終結と南北統一

 第4章 中東での戦争と革命
  ・エジプトのナセルと第二次中東戦争
  ・第三次中東戦争とPLO
  ・石油危機と中東和平
  ・イラン革命とイラン=イラク戦争


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 和田龍太(わだりゅうた。東海大学専任講師)
  第2章 久保亨(くぼとおる。信州大学特任教授)
  第3章 和田龍太(わだりゅうた。東海大学専任講師)
  第4章 寺田悠紀(てらだゆうき。東京大学東京カレッジ特任研究員)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕白井三二朗(しらいさんじろう)長月みそか(ながつき)
 〔シナリオ〕齊藤睦士(さいとうちかし。クラフトワークス)

2025年1月23日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史17 第二次世界大戦後の国際関係』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史17 第二次世界大戦後の国際関係●一九四五~一九五五年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。このシリーズは漫画のみですべてを説明しようとしているので、知っている時代についてはもう少し詳しく知りたくなりますが、バランス重視で個々にそれなりに知っていたはずの知識が横につながって、興味深く読み進めることができました。


羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史17 第二次世界大戦後の国際関係●一九四五~一九五五年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 国際連合の誕生
  ・太平洋憲章
  ・ブレトン=ウッズ体制
  ・国際連合の発足
  ・東西対立

 第2章 冷戦のはじまり
  ・鉄のカーテン
  ・マーシャル=プラン
  ・コミンフォルムの結成
  ・ベルリン封鎖とドイツ東西分裂

 第3章 日本・中国・朝鮮半島の戦後
  ・占領下の日本
  ・日本国憲法の公布
  ・中華人民共和国の成立
  ・朝鮮の分割占領と朝鮮戦争

 第4章 第三世界の自立への歩み
  ・アフリカの植民地独立
  ・インドとパキスタン
  ・イスラエル建国と第一次中東戦争
  ・ベトナム独立とインドシナ戦争


 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 和田龍太(わだりゅうた。東海大学専任講師)
  第2章 北村厚(きたむらあつし。神戸学院大学准教授)
  第3章 久保亨(くぼとおる。信州大学特任教授)
  第4章 中尾沙希子(なかおさきこ。東京大学大学院総合文化研究科学術研究員)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕如月弘鷹(きさらぎひろたか)名古屋裕(なごやゆう)吉田健二(よしだけんじ)
 〔シナリオ〕齊藤睦士(さいとうちかし。クラフトワークス)

2025年1月20日月曜日

【読了】伊藤正徳著『大海軍を想う その興亡と遺産』(光人社NF文庫、新装版、2018年7月)

 伊藤正徳(いとうまさのり、1889年10月18日-1962年4月21日)著『連合艦隊の最後』に続いて、一連の戦記物第2作目『大海軍を想う』を読了しました。前著の367頁から大幅増の542頁でしたが、前著の勢いに乗って、また電子版の助けをかりて、無事に最後までたどり着きました。

 1956年03月『連合艦隊の最後』
 1956年12月『大海軍を想う』◯←
 1957年12月『軍閥興亡史 1』
 1958年05月『軍閥興亡史 2』
 1958年12月『軍閥興亡史 3』
 1959年09月『帝国陸軍の最後 第1 侵攻篇』
 1960年04月『帝国陸軍の最後 第2 決戦篇』
 1960年08月『帝国陸軍の最後 第3 死闘篇』
 1961年03月『帝国陸軍の最後 第4 特攻篇』
 1961年10月『帝国陸軍の最後 第5 終末篇』
 1962年06月『連合艦隊の栄光』

紙の本としてはこれまでに4回再刊されているようです。手元には④を置いてありますが、老眼が入り出した目には小さな活字がまあまあ辛いので、今回も電子版⑤を利用しました。電子版の存在がなければ、まず間違いなく最初の数十頁で挫折していたでしょう。活字を大きくできるのは本当にありがたい。

①伊藤正徳(いとうまさのり)著
 『大海軍を想う』
 (光人社、1956年12月◇523頁)
  ※①の刊行前に『産経時事』上に連載されていたようであるが、
   詳細は未調査。

②伊藤正徳(いとうまさのり)著
 『大海軍を想う』
 (光人社、1981年12月◇309頁)


③伊藤正徳(いとうまさのり)著
 『大海軍を想う その興亡と遺産』
 (光人社NF文庫、2002年4月◇542頁)
  ※④新装版、2018年7月。


⑤伊藤正徳(いとうまさのり)著
 『大海軍を想う』
 (ディスカヴァリー e パブリッシングカンパニー、ディスカヴァリーebook選書、2023年6月)
  ※電子版の底本については注記されていないが、恐らく①であろう。


次は少し時間を置いてから、『軍閥興亡史』か『帝国陸軍の最後』に挑戦する予定です。いったん読みかけの『世界の歴史』の残り数冊を読み終えます。